テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
静まり返った部屋。モニターに映るのは、 笑顔で配信する自分 でもその笑顔が、まるで他人のように見えた。
ないこ
笑うたびに、胸の奥が痛んだ。 誰にも見せないその痛みを、 今日もまた、画面の外に隠した。
ないこ
ベッドに横たわり、まぶたを閉じる。 闇に溶けるように、意識が沈んでいく。
???
ないこ
???
ないこ
冬心
目の前に立つのは、まるで“自分”そっくりの少年。 でも、彼の瞳には、 ないこが失ったはずの“痛み”が残っていた。
ないこ
冬心
ないこは息を呑む。 胸が――軋むように、苦しかった。
ないこ
冬心
闇の中、ふたりは向き合っていた。 忘れられた記憶。閉ざした感情。 その全てが、少しずつ――ほどけていくように。
冬心
ないこ
冬心
重なる“僕”と“僕”。 それは、たしかに同じ存在で―― けれど、ずっと遠くに感じていた。
冬心
目覚めた朝、心に何かが残っていた。 それは痛みでも、悲しみでもない。 “もうひとりの自分”がくれた――小さな灯火だった。
ないこ
【第一話 了】