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夜の配信が終わった後、 りうらはマイクの電源を切り、 少しだけ長く息を吐いた。
りうら
そう言って笑った顔は、誰に見せるわけでもなかった。 部屋には、笑い声の残響すらもうなかった。
りうら
ゆうら
暗がりの中、りうらの影から現れた“彼”。 同じ顔をしながら、全く違う目をした存在―― それが“ゆうら”だった。
りうら
ゆうら
りうら
ゆうら
りうら
その言葉に、りうらは初めて視線を落とした。 誰にも見せたくなかった自分が、そこに映っていた。
ゆうら
りうら
ゆうら
りうら
答えなかったのは、 その言葉を否定できなかったからだった。
ゆうら
りうら
ゆうら
やさしく、やさしく語りかける“ゆうら”。 その声に、心がほどけていく。
ゆうら
りうら
こぼれた声に、涙が滲む。 ずっと張りつめていた“りうら”という仮面が、 静かに剥がれていった。
ゆうら
“りうら”と“ゆうら”。 それは、決して別々ではなかった。 互いを補い合いながら、ただ―― “ひとつの心”で、立ち続けていた。
りうら
【第二話 了】