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君は本を読むのが好きだった

そして花や、花言葉にも詳しかった

君の透き通った白色の目は、私をよく写していた

薄茶色の髪は、太陽の下でキラキラと輝く

朝は必ずパンを食べて

ご飯派の私と言い争っていた

君の好きな星座はオリオン座

冬の夜、空を見上げるとすぐに見つけていた

エーミール

ハルちゃん、このお花はね「ムスカリ」って言うんだよ

美晴

ぶどうみたいな花だね

美晴

紫色で、すごく綺麗!

エーミール

このお花も春に咲くんだよ

美晴

エーミールってば、春に咲く花に1番詳しいよね

エーミール

だってハルちゃんの名前にはどっちにも花とハルの字があるから…

エーミール

ハルちゃんのお花みたいでしょ?

美晴

嬉しいけど…

美晴

私のミハルって名前は、春のほうじゃなくて晴れるほうのハルだから

美晴

季節の春じゃないよ

エーミール

でもハルなんだもん!

美晴

そっかぁ

美晴

でも嬉しい!

美晴

ありがとねエーミール

エーミール

うんっ!

幼なじみの私たちはずっと一緒だった

性格や趣味は真反対だったけど

ずっと一緒にいた

美晴ママ

まあ!美晴

美晴ママ

制服、よく似合っているわ

美晴

まだちょっと大きい…

美晴ママ

これからどんどん成長していくのよ

美晴ママ

エミくんもすごく似合ってるわね

エーミール

ほんまに?

エーミール

へへっ

美晴

エーミールのほうがダボダボしてるね!

エーミール

わ、笑わんでよ!

美晴ママ

さあ2人とも!

美晴ママ

2人は今日から中学生です

美晴ママ

ちゃーんとお勉強、頑張るんだよ

エーミール

はい!

美晴

はぁい

春、桜が散り始める頃に

私たちは中学生になった

エーミールの両親たちは、共働きで忙しく、海外に移住しているため

エーミールはほぼ毎日、私の家にいるような状態だった

生まれた時から一緒にいるエーミールとは

家族も同然だった

エーミール

ハルちゃん、行こ!

美晴ママ

ママとパパも入学式には間に合うように行くからね

美晴ママ

おりこうさんにしてるのよ!

美晴

いってきまーす

エーミール

ハルちゃん、桜の花言葉って知ってる?

美晴

分かんない

エーミール

「優美な女性」って言うやって

美晴

ゆうび?

美晴

なにそれ

エーミール

ハルちゃんみたいな人ってこと!

美晴

わたしぃ?

美晴

…何言ってるか分かんない!

エーミール

えっとね

エーミール

優しくて美しい人ってこと!

美晴

わ、わたしがぁ?!

エーミール

うん!

美晴

そんな、こと…!

エーミール

ハルちゃんは世界一可愛くて

エーミール

世界一優しい人やから

美晴

……!

美晴

もう、やめてよぉ…

そんなエーミールが好きだった

エーミールの笑った顔

目を細めて口を手で抑えてクスクスと笑う

その目に写っているのは私で

陽の光に照らされてキラキラするエーミールが

すごくすごく大好きだった

エーミール

ハルちゃん!

エーミール

僕たち同じクラス!

美晴

ホント?

美晴

良かったぁ…

エーミール

僕もハルちゃんも同じで嬉しい!

友達

ねえねえ美晴ちゃん

美晴

なぁに?

友達

美晴ちゃんはエーミールくんの事好きなの?

突然そんなことを言われた

美晴

…へっ!?

エーミール

えっ!

私はエーミールが好き

だけど恥ずかしかった

ちゃんと大好きだったのに

美晴

ち、違うよ!

エーミール

…!

照れ隠しをしてしまった

あの時、ちゃんと好きだって言えてたら

あんなことにはならなかったのかな…

友達

そうなんだー

友達

2人って仲が良いから

友達

もう恋人なのかと思った!

美晴

何言ってるの〜

美晴

私とエーミールはそんなんじゃないよ!

友達

エーミールくんは?

ドキッ

そうだ、エーミールは…

エーミール

えっ

エーミールは私の事、どう思っているんだろう

友達

エーミールくんは美晴ちゃんのこと…

美晴ママ

美晴ー!エミくん!

美晴

あ、ママ!

美晴ママ

2人とも返事、とっても良かったわ

美晴ママ

動画に撮ってるから後で家に帰ったら見よっか

美晴

うん!

美晴

エーミールも、今日はわたしんちに来るよね!

エーミール

エーミール

今日は…家に帰る

美晴

えっ?

美晴

でも…エーミールのパパとママ、帰ってきてないでしょ?

エーミール

僕は大丈夫やから!

美晴

…そっか

美晴ママ

じゃあ夕ご飯になったら呼びに行くからね

エーミール

…うん

エーミール

じゃあねハルちゃん!

美晴

またねエーミール!

これが私とエーミールの最後の会話だった

美晴ママ

美晴ー

美晴ママ

もうそろそろお夕飯だから

美晴ママ

エーミールくん呼んでくるわね

美晴

うぅん

美晴

もうお夕飯?

美晴ママ

ほーら美晴

美晴ママ

好きな子にそんな寝起き姿見せていいのー?

美晴

な!!

美晴

ママ、なんで知って…!

美晴ママ

ママはなーんでも分かるのよ

美晴ママ

ふふっ

美晴ママ

それじゃあ行ってくるからね

美晴ママ

食器の準備しててね

美晴

はぁい

だけど

いつまで経ってもママは帰ってこなかった

美晴

遅いなぁ…

美晴

もう7時だよ、ママ…エーミール…

美晴パパ

美晴っ!!

美晴

パパ!

美晴

どうしたの?!

美晴パパ

美晴、

美晴パパ

……落ち着いてよく聞いてくれ

美晴パパ

俺もさっきママから連絡が来て…混乱してて

美晴

どうしたの…?

美晴パパ

…エーミールが___

美晴

ママ…

美晴ママ

美晴…!

パパに連れられて、向かったのは大きな病院

私の目の前には大きな扉と上に「手術中」と赤く光っていた

美晴ママ

うっ…うぅ

美晴

ママ…

美晴

ねぇ、エーミールは……?

美晴ママ

…っ

美晴

エーミールが…事故って…

美晴

…どういうこと?

美晴ママ

ママが…エミくんの家に行った時

美晴ママ

チャイムを鳴らしたけど出なくて…

美晴ママ

まだ帰ってないかもしれなかったから、辺りを探してたの

美晴ママ

そうしたら…

美晴ママ

少し先の道に人だかりが出来てたから見てみたら

美晴ママ

…血まみれで、倒れてるエミくんが…っ

美晴

!!

美晴ママ

私が見つけたあとすぐに救急車が来て、一緒に乗せてもらったの…

美晴

そんな…

美晴

エーミールは、エーミールは大丈夫なの…?!

美晴ママ

…危険な状態だって

美晴ママ

出血がひどいらしくて、骨折もしてるって…

美晴

…っ

私は酷く後悔した

無理にでも私の家に連れていけばこんな事にはならなかったはず…

私とパパ、ママは、手術室が開くまでずっと待っていた

美晴

美晴

エーミール…

窓越しで見る、エーミールのいつもの寝顔

だけど体にはいくつもの管につながれていた

手術室が開いたのは

日付が変わり、朝日が出始めた頃だった

話によると

脳の損傷が激しいらしい

意識も回復しておらず、いつ回復するかも分からないし

つまり

植物状態

ということだった

美晴

ママ…

美晴ママ

美晴

エーミールは、生きてるんだよね

美晴ママ

…ええ

美晴

死んじゃったり…しないよね

美晴ママ

……

美晴

私を置いて、いかないよね…っ?

美晴ママ

…美晴…っ

美晴

私っ…まだ

美晴

まだなんにも

美晴

伝えられてないよ…っ

ママの胸の中でわんわんと泣いた

その日は絶対忘れない

君が眠った日。

{wrwrd}君と、最初で最後の日。

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コメント

1

ユーザー

え?ほんとに番外編ですか??まじで、番外編かうたがってしまうくらいの完成度です… いや、もう好きです(?) これだけで、出せますって! そもそもエミさんって最高すぎません?エミさん、好きじゃない?的なこと言われたときは、まぁショックだったでしょうけど!そこを気付かないt(殴 ↑わかってたまるか 今回の番外編最高でした! 次回も待ってます!

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