「召集!」
突如、低く心臓を響くような恐ろしい声が聞こえ、
約十五の国がとある音一つない静かな会議室に集った。
赤いカーペットに、
深みのある茶の丸い机が置いてあり、
そして赤く中世ヨーロッパを彷彿とさせるアンティークな椅子が囲っている。
椅子の背にはそれぞれの名前が彫られていた。
周りには以前、世界大戦で戦った国の化身どもが汗をかきながら集っている。
焦ってここに来たのだろう。
それもそうだ。
今さっき、上の者に呼び出されたのだから。
アーサー・カークランド
物怖じすることなく、初めに口を開いたのは、アーサー・カークランド殿。
かつて日本が同盟を築き、また互いに鬼畜だと罵っていた大英帝国……イギリスであった。
彼は怪しく笑った。
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
ざわ、と会場の空気が揺らいだのを感じた。
背けようとしていた事実がじろりとこちらを見つめて離さないような妙な鋭い何かを感じた。
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
唾をごくりと飲み込む音がする。
これ以上は何も言ってほしくない。
カークランド殿は眉をぐっとひそめる。
アーサー・カークランド
本田菊
彼は立ち上がった。
椅子は勢いに負け、少し離れた先で倒れてしまった。
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
本田は拳を強く強く握り締めて、
本田菊
アーサー・カークランド
本田菊
本田の隣に座る王耀殿が腕を組んで、目をつむる。
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
アーサー・カークランド
本田菊
本田菊
本田菊
本田菊
本田菊
本田菊
本田菊
本田菊
本田菊
激情した本田の視界の端にすっと雄々しい指が立ち上がった。
王耀
世界大戦中、もっとも日本と対立した中華民国、王殿だった。
そして、かつて日本の、立場的に師のような、兄のような存在だった。
コメント
6件
私一応ヘタリア全く見てないはずなんだがな…何故かキャラの性格が分かる、 やっぱり羊右様はキャラの考え方や場の空気感、キャラの心情を文面で伝えるのが上手ですよね…! ニ次創作なのに歴史やその国の関係性まで考えてるのには本当に凄いです(そしてあきらさんが居てテンションめちゃぶち上がってます!)
またもや、どのような展開になるのか想像のつかない、心揺さぶる物語を書きましたね…!別のコメントでも書きましたが、緑川さんの小説の書き方、そして語彙力の高さにはやはり感心してしまいます。書き方がとてもお上手なので読み手の私も、その空間にいるかのような緊張感を感じてしまいました😳 今回も面白い作品を届けて下さりありがとうございました!次回も楽しみにしています!🙇