参考 : ナツゾラ様
木吹 真昼
木吹 真昼
転校初日
慣れない制服に苦戦しながら母にいらいらをぶつけた
お母さん
お母さん
冷静に淡々と返事をしながら母はいつもの様にコーヒーをすする
木吹 真昼
木吹 真昼
靴紐もうまく結べず、私の苛立ちは募っていく一方だ
木吹 真昼
お母さん
娘がこんなに焦っているのにコーヒー飲んでんじゃねぇよ
こぼしちゃえばいいのに
『 バタンッ...!! 』
力任せに扉を閉め、全速力で初めての通学路を通っていった
木吹 真昼
木吹 真昼
全く知らない道をスマホ頼りに走り抜ける
走っているせいか、顔にすっごい風がかかりくすぐったい
木吹 真昼
目にかかった髪をなんとか払い除けながら進んでいくと
???
???
道を横1列に広がりながら歩いている集団と対面した
木吹 真昼
さすがに避けることも出来ず、
『 ドサッ...!』
私はそのまま突っ込んだ
???
私とぶつかった子は痛そうに擦りながら笑っている
木吹 真昼
木吹 真昼
イラついていた事もあり、私は結構強めに言い残し足早に学校に向かった
志麻 英二
まーしぃが女の子が歩いていった方向を睨みながら愚痴をこぼした
千原 春樹
千原 春樹
センラはまーしぃを宥めるような言葉を投げかけていく
浦田 七生
誰も気にかけてなかった坂田に俺は手を差し伸べてやった
坂田 喜一
浦田 七生
坂田は ぼけーっとした顔で俺の手を取ろうとしない
こいつはいつもアホ面なんだけど今はいつにも増してアホ面だ
しかもなんか、赤い?
千原 春樹
志麻 英二
異変に気づいた2人も坂田の前で手をヒラヒラ振っている
坂田 喜一
真っ赤なアホ面のまま坂田は口を開いた
坂田 喜一
千原 春樹
志麻 英二
浦田 七生
『は?』
木吹 真昼
私は廊下で足をぱたぱたしながら頭を落ち着かせた
転校って初めてだからよく分かんないけど
友達。できるといいな
『先生が紹介したら入ってきてね。』
『いつでも入れる準備しといてね』
ふと先生の言葉が頭を過ぎった
つまり、先生が 今日は転校生がいる。的なことを言ったら入ればいいんでしょ?
木吹 真昼
木吹 真昼
やば、出ちゃった
私は昔から口が悪かったらしく、母にはよく言葉を訂正されていた
新しい学校でこんな口悪かったら嫌われるに決まってる
これは何としてでも隠し通さなければならない
絶っっっっ対に!
先生
よし、勝負の時間だぁ!
木吹 真昼
クラス中の視線が私に集まっている
いざとなると、緊張するな.....
まあ変なこと言わんければ大丈夫だろ
木吹 真昼
木吹 真昼
『パチパチパチパチ』
おお、なんか拍手くれた
これで私の印象は「平凡」
特に目立ったことも無いし勝ったな
私が心の中でガッツポーズをし、勝利を確信した瞬間
???
というどっかで聞いたことある声が振りかかってきた
浦田 七生
千原 春樹
なんて声も飛んでくる
あぁ?誰だよ
全く身に覚えがなく、私はしぶしぶ顔を上げると
???
木吹 真昼
一瞬で頭の回転がフルに回りまくってた
見覚えしかない
先生
木吹 真昼
???
先生からの質問に我先にと、真っ先に答えた
先生
ほぼ同時に答えたせいで、先生は困惑している
先生
困惑のまま先生は誰かの席を指さした
彼の隣じゃなければなんでもいい。
私は先生の指さす先を目で追っていく
???
先生の指の先で誰かがピョンピョン跳ねてるけど気にしない。気にしない。
木吹 真昼
先生
ん?
木吹 真昼
先生
先生
なんで?なんで?
木吹 真昼
私、なんかしたっけ?
???
さようなら、探し求めてた平凡
木吹 真昼
こんにちは、これから始まる絶望
クラスの子
クラスの子
クラスの子
木吹 真昼
飛び交う言葉に苦笑いを返した
休み時間になる度にこんな質問攻めにあっている
やべぇ、疲れた....
うるせぇんだよなぁ....
クラスの子
木吹 真昼
木吹 真昼
勢いに負けそうになるものの、なんとか質問に答えていく
クラスの子
木吹 真昼
木吹 真昼
クラスの子
あ、やっちゃった?
木吹 真昼
私は慌てて揉み消した
クラスの子
木吹 真昼
やっぱり、いい気しないなぁ
木吹 真昼
木吹 真昼
弁当のおかずを片手にさっきまでの苦痛を一気に叫ぶ
校舎裏に私の声が木霊した
ここ、見つけれてよかった
誰もいないし、後ろの校舎にほとんど人が通らないし
穴場じゃん...!
これからお世話になりそうなので心の中でお礼を言っておいた
おなしゃぁぁすっ!!
木吹 真昼
急に我に返った私はそのまま1人、無言で食べ進めていく
はずだった
『 ガララッ....!! 』
木吹 真昼
真後ろの窓が開いたかと思うと、
???
と、男子生徒の元気いっぱいですよぉ!みたいな声と共に、男子生徒が窓からこちらに身を乗り出し
私の前に着地した
木吹 真昼
動揺のあまり、なんで と聞くはずが、おかずの卵焼きを喉に詰まらせる
木吹 真昼
???
???
咳で必死に押し返そうとする私を見て、彼はすんごいあたふたしているだけだ
木吹 真昼
木吹 真昼
手のひらの上に乗ったぐちゃぐちゃの卵焼き
汚ぇ......。
でも、取れてよかった
私は弁当箱の端っこに卵焼きを捨てるとまだ慌てている彼を見る
???
???
木吹 真昼
木吹 真昼
???
え、 なにこの時間
てか何しに来たの??
木吹 真昼
私は恐る恐る聞いてみると
???
???
照れくさそうに頭をかきながら弁当を差し出し笑う姿があった
木吹 真昼
理解が追いつかないなぁ
???
でも、私のことなどお構い無しというように彼は私の横でお弁当を広げ始める
木吹 真昼
私もさっきと変わらず食べ進めた
???
おかずを口いっぱいに頬張りながら彼は聞いてきた
木吹 真昼
???
お前ぇが聞いてきたんだろうが
???
???
木吹 真昼
やばい、バレてる?
???
彼は言いながら目尻をぐっと上に持ち上げた
そんなにはなってないだろ
???
木吹 真昼
楽な方でいいとか、初めて言われた
木吹 真昼
木吹 真昼
???
胸板をどんっと叩き、自信満々ににんまり笑った
木吹 真昼
転校後友達第1号に私も笑顔を返す
???
木吹 真昼
???
???
木吹 真昼
???
木吹 真昼
???
木吹 真昼
???
木吹 真昼
???
わははと大口を開けて笑う友達第1号。
友達って楽しいな
???
木吹 真昼
???
???
こほんと咳払いをし、彼は私の前に正座で座ると
???
???
またにっこぉり笑った
木吹 真昼
今日から君はにっこりマンだ!
木吹 真昼
木吹 真昼
私は指で砂の上に適当に漢字を書く
坂田 喜一
坂田も私が書いた漢字の横に自分の名前を書き出す
???
ふいに誰かに呼ばれた気がした
木吹 真昼
坂田の名前の漢字が気になりすぎていて、私は 振り向きもしずにいた
???
木吹 真昼
木吹 真昼
???
木吹 真昼
木吹 真昼
あまりにもしつこく、肩を掴まれたのでついに怒りに任せ後ろを振り向くと
木吹 真昼
木吹 真昼
???
全く知らない男子生徒が突っ立っていた
坂田 喜一
木吹 真昼
み、見られた!?
つづく。
今回はリクエストがあったやつですね。
リクエスト等の物語は1回じゃ書ききれない自信があるので
短編連載にしようか検討中です。
コメント
4件
ありがとー!いやぁ、口の悪さが私に似とるわ!ありがとう!
主人公の口の悪さが凄い面白いです笑
今回も神作の予感…毎回お話良すぎです!