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ーりりの過去編ー

中学一年の春、白桃りりは「普通の子」だった。口下手でも、バレー部の練習を一生懸命手伝って、誰かが落ち込んでいれば「大丈夫?」と声をかけるような、そんな子だった。

けれどある日ーー

同校の生徒

白桃さんって何考えてるかわかんないよね

同校の生徒

地味な癖に距離近いよね。男子にも女子にも

同校の生徒

わかる。誰にでも“いい顔”しすぎなんじゃない?

その噂は、誰にも言えなかった優しさが、「八方美人」と切り捨てられた瞬間だった。

次第にりりはクラスの輪から離れていく

それでも、りりは笑った。 必死に、みんなと仲良くなるために

 

そんなある日、りりはある子を目撃した

ぶりっ子

え、〇〇くんってかっこいいよね〜!♡

同校の生徒

あの子、うざいよね

同校の生徒

ね、男子にだけ媚び売ってる

白桃りり

…!

その言葉に、白桃りりは気づいてしまった。演じて、媚びて、愛想よくすれば人は笑ってくれる。

白桃りり

そっか、私もああすれば…!

次の日から声のトーンが高くなり、みんなに媚を売り始めた。そして、『ぶりっ子化』した。

でもりりは知らなかった。ぶりっ子をする方が、みんなに嫌われることを

同校の生徒

え、りりちゃん普通にうざいよね

同校の生徒

それな?急にキャラ変w

同校の生徒

最初っから

嫌われてたのに

白桃りり

っ!

演じるほど、好かれるどころか――「ウザい」「わざとらしい」「女に嫌われるタイプ」と言われていた。

白桃りり

(でも…

私に仮面を外す勇気はない

 

 

 

白桃りり

(今日も、ぶりっ子の一日が始まる

白桃りり

〇〇くん!おはよ〜♡

白桃りり

(あぁ、疲れた。もう辞めてしまいたい。どうしてこんなことしちゃったんだろ

白桃りり

白桃りり

ただいま…

白桃りり

ボフッ(-_-)

白桃りり

(疲れた…もう

死にたい

白桃りり

何回死にたいって言った…?もう、それもわかんないや笑

白桃りり

でもさ、辛いよ…

白桃りり

ねえ

白桃りり

私を見てよ

白桃りり

誰か気づいてよ

白桃りり

誰でもいいから、、!

白桃りり

(…無理だって、わかってるのに…!

もう、どこにも居場所なんてなかった。 学校にも、部活にも、家にも、SNSにも、“白桃りり”としての居場所はあっても、「私」の場所はなかった。

白桃りり

スマホ(ブッ

白桃りり

…?

クラスメイトのSNSの投稿。そこには、私以外のクラスメイトが幸せそうにならんでいる集合写真があった。

白桃りり

誘われてないの、私だけ

白桃りり

もう、やだ、やだよ…

 

白桃りり

(今日も私は鏡に笑顔をつくる

白桃りり

おはよ、『りり』!今日もがんばろーね♡

にこりとわらう自分の笑顔が、一番怖かった。

 

 

 

白桃りり

…ただいま

白桃りり

疲れた…

白桃りり

ズキッ

白桃りり

(痛い、頭が痛い…!

白桃りり

(ああ、そうか、もう

限界なんだ。

白桃りり

ん…ここは…?

白桃りり

あ、これ、天国ってやつかな。死ぬの、?私

白桃りり

…あっ

真白明里

ーーーw

白桃りり

あの子、幸せそうだなぁ…

白桃りり

白桃りり

そうだ、あなたが、私の分も生きよ。

白桃りり

幸せなやつは…

許さない

キャラ変?いえ、中身が別人です。

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コメント

1

ユーザー

うぅ、うわぁーん😭 りりチャンにそんなことがあったんやね…。…ぶりっ子以外の方法で好かれ方を見つけてたら、こんなんにならへんかったんかな、?…最高すぎる!!ありがとぉぉぉ!!!

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