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今まで見てきた中で一番好きかもです!感動しました😭
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
星夜空
注意
死に関する描写が多く使われます。 本人様には一切関係ありません。 この物語に書かれる行為は絶対にしないでください。 したとしても一切の責任を負いません。
以上のことを理解した上で、
先にお進みください。
苦手な人はここでブラウザバックすることを推奨します。
ほとけ
そう名前を呼べば、隣にいるいふくんが優しい目をしてこちらを見る。
いふ
優しい、
あったかい、
柔らかい、
お日様みたいな眼差し。
ほとけ
いふ
いふ
ほとけ
いふ
どこまでも一緒や_____
その声を聞き、僕の瞳が細む。
·········うん、
ほとけ
そう言い、右手指をいふくんの左手指に絡める。
ベッドに、2人並んで仰向けになる。
·······ねぇ、
ねぇ、いふくん。
大好き、
あいしてる。
ずっとずっと、
この世の何よりも、
ほとけ
いふ
いふ
ほとけ
いふ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
いふ
ほとけ
大好き。
あいしてる。
ずっとずっと、一緒にいたい
いや、ずっとずっとそばに居るよ
僕らは手を繋いだまま、
片方の余った手で瓶を掴み、
数多の錠剤を口に流し込んだ_____
·······でもなぁ、ほとけ。
ごめんな。
約束、
守れんかった。
ほとけ
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ
ほとけ
母
ほとけ
母
母
母
ほとけ
ほとけ
ほとけ
母
病院··········
母
ほとけ
母
ほとけ
母
ほとけ
ほとけ
ほとけ
母
ほとけ
ほとけ
ほとけ
母
ほとけ
ほとけ
母
ほとけ
母
母
ほとけ
ほとけ
母
ほとけ
ほとけ
母
隣で母がナースコールを押す。
苦しい。
息が出来ない。
上手く吸えない。
視界が暗くなってく。
··········これで_____
·········やっと、
追いつける。
········現実は、そう甘くはいかなかった。
僕が、オーバードーズ········
所謂、薬の過剰摂取。
それよって命を絶とうとしたのは、今から3週間前の事だった。
·········心中だ。
いふくんとの、心中を図ったのだ。
·········結局、死ねなかったけど
“ずっと一緒にいたい”
から、命を絶とうとしたのに、
·······僕は、一人ぼっちになったのだ
死にたい、
生きたくない、
寂しい。
······なんで?
なんでこんなに寂しいのに生きてるんだろう。
なんで?
なんでなの?
なんで僕だけ生きてるの?
なんで死ねなかったの?
ねぇ、何で?
何で?
ほとけ
ほとけ
母
·········大丈夫じゃない、
大丈夫じゃないよ。
僕は、
僕は······
いふくんが居ない世界で
生きたくないから_____
············ねぇ、
ほとけ
ほとけ
母
母
ほとけ
母
母
ほとけ
母
母
母
ほとけ
母
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
母
母
ほとけ
ほとけ
母
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
母
ほとけ
母
ほとけ
ほとけ
母
ほとけ
出てって。
何度も言った。
それでも、母さんは椅子を立たなかった。
ほとけ
母
繋がっていた点滴の管も、
引き止める母さんの声も気にせず、
病室を勢いよく飛び出した。
ほとけ
体力が落ちているのか、息切れが酷い。
吐き気がする、
涙が頬を伝う、
子供みたいに漏れる嗚咽、
無理やり点滴の針が抜けたからか、腕が痛む。
胸が締め付けられる。
圧倒的な空白感。
何が何だか分からない。
でも、分からないけど、
全部全部いやだ。
ちょ、ちょっと、君!
待って!止まりなさい!
ほとけ
何もしたくない。
走るのだってつらい。
でも戻りたくない、1人になりたい。
なのに、何で、追いかけてくるの?
止めるの?
ほとけ
お願い。
1人になりたいんだ。
もう、誰も来ないで。
ほとけくん、止まって!
ほとけ
ほとけくん、大丈夫だから!
ほとけ
止まりなさい!
ほとけ
いむ!
ほとけ
引き止めてくる、様々な大人たち。
引き止めてくる理由はわかる。
困るからだ。
大人として、守るべきプライドがあるからだ。
·········ほら、誰も僕のことなんて考えてない。
そんな、
身勝手で、
自己中な大人のせいで、
僕は苦しめられたんだ。
だから、そいつらなんかに引き止められて_____
足を止めるわけないだろ。
そのまま、構造もよく分からない病院の中を走る。
走る。
走って、
たどり着いた先は行き止まりだった。
それでも、代わりに_____
扉がひとつ、あった。
きっと、この先は屋上だ。
どうせドアなんて鍵が掛かっているだろう。
そんなこと分かりきっていたが、
藁にもすがる思いで。
ダメ元でドアノブを回した。
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ようやく着いた屋上。
そこには、先約がいた。
ほとけ
薄紫がかった白い髪の、
僕と同じくらいの年齢の男の子だった。
驚くくらいに華奢な身体だった。
その子は、屋上のフェンスから下を覗いている。
·········飛び降りるつもりなのかな。
ほとけ
そう気付いた時には、口が開いていた。
その男の子が振り返ってこちらを見る。
ほとけ
ほとけ
···········馬鹿みたいだ。
自分だって、
たった今、死のうと思ってここに来たのに。
ていうか、実際その未遂をしたと言うのに。
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
もう既に心中未遂をした後です。
その時死ねなくて、寂しいのでここに来ました。
死のうと思って来ました。
そう言おうとした。
でも、言葉選びが上手く出来なかった。
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
目の前の白い髪の男の子······
“初兎”は、綺麗な笑顔で笑った。
裏に何かがありそうな笑顔でも、
貼り付けた偽りの笑顔でも、
何でもない、綺麗な、清々しい笑顔。
············あぁ、
そうだ。
“友達”のせいで苦しんだ僕が、
初対面のこの子とあっさり“友達”になれたのは、
きっと、
············いふくんと、
ほとけ
綺麗な笑顔も、
透き通っていそうな綺麗で偽りの無い声も、
優しい眼差しも、
全部、全部。
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
·······体弱いんだ、この子。
驚いたのが、正直な感想だ。
こんなに明るくて、
ニコニコしていて、
元気な子が。
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
ほとけ
··········、
今更、意思が揺らぐはずない。
僕の人生は、いふくんのためのものだった。
それなのに、気持ちが揺らぐわけない。
············でも、
でも、
ほとけ
なんで、少し救われた気になってるのだろう。
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
初兎
“いた”
過去形に引っかかったのだろう。
初兎ちゃんは顔を曇らせた。
それがどうにも申し訳なくて、
いたたまれなかった。
だから、思わず口走ってしまった。
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
青空を見上げる。
______いふくんは、あそこにいるのかな。
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
初兎
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
初兎
初兎
ほとけ
ほとけ
ほとけ
初兎
ほとけ
“また明日”
············言っちゃった。
初兎ちゃんは僕にわざとこれを言わせたのだろうか。
はぁ·······
駄目だな、僕。
明日も、
生きなきゃダメになっちゃったじゃん。