繋がる記憶

緩い人だなと思う 幹部の中ではオスマンさんの次くらいに緩いだろう これなら五月蝿くはならないだろう

緩い人とはいえ信用していないに越したことはない 煩くなくても今は一人で居たい そしてこの前来たばかりだから城内全てを覚えている訳でもない 後、案内中に何を話せば良いのか分からない この四つが揃ったらもう嫌だ

トントンのその言葉が合図かのように その言葉が発せられた瞬間、皆が散り散りに 自分の部屋や訓練場、街へと走り去っていった

一刻も早くここを立ち去りたくて早口になってしまう 質問は聞いたほうが良いと思って聞いたが 一刻も早く立ち去りたい ずっと悩んでいた彼が急に口を開いた

何故か少し落ち込んでしまった そして何故かポメラニアンのような耳と尻尾が見える 罪悪感が湧いてきて拾われたとだけ答えた

シャオロンside

葵が出ていった部屋で呟く やっと面白い玩具が見つかった

急に緑色の奴が現れ驚く 音ぐらい立てろや すると緑色の奴は楽しそうに笑うと 窓の外に俺を放り投げた

俺の部屋は直ぐ側の森に一番近かったからか 軽く投げられただけで簡単に森の奥の方へ入ってしまう

取り敢えず投げ飛ばされた方向に歩いていくしか無い 立ち上がり、一歩踏み出そうとすると 俺の足元からではない場所で草木を踏むような音がした 動物かと思い後ろを振り向くと刀を突き付けられていた 真っ直ぐに喉仏を狙ってきている

相当間抜けな声が出たが 相手は表情を歪め続けたまま言い放った

どうやら俺がさっきの言葉を理解出来なかったと 勘違いしたようで言い直してくれた

どうやら疑っているようだ まぁそうだろう 急に自分の居る場所へ現れて飛ばされた何て 馬 鹿みたいなことを言われたら誰でも疑う お互いに黙り込んでいたら馬の鳴き声が聞こえてきた

外道丸が何かはよく分からないが コイツの大切な奴なのだろう ＿もしかして外道丸って奴を助けたら疑いも晴れる？＿ 賭ける価値はありそうだ すぐさま自慢の脚力で木々の上から 声の聞こえた方へ向かう

岩に足を潰された馬が居た 常に持っている愛用のシャベルで岩を砕く 鉄のものなら直ぐに壊れるような岩だったので 数分後に壊すことが出来た

助けたからか頬に自分の頬を擦り付けてくる どうやら懐いてくれたようだ 馬の背中には鞍が付いている やはりコイツが外道丸とかいう奴だ

少しぎこちなく主の元へ行く外道丸 ソイツは涙を流しながら外道丸を優しく撫でた

外道丸を助けたことで信用してくれたらしい 今の俺にとっては嬉しい提案をしてくれた