テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
主。
主。
主。
主。
オレがAkの病室の扉を開けて中に入ると、 そこにはいつも通りに見えて少し漂う雰囲気が普段より甘い2人がいた
Mz
Ak
Ak
Pr
Prは嬉しそうに笑ってこちらに歩いてくると、 この世の幸せを全て詰め込んだような甘い笑顔でオレに結果を報告してくれた
Pr
Mz
いつもより少しそわそわしている様子の2人は、 同年代の奴らと比べると比較的こういうことに疎いオレでもわかるほどの 幸せオーラを放っていた
Mz
Ak
Pr
Mz
オレが笑ってそう言いながらコンビニで買ってきた差し入れのゼリーを サイドテーブルにおくと、Prが真っ赤な顔で答える
Pr
Ak
Mz
Mz
Pr
Ak
Mz
オレが反射的にそう答えると、 Prはいつも以上にニヤニヤしながらオレのことをからかってくる
Pr
Mz
Ak
Mz
Mz
Ak
Mz
Mz
Pr
Pr
Mz
Pr
Pr
Pr
Mz
Pr
Mz
Pr
Mz
Pr
Mz
Pr
Pr
Mz
Ak
Pr
Mz
しばらくゲラゲラと笑い転げているリア充どもにオレが文句を言っていると、 いつも通り丁寧なノックの音と共にKtyさんが入室してきた
Kty
Ak
Pr
Kty
Pr
Kty
Pr
Kty
Pr
Mz
Ak
Ktyさんは笑いながらいつも通り食事をAkのところに持っていく
Ak
Ak
Kty
Mz
Kty
Kty
Ak
Akは相変わらずな本の交換相手の様子に心配になっているのか 目を伏せて少し辛そうな顔をしている
Ak
Kty
Akは車椅子を移動させてサイドテーブルまで移動すると、 その棚を開けて病院のコンビニで買ったのであろう パイナップルゼリーの6個パックを取り出し、Ktyさんに手渡した
Ak
Kty
Ktyさんは優しく微笑むと、それを抱えて病室から出ていく
Kty
Mz
Kty
Kty
Mz
Kty
Kty
Ak
Pr
Mz
Mz
Ktyさんが病室を出た後も数時間ほどAkのお見舞いをしていたが、 そろそろ夕方になるということでまだ残るらしいPrと別れて いつもの海岸に来ていた
Mz
Mz
まだ夕方というには少々早い時間なのでAtはいないだろうと踏んで 海岸に向かったのだが、そこにはもうすでに彼がいた
声をかけようとして、昼間の出来事を思い出して息を呑む
Mz
オレのそんな不安を打ち消すように、 今日は珍しく向こうから声をかけてくれた
At
At
At
そう言ってにこりと微笑んだAtを見て、 とくりとくりと鼓動が速くなる自分がいた
Mz
目の前の彼はいつも通りの大人っぽい笑みを浮かべており、 オレの姿を見てちゃんとオレを認識している
そのことに安堵したが、それじゃあ病院で出会った彼は全くの別人なのかと 聞かれるととてもそうは思えない気がした
Mz
Mz
オレがいつも通り靴を脱いで彼の隣に腰掛けながらそう問うとAtは、 んー、と声を上げた後、少し間を置いてからオレの質問に答えを返した
At
Mz
At
At
Mz
At
彼は意味深ににこりと微笑むと、オレの目を見ながらこんなことを聞いてきた
At
Mz
Mz
At
Mz
Mz
At
Mz
Mz
Mz
Mz
Atはオレの言葉を聞いて目を見開くと、 珍しくその表情を辛そうに揺らして目の前でたゆたう海面に目を向けた
At
Mz
At
怪訝に思って彼の顔を覗き込むと、 その色違いの瞳からポロリと水滴が落ちて、波打つ海面に 円状の波紋をつくりだす
Mz
At
At
彼はそうつぶやくと、額をその手で押さえて言う
At
At
Mz
At
At
At
Mz
静かに涙をこぼすAtに触れて、そばにいるよと伝えてやりたくなるが、 今Atに触れたら何かが壊れてしまう気がして結局行動には移せなかった
そして、その行動がオレ含む人生に絶望しているやつあるいはしていたやつが 大嫌いな“偽善”としてこいつの目に映ってしまう可能性があるかもしれないと 思ってしまって、Atの心に触れるという決断に踏み出せなかった
At
Mz
At
Mz
Mz
Mz
Mz
オレは目を閉じて、Atがくれた幸せを思い浮かべる
ほとんどのところはAkとPrでなっているように見えるその幸せだが、 自分の「この人には生きていてほしい」と思うほど大事な人には 間違いなく目の前のこいつも含まれていた
Mz
Mz
At
At
Mz
At
At
At
Atがさらに泣き出してしまったのでオレがどうしようと思っていると、 彼は物語の読み聞かせのような芝居くさい口調でこんなことを言い始めた
At
At
At
At
At
At
At
Mz
At
At
At
At
At
At
Atらしい物語調で語られる“彼”に関するお話は妙に臨場感があって、 聞いていると本を読んでいるときのようにその世界にのめり込んでしまう
あまり本を読んでこなかったオレにはその“彼”の正体を 察することができるような知恵なんかなかったけど、 Atがとても辛そうだということだけは学のないオレでもわかった
At
At
At
At
Atは海面を見つめながらふっと自嘲気味に笑うと、 何かに苛立っているような、絶望したような、 そんな彼らしくない感情的な声で告げる
At
At
At
Atは震える声で続ける
At
At
彼はほろりと涙をこぼし、それが再び海面に波紋を生み出す
At
At
そう続けていくAtの手もその声と同じように震えている
At
At
彼はそこまで言い終えると、そっと瞳を閉じて静かに深呼吸をする
やがて深呼吸を終えた彼は今度はゆっくり目を開いて、 オレの方を見ながら言った
At
At
Mz
Mz
Mz
At
At
At
At
At
At
Mz
初対面の時と同じようなことを言っているのに、 今の彼が放った言葉にはあの日とは比べ物にならないほどの重みを感じる
Mz
At
Mz
オレが口にした不安のこもった質問に彼は薄く笑うだけして、 遠くを見ながらこう答えてきた
At
Mz
オレの文句に彼はうんともすんとも言わずに空を見上げ、 話題を逸らすようにこんなことを言ってくる
At
At
Mz
お前が消えそうで怖いんだ、というオレの本心は結局言葉にならない
At
At
Mz
At
Mz
At
Mz
にこにこといつも通りの笑顔を浮かべるAtに背を向けて、 オレは海岸をあとにしようと歩いていく
少しだけ不安に思って、数メートル歩いた後振り返ると、 そこにはもうAtはいなかった
Mz
Mz