りうら
氷が発生しているその元まで走る。
·······こんなにも、魔法を使ってるんだ。普通じゃない。
それはすなわち、最悪の事態······"暴走”。
それが起こってしまっているって事で。
りうら
氷が一段と刺々しくなる。·····近くだ。
ほとけ
りうら
ほとけ
りうら
ほとけ
りうら
途中、ほとけっちを見つけた。
2人で声を張り上げる。
If
りうら
ほとけ
If
ほとけ
ほとけっちが手招きしてくれる。
呼ばれた先には、予想通りまろがいた。
おびただしい量の刺々しい氷に覆われたまろが。
りうら
そう言った。
·······言った、けど、前より氷が増している。
なんで·······?なんで?
氷はまるでまろの体を守るかのように、量と勢いを増していく。
りうら
ほとけ
If
ほとけ
ほとけ
りうら
りうら
りうら
ほとけ
ほとけ
りうら
····どうすればいいんだろう。
今まで·······こんな時どうすればいいかなんて分かったことがない。
いっつもいっつも、分からない。
そうだ。·······俺には、いつだって理解が出来ない。
りうら
わかんないなりに、何かしなきゃならない。
何もしないことこそが、1番、1番残酷だって·······
りうら
りうら
まろを取り囲む氷を、徐々に溶かす。
ゆっくり、刺激しないように本当に優しく。
りうら
りうら
If
りうら
りうら
りうら
りうら
りうら
分からないなら、せめて助けてあげないと。
助ける方法が分からないなら、せめて声をかけてあげないと。
··········あのとき、俺が1番して欲しかったこと。
If
所詮綺麗事だ。綺麗事。
それでもだ。綺麗事に救われる人もいるはずだ。
りうら
まろが笑いかけてくれた気がした。
徐々に、でも確実に氷が溶けていく。
·······まろを守るようにしていた氷が消えた。
りうら
ほとけ
りうら
ほとけ
りうら
········少しは、許してくれたのかな。
学園の保健室。
あの後、班員総出でまろの作り出した大規模な氷を溶かして行った。
その間、まろはないちゃんによって学園の保健室まで連れられた。
ないこ
ほとけ
りうら
·······まろが、あまりにも幼い頃の自分に重なって見えたから。
初兎
悠佑
りうら
りうら
ほとけ
初兎
ないこ
りうら
ほとけ
初兎
ないこ
りうら
ほとけ
ないこ
初兎
ないこ
悠佑
りうら
ほとけ
初兎
初兎
りうら
(in If)
俺は、いつだって"普通”より大分ズレてた。
宵月の王国、第5王子。
それだけで、大分ズレてるのは知ってた。
でも、そんなの家族の皆も一緒だから。
だから大丈夫。
いつだってそう思って我慢してたけど。
·······俺は、そんなものよりずっとずっとズレてた。
宵月の王国の王族は魔力は代々差程多くはなかった。
父も、母も、兄も。
皆魔法使いには到底なれないレベルの魔力量。
それでも、父には"強い統率力”といったものが備わってたから、別に問題なかった。
でも、俺にはその魔力の量が元々備わっていた。
母方の親戚である貴族には大魔法使いがいたらしいが、それも過去の話。
だから、俺は誰よりもいつだって異端者だった。
俺は、皆とは本当の家族じゃない。
偽りの王子。
そんなデマが広がったが、そうだったらどんなに良かったものだろう。
俺にとっての家族は、
俺を気味悪がり、
俺を決して公に出さず、
俺に外出の許可を与えない。
そんな家族だったから。
本当の家族が別に居るのなら、王族の地位を捨ててでも探しに行くのに。
·········だから、嬉しかったんだ。
信用してくれる人が居ること。
家族のような友達ができたこと。
··········でも、きっと離れてくんだろ?
俺が王族で、
Sランクで、
"問題児”の"化け物”で。
それを知れば、どうせ離れてくんだろ?
お前らだって、今までの友達と同じように。
ならさ。
············突き放すなら、さっさとしろよ。
怖いんだ。
これ以上、優しさと、温かさを知るのが。
これ以上、1人が寂しくなるのが。
If
ほとけ
りうら
ないこ
初兎
悠佑
If
まろの目には、暖かい雫が浮かんでいた。
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
コメント
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いふくぅぅぅぅん!!✨好き。神作あざした____○_(土下寝)