理彩
理彩
カランとコップの中の氷が心地よい音をたてる
絵里華
理彩
絵里華
絵里華
裕子
絵里華と裕子は私たちのそれぞれの幼馴染みだ
もちろん
リサが絵里華 私が裕子だ
志織
志織
理彩
理彩
志織
リサのテーブルには所狭しと限定スイーツが並べられている
理彩
そこで開き直られても困るのだけど…
一応 言っておくがここは猫カフェだ
デザートメインで食べる人間がどこにいようか……
絵里華
絵里華
志織
裕子
裕子
裕子
ずっと抱いて 膝で眠りこけている三毛を撫でながら裕子が答える
理彩
理彩
理彩
志織
絵里華
絵里華
理彩
志織
理彩
志織
志織
方向音痴だし
志織
巨大な迷路でリサと二人 迷子になるのがオチだ
志織
理彩
スイーツを凝視しながら、こちらに問いかけられても返答に困る
やっぱりリサは賞金を全てスイーツにつぎ込むつもりだ
絵里華
絵里華
理彩
理彩
理彩
がたりと音を立てて立ち上がるものだから、それに驚いて数匹 猫が足元を逃げていく
絵里華
裕子
理彩
いつの間に起動させていたのか、スマホを絵里華に見せつける
絵里華
グルメサイトのページの検索にひっかからない分類不明の謎の料理店
★4.9を持つ人気店らしい
しかし私はその評価は怪しいものだと思っている
サクラの可能性だって捨てきれない
だけど私たちは今週末 そこに行く予定になっている
勝手にフェリーのチケットを私の分まで買われては、断りきれなかった
理彩
志織
どのような料理店なのかという情報は一切なし
幻のデザートスイーツがあるとリサは信じてやまないが
そんな都合よくスイーツ店な訳がない
絵里華
絵里華
絵里華
理彩
絵里華のこういう抜け目なさはリサと似たところがある
理彩
理彩
大袈裟な振る舞いでリサが口を開く
絵里華はキリッと鋭い目線をリサに送る
絵里華
理彩
リサは間髪入れずに答える
絵里華
理彩
私は友人が幼馴染から現金をむしりとった瞬間を見た
裕子
苦い顔をしていたのを勘違いされたらしい
別に大丈夫だから
リサを見るような目で私を見ないで!!
スイーツの亡者の殺気を感じてか、先程から猫たちがこのテーブルに寄りつかなくなった
あれでも一応 彼女は猫を飼っているのだけど…
裕子
残っているのは、裕子の膝ですやすや眠っている三毛だけだ
理彩
理彩
渾身の猫じゃらしも無視された
理彩
リサ、胸に手を当てて考えてごらん
絵里華
理彩
みかんの皮……?
理彩
絵里華
絵里華
理彩
遠回しに…というかストレートに悪口を言われていることにリサは気づかない
絵里華
結局、その日はリサのせいで私もあまり猫が触れなかった
志織
志織
裕子
絵里華
理彩
絵里華
理彩
他愛のない会話を交わす日常
私たちはいつもと変わらない週末を過ごすはずだった
三日後―私たちはそれぞれの事件へと巻き込まれる
まだそれを私たちは知らない
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