サリーさんの父
・・・みな、役立たずばかりだ。なぜ、わたしの言うことを聞かないのだ。こうなったら、この国を消滅させるしかないようだな
サリー
お父様!どこにおられますか?
サリーさんの父
その声は、サリーか。サリー、お前だけはわたしの・・・・
サリー
お父様!お願いします。これ以上、人々を苦しめるのはもうやめてください。わたしは見たくないです。お父様が、生きてきた世界を壊すなんて・・・。そんなの、耐えられません!
サリーさんの父
サリー、お前まで逆らうのか?裏切ると言うのか?
サリー
わたしは、お父様の娘です。そんな悲しい生き方・・・母は、そんなの、望んではいないはずです
サリーさんの父
うるさい!
サリー
お父様は、わたしが嫌いですか?
サリーさんの父
・・・・・・
サリー
わたしが女だから・・だから・・・
サリーさんの父
・・・・・・
サリー
なんか、言ってください!
俺たちV6は、二人の様子をただただ見守ることしかできなかった。
いのっち
俺たちが、あの親子・・・いや、お父さんの心を浄化させることができるのかな・・・。俺、自信なくなってきた
岡田
サリーさんは、俺たちを、信じてくれた
健
そうだよね。僕らが弱気になってたらダメだよね
坂本
約束しちまったしな。助けるって
剛
・・・だな
長野
約束は、守らないとね
健
でもどうやって?
岡田
サリーさんが、うまく外に連れ出してくれたらエエんやけど・・・・
サリーさんの父
サリー、お前はなぜわたしの術を、逃れることができたんだ?一度はかかったはずだ。
サリー
それは・・・・・
サリーさんの父
お前だけはわたしの味方だと思っていたのに・・・・
サリー
わたしは、お父様がどうしてこんな風になってしまったのかわからない。でもね?お父様。人はひどい人ばかりではないよ?わたし、わかったんだ。こんなわたしをそれでも救ってくれた人たちがいたから・・・・・
サリー
アミは、わたしの背中を押してくれた人の一人なの。わたしの初恋の人ににている人には、仲間の大切さを教わったわ。わたしはまだ、教えてもらってないことがあるよ?お父様に・・・・
サリーさんは、アミさんとの会話を、思い出していた。
アミ
ねぇ?サリー・・・。きっとサリーは、お父さんに抱き締められたことがないんだよ。それなら、逆に抱き締めてあげるのは、どうかな?きっと、思い出すよ?
一番愛しい人の温もりを・・・・。
そうしたら、きっと変わるよ。
わたしはそう信じてるよ?
いのっち
俺たち、まさかの出番なし?
坂本
・・・かもしれないな
剛
そういうときは、素直に喜んでやろうぜ
健
うん!そうしよう。なんか、僕たち、いま神様になった気分だよね
いのっち
なるほど。それ、嫌いじゃないぜ。だって、俺たちは、異世界の人間。つまり、よそ者だからな!
長野
でも・・・この国の人と、いや、くにになぜだか馴染んでしまったよね・・・・・
健
助けられたし・・・でも、だからこそ・・・逆に助けたいって思ったんだ・・・・
岡田
どんな力を持ってようと助けたいって思ったんや・・・
いのっち
って、俺たち、影でカッコいいこと言い過ぎじゃね?
長野
あはは。確かに
健
サリーさんの父さんもきっと、優しい心取り戻すよね?
いのっち
まぁ?優しいかどうかはわからねぇけどな
坂本
とにかく何とかしたいよな。あの二人をちゃんと親子に戻すためにさ
ルキア
ねぇ、なんで?どうしてそんなに尽くしてくれるの?わたしたち、あんたたちを殺そうとまでしたんだよ?生きていられなかったかもしれないのに・・・・・
剛
ルキア・・・・ついてきていたのかよ
健
(笑)まさか、ルキアさんがね
ルキア
・・・えっ?
剛
・・・・・・
いのっち
初めてルキアさんと会ったときは、人を信じるって言うより恨んでいたね。イナンさんや、イオンさんの力を手に入れるために・・・・
ルキア
あのときは、レンを振り向かせることで一杯だったから・・・・
剛
・・・・・・
ルキア
でも・・・さっき剛が動かなくなってしまったとき・・・・胸が締め付けられるかと思ったんだ・・・・・
長野
ルキアさんが、本当の愛に巡り会えたってことだよね。良かったな、剛
剛
・・・・・・・
否定しないってことは、やっぱり、剛は、ルキアさんを・・・・。
サリーさんは、必死に父親に訴えかけている。サリー
お父様・・・・わたし・・・・
サリーさんの父
サリー、わたしを裏切るんだったら、お前はもう・・・・・
サリー
わたしはお父様が、すきです!たとえ、お父様が、わたしを嫌っていても・・・・わたしは、大好きです!
サリーさんは、父親のいる部屋に入ってしまい、しばらく出てこなかった。
V6
・・サリーさん!大丈夫ですか!!
すると、サリーさんは誰かを抱き締めているようだった。
坂本
サリーさん?・・・大丈夫?
サリーさんの父
・・・・サリー・・・・
サリー
・・・お父様・・・みて!夕日がきれいだよ?見える?
サリーさんは、夕日が見えるように父親を外に案内していた。
すると、サリーさんのお父さんの目からは涙が流れた。
サリーさんの父
サリー、聞いてくれ。お前が生まれた日は、とても天気がよかったんだ。いまでも覚えているよ。自分に子供ができたことがそのときは嬉しかったんだ。愛しい女・・・・お母さんとの愛の証だったから・・・・。どちらでもよかったんだ。そのときは・・・・。
サリー
お父様。
サリーさんの父
なのに、わたしは、世間の声に負けてしまった。そして、こんな風にお前に迷惑を・・・・・
サリーさんが、肩に置いた手に、自分の手を重ねているお父さん。
健「・・・なんか、サリーさんのお父さん、優しいかおに戻ったみたいだね
ルキア
サリーが、アミとの約束を守ったからだよ
いのっち
なぁんだ。俺たちやっぱり、出番なしじゃん
坂本
もう、大丈夫みたいだな
長野
サリーさんは、自分の力で冷たかった父親の心を溶かしたんだ
岡田
アミ、君の言葉で人が救われたで?神様なのはアミの方やな
サリーさんの父
サリー、お前が会わせたいと言っているのは彼らかな?
俺たち6人がものすご~くはしでごそごそとしているのがバレたようだ。
V6
マジかよ
広い屋敷なのによくわかったな・・・。いや、当たり前か・・・・。
サリーさんの父親は、もうもとの国王に戻ったのか、俺たちを攻撃する様子はなかった。
坂本
す、すみません。俺たち異国の・・・いえ、地球のものです。
サリーさんの父
よい、頭をあげよ。
こちらへこい
V6
はい
サリー
・・ルキアも来て・・・・
いのっち
あ、あの・・・俺たちサリーさんに頼まれていたんです。あなたをもとに戻してほしいって
長野
まぁ、いろいろありましたが、どうやらサリーさんが自分の力であなたを戻したみたいなので、自分達の出番はなくなったわけで・・・・
サリーさんの父
そなたたちには迷惑ををかけたな。パーティーに参加をするところだったのだろ?
V6
えっ?知っていたのですか?
サリーさんの父
そなたたちのうわさは、じつは知っている。この国を守ってくれたヒーローだと
いのっち
いや、それほどでも
長野
いえ、僕たちはなにも。みなさんが自分の力で乗り越えたんです。なぁ?みんな
V5
うわぁ~!ティガには負けるぜ!さすがダイゴ隊員!
長野
と、とりあえず💦僕らが粉の国に来たこと事態不思議なんです。だから、「不思議な船旅なんです
いのっち
そうそう。そうなの。何もかもが不思議で。最初は、ほんとに何がなんだかわからなかったんです。だけどね~、とくにこいつ
いのっち
こいつ、健って言うんだけど~、冒険してたら、プールにイナンさんにおとされてしまって・・・・
サリーさんの父
ほぉ、なるほど
いのっち
でね?そのイナンさんと、最初は、ケンカばかりしてたんですけど~これがまたいつの間にか友達以上恋人未満になっちまいまして・・・いや~わかんないですよねー男女の出会いって
井ノ原くんは、僕がなにかを言おうとしているのを押さえつけ・・・・
淡々と最後まで話終えた。さすがだ。サリーさんの父
そなたたちは、地球のものだと聞いたが・・・
岡田
なんの力も、もっていないただの人間です。だけど、この国の人にもらったものもありますよ?
坂本
そうだな。それは、俺たちの世界と変わらないなって・・・
サリーさんの父
そうか。そなたたちの純粋な心が私たちの国の心を動かした・・・。大切な仲間がいるからこそだと、サリーは教えてくれた。イナンやイオン、そして、レンやルキアもそう教えてくれたと先ほど、わたしに伝えてきた。
そう、サリーさんはわりと恥ずかしがりやなのか自分が言えないことを父親を通して俺たちに伝えたみたいだ。
そして、サリーさんの父親は、もう人を恨む目をしていなかった。サリーさんが包み込んだ愛が、届いたんだ。
きっと、それはサリーさんが母親譲りだったからじゃないかと俺たちは、考えた。
そして、サリーさんの家をあとにした俺たちは、ようやくパーティー会場である、イオンさんと、イナンさんの城へと戻ることができたんだ。