テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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貴女の中で、生きるだけ。

第2話 - 貴女の中で、生きるだけ。(後半・美鈴視点)

2025年02月14日

#咲夜

#美鈴

#めーさく

#感動

東方の沼ハマ

暗い…暗い…

何も見えない…

…ここは…どこですか…？

…うっ…眩しい…

…ここは…

…そうだ…あの時…私はここで…

美鈴

…咲夜さんを助けて…死んだんだ…

美鈴

…あっ！咲夜さんは！？

美鈴

…いない…？帰れたのかな…あっち側に…

美鈴

帰れてるといいなぁ…

？？？

…よう。

美鈴

………誰だ？(敵意は感じないけど…)

？？？

おいおい…もう忘れたのかい？

？？？

…あたいだよ…

美鈴

…お前は…

小町

やっと思い出したか？お前の魂を
頂いた者…小町だ。

美鈴

…咲夜さんは…帰れたんですか…？

小町

…ああ。今は元気に暮らしてるはずさ。
お前さんのせいで、な…

美鈴

…魂を回収する者からしたら、私は
邪魔者ですからね？

小町

その通りさ…お前のせいで…あたいは
映姫様に怒られたんだぞ？

美鈴

…私からしたらどうでもいい事です。

美鈴

…で？何の用ですか？もう魂は無い
ですよ？

小町

へっ…そんなんじゃないさ。…お前さん
に…謝罪と感謝を伝えたくてな…？

美鈴

…どういう風の吹き回しですか？

小町

なぁに、そのままの意味さ。

小町

まずは…すまん…紅美鈴。

美鈴

…何に対して？

小町

十六夜咲夜と…無理やり引き剥がして
しまった…

美鈴

…それは私が望んだこと。あの人を
助けたいという願いの代償だから。

小町

少し考えたらいい案なんて沢山出て
くるさ。…だから…あんなことをして…
申し訳無かったんだ。

美鈴

…確かにあれは痛かったけど…

小町

…それはすまなかったな。

小町

次に…言わせてくれ…ありがとう。

美鈴

…それは何に対して？

小町

私の仕事は…死者の魂を回収すること。
それ故に、人間味のある心なんてものは
無かった。

美鈴

…

小町

あの戦いで、私はそれを学べた…
気がするんだ。

小町

さっきの申し訳無さは…これと関係
してるかな？

小町

そして…だ。本題に移るが…

小町

…秘密の約束だ。

美鈴

秘密の…約束？

小町

ああ、そうさ。しっかり聞けよ？
…最期に…お前が一番会いたい人に
会わせてやる。…ということだ。

美鈴

え…？それって…

小町

ああ。十六夜咲夜に、もう一度だけ
会える…かもな？少しの間だけだが…

小町

これに対して、一つだけ…条件がある。
…誰にも言わない、言わせないことだ。

美鈴

…なるほど。

小町

この事がバレたら…私の存在が消えて
しまうからな…

美鈴

…分かりました。

小町

助かるよ。紅美鈴。

小町

そしてもう一つ。

小町

…お前さんの魂は、ここではなく、
現世に置いて置くことにした。

美鈴

…え？なぜ…？

小町

そこら辺じゃないさ。白玉楼だよ。

美鈴

…あそこですか。

小町

あそこじゃないと魂の収集がつかない
からな…既に半人にも言ってあるぞ。

小町

そして、実体を与えてくれる…らしい。
これは月の頭脳に頼んだ。

美鈴

えっ？

小町

体…といっても、少し半霊のような…
まあ、半霊に近いものだ。

小町

あと…紅魔館に住む者達が来た場合だけ
だが…その姿にもしてくれるらしいぞ？

小町

大大大サービスだぞ？映姫様の意見
だからな…感謝しとけよ？映姫様に。

美鈴

…では…言っておいてください。
紅美鈴から…ありがとう…と。

小町

はいはい、わーったよ。

小町

それじゃ、移動するから…動くなよ？

美鈴

…白玉楼…相変わらず良いところだ…

小町

おーい、半人ー！

妖夢

…はい、美鈴さんですね。こちらへ…

美鈴

え…は、はい…

小町

後はよろしくな？魂魄。

妖夢

…妖夢と呼んで下さい…

小町

いつか…な。

妖夢

…はぁ…

幽々子

…美鈴ちゃんね？

美鈴

はい、そうです。

幽々子

これからよろしくね？

美鈴

よろしく…

妖夢

よろしく、美鈴さん。

美鈴

よろしく。

幽々子

…良い顔ね？

美鈴

えっ…？

幽々子

…護りたいものがある顔してるわ。

美鈴

…そうですね。

幽々子

…ちょっとごめんなさい、妖夢ー？

妖夢

はい、なんでしょうか。

幽々子

お腹空いちゃったの…何か食べたいわ？

妖夢

はい、承知しました。

妖夢

貴女もどうぞこちらへ。
和菓子があるので、食べませんか？

美鈴

えっ…と？

美鈴

あ…じゃ、お言葉に甘えて…

幽々子

…美味しかった♪ありがとう、妖夢。

妖夢

いつものことですよ。

美鈴

なんかすいません…私まで…

妖夢

いえいえ…もう…家族のようなもの
ですから。

幽々子

…あ！そうそう…

幽々子

美鈴ちゃん、体はここにあるわ。

美鈴

わお…随分と綺麗に…

幽々子

心臓無いから…若干体が薄くなっちゃう
かもだけど、それでもいい？

美鈴

はい。

幽々子

…美鈴ちゃん、貴女は特別に、
体にずっと入ってていいわ。

妖夢

えっ！？ですが…幽々子様…！？

幽々子

その時は私の命と引き換えれば良いわ。

妖夢

…それなら、私の命も…

幽々子

うん。分かったわ。

幽々子

…美鈴ちゃん、行ってくる？

美鈴

…はい…

妖夢

私が途中まで同行します。

幽々子

(…妖夢…堅っ苦しいわね〜、いつも通り
で良いのに…)

妖夢

では、幽々子様、行って参ります。

幽々子

は〜い、気を付けてね〜。

…そして、咲夜と話した後、美鈴は白玉楼に戻っていった。

その時、美鈴は…

…泣きながらも、笑っていた。とても優しい、満面の笑みで。

幽々子

美鈴ちゃん…咲夜ちゃん達が来て
くれたら…会えるから…ね。

幽々子

私達も協力するからね…美鈴ちゃん、
これからも頑張りましょう！

美鈴

…はい…！ありがとうございます…！

美鈴

(…咲夜さん…私の分まで…頑張って
生きてくださいね…！)

美鈴

(私はここで…応援してますので…！)

美鈴

(互いに頑張りましょうね…咲夜さん！)

妖夢

…美鈴さん…

幽々子

…妖夢。

妖夢

はい、いかがなさいましたか？

幽々子

あの子はいい子ね。

妖夢

…はい。とても素晴らしい御方です。
話の中で出てきた、あの決断力は…

妖夢

…私には、到底真似出来るものでは…

幽々子

いやいや、それは無いわよ、妖夢。

妖夢

いえ…私は臆病なので…

幽々子

貴女は、いざという時に力を発揮
出来るタイプよ。

幽々子

その力は…何をしても抑えられない程
強いわよ。神でも相手になるかどうか…

妖夢

…

幽々子

妖夢は、普段からそこを出していたい
のよね？

妖夢

まあ、その通りですかね。

幽々子

…美鈴ちゃんって凄いのね〜。妖夢すら
真似出来ない力があるなんて…

妖夢

…私はまだまだ半人前ですから…

幽々子

…これからも頑張って行きましょうね。

妖夢

はい。いつか私も…一人前の剣士に
なって見せます。

幽々子

そうそう、その意気よ〜♪

小町

(…相変わらず…凄い奴だな。紅美鈴は。)

小町

…そろそろ仕事に戻るかあ…

小町

…さらばだ、紅美鈴。また会えたら
戦おうな…！(ﾋｭｯ…

幽々子

…ん…？誰かいる？

妖夢

…誰も…いないですが…？

幽々子

…気のせいかしらね？まあいいわ。

これにて短編ストーリー、『貴女の中で、生きるだけ。』は、本当に完結いたします。

見てくれてありがとう。ストーリーの方も是非、チェックしてみてください。

それでは失礼…

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東方の沼ハマ

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