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静かで、もう日の目を浴びることは なかったはずの建物

そんな廃校にザワザワと人が集まり始める

外から聞こえるざわめきは、 最初は風の音に紛れていた

しかし次第に、人の足音、叫び、無数のスマホの通知音が混ざり始める

🇺🇸

来たぞ!!!

アメリカに続けてドイツが叫ぶ

🇩🇪

今のうちに無線を全員に渡す!

そういい全員に無線を投げつける

🇷🇺

ぃよっと…

🇺🇸

サンキュ!

廊下の向こう、扉が蹴破られ、黒いフードに包まれた人影と、金属らしい光を放つ小型機械が流れ込んでくる

ロシアが唸り声を上げ、入口を塞ごうと身体を投げ出す

氷のように冷たい拳が突進してくる機械を叩き潰し、床に血のような油と水が飛び散った

だが、敵が多い

外側にうねる人の波

──情報に煽られた群衆がスマホを掲げて叫びながら押し寄せる

🇩🇪

フランスにイタリア、ここを動くな

🇩🇪

イギリスは扉を封鎖してくれ!

イギリスは冷たい目で扉を見つめ 杖を握りしめる

だが彼の手にも疲労の色がある。 幻覚や国民の意識で精神をやられていたことがまだ尾を引いている

深呼吸して呟く

🇬🇧

…また、先に進まないと

中国は折れた扇の骨組みを逆手に握っていた。異形戦で真っ二つになったままだ

それでも武器として使える ギリギリの形には残っている

🇨🇳

まったく…
まだ修理してないアルのに…!

彼は折れた扇の片側で敵の視界を叩き、動きをずらしながら日本やアメリカの隙を作る

日本は冷静に、手早く地図と端末をまとめる

アメリカは先に廊下へ出て、 暴徒の前列に立ちはだかる

彼の顔は血と泥で汚れ、だが怒りと恐怖で固まっている

🇩🇪

っ、撤退だ!

だが出口は暴徒により封鎖されている

窓の外にはクロノス財団のドローンが ずらりと並んでおり、今にも割れそうだ

フランスとイタリアはお互いに身を寄せ合い恐怖に耐え抜いている

フタリが前線に出れていれば状況はもっと違っていただろう

だが、国の力がない今この騒動に巻き込まれると命は持たないだろう

ドイツが冷静に暴徒やクロノスの数が少ない場所を推測する

出た答えは"屋上"

🇩🇪

裏口から屋上に避難しろ!

ドイツが無線に叫ぶ

だが無線が妨害される。 クロノスが電波ジャミングを仕掛けている

電話線がピリピリとノイズを立て 画面がちらつく

🇺🇸

…無線が落ちた

🇺🇸

自分で考えて動くしか…

🇯🇵

…屋上

🇺🇸

は?

🇯🇵

何となく屋上って聞こえた気がするんです

🇺🇸

…お前を信じるぞ

🇺🇸

日本、屋上への経路は?

🇯🇵

バッチリ、頭に入っています

🇺🇸

走るぞ、後方の道を開きながら

🇯🇵

ええ、了解です

床を踏みしきり、廊下を駆け抜ける

足音、砕けるガラス、叫び声、火薬の匂い

アメリカが前に出て暴徒と肉弾戦を始める

狩り残した敵を日本が刀で斬っていく

校庭へ出る直前、二階から大きな爆発音がした

屋根が一部崩れ、 雨のように雪片と埃が降る

フランスが転び、顔を押さえる イタリアが駆け寄り彼を支える

🇫🇷

いたっ…!

🇫🇷

ごめん、イタリア

🇮🇹

大丈夫なんね

🇮🇹

フランス、走れるんね?

🇫🇷

うん、急ごう

彼らは屋上へ続く非常階段を駆け上がる

外では、暴徒が校門を越え、機械兵が校舎を取り囲む

空に赤いライトが点り、 クロノスのドローンが上空を旋回している

無数のスマホが生配信を続け、外の群衆は「国狩りだ!」「見つけた!」と 興奮混じりに叫ぶ

🇺🇸

…ここだ!

🇨🇳

…後方組が来てないアル

🇷🇺

アイツらを信じてここで待つぞ

🇷🇺

どうせ外に出てもドローンに見つかる

🇯🇵

…そうですね

下では窓ガラスが割れる音が しきりに響いている

おそらく、ドローンが 建物内にも入って来たのだろう

🇯🇵

…無事でしょうか

🇺🇸

アイツらなら大丈夫だろ

🇺🇸

きっと

🇨🇳

…ま、頑丈なヤツらアルしね

少し待っていると階段を上る 足音が聞こえてきた

🇺🇸

敵か味方か…

🇯🇵

……

その答えは…

🇩🇪

すまん!待たせた!

🇫🇷

つ、疲れた…

🇮🇹

合流出来たんね〜!

🇬🇧

お待たせしました

ほっと一息をつき、ドアノブに手をかける

🇺🇸

…いくぞ

屋上に出た瞬間、冷たい風が全身を打つ

🇬🇧

っ、もうこんな時間なんですね

🇩🇪

ああ、そうだな…

🇯🇵

……じゃあ、イギリスさん

🇯🇵

移動、お願いできますか?

🇬🇧

ええ

イギリスの額に汗がにじむ

魔力は空気を裂くように音を立て、彼の瞳は遠い海のように濁る

テレポートは仲間全員を巻き込む大掛かりな術だ

成功すれば一瞬で南極へ飛ぶ

──だが、術中に誰かの意思が裂かれたり、術が途中で途切れたりすれば、肉体と精神に致命的ダメージを与える

🇬🇧

……準備はいいですか

その言葉に全員が頷く

目の前の敵の形が窓越しに見える そこには無数の暗い影と、赤いライトの列が広がっている

イギリスは杖を空に突き出した

彼の口が低く言葉を紡ぐ

呪文というより約束のように、 短く、確かな声だった

🇬🇧

行きますよ…

🇬🇧

全員で、一緒に

屋上の扉が破られ、 機械兵が雪崩れ込む寸前

白い閃光が走り、空が歪み、全員の身体が一瞬で持ち上がるような感覚に包まれた

世界が白く反転した

国狩り ~影の国民と諸国の光~

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コメント

1

ユーザー

wktkってやつだ! めっちゃ表現綺麗! 次が楽しみです!

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