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収録後、みんなが話しながら着替えているのを横目に、俺は一人で少しだけ手を止めた。
頭の中が、 ずっと整理できないままだったから。
ケビン
後ろから声がして、 振り向けばケビンが歩いてきた。
ケビン
史記
そう答えるけど、 笑顔が自然に出せなかった。
いつもみたいに元気に振る舞うのは、 今日に限って言うと無理だった。
ケビンが俺の顔をじっと見つめて、何かを察したように小さく息をつく。
ケビン
ケビン
その言葉に、俺は目を見開いた。
まさか、ケビンがここまで見抜いているなんて。
史記
ケビン
その言葉が、 俺の胸にぐっと突き刺さった。
言われた瞬間、心臓が一気に早鐘を打つような感覚があった。
何も言えなくて、ただ黙ってケビンを見つめていると、ケビンは続けた。
ケビン
その一言で、 心の中で何かが大きく動いた。
目の前が少しだけぼやけてきた。
ケビンは俺の反応を見逃さなかったようで、さらに言葉を続ける。
ケビン
ケビンの言葉が、 頭の中でぐるぐる回る。
俺は、楓弥に対して…何か変な気持ちを抱いてる。
でも、こんなこと、演技のためのことだって自分に言い聞かせてきたんだ。
史記
言いかけて、すぐに言葉が詰まった。
ケビンはその言葉をじっと聞いて、 最後に優しげにため息をつく。
ケビン
史記
ケビン
その言葉に、 また胸がぎゅっと締めつけられる。
ケビン
その言葉が、 本当のことだって分かってた。
演技だって言い聞かせてきたけど、楓弥と過ごす時間が増えるたびに、俺の心が動いているのを感じていた。
史記
口に出したその言葉が、 自分でもどこか苦しい。
ケビンは軽く肩をすくめて、 少し笑いながら言った。
ケビン
ケビン
その言葉が、心にじわりと染み渡る。
確かに、楓弥に対しての気持ちを無理に抑え込んでるのは俺だ。
自分の気持ちに正直になれば、 少しは楽になれるんじゃないか?
ケビン
その言葉を聞いて、少しだけ胸の中がすっきりした気がする。
でも同時に、 気持ちが少し不安にもなった。
もし本当に、俺が楓弥に対して抱いている気持ちが、ただの演技じゃないなら…。
史記
俺は小さく息を吐いてから、 ケビンに言った。
その言葉が、 少しだけ自分を楽にさせてくれる。
ケビンはにやっと笑って、 肩を叩いてくれた。
ケビン
その言葉に、少しだけ背中を押されるような気がした。
楽屋でひとり、スマホをいじってるフリしながら、ふみくんの声に耳を澄ませてた。
ケビンくんと何か話してるっぽくて、最初は笑い声も聞こえたけど、途中から静かになって。
ふみくんの表情も、ちょっとだけ、いつもと違った。
なんとなく目をそらしながらも、意識だけは完全にそっち向いてて。
俺、こういうときほんとわかりやすいなって、自分でも思う。
ふみくんが笑ってても、目が笑ってないとすぐ気づいちゃうし、逆に本気で笑ってるときは、空気がまるごと柔らかくなるのもわかる。
楓弥
ぽつんと呟いた自分の声が、 やけに大きく聞こえた。
俺が勝手に、ふみくんの言動に振り回されてるだけかもしれないのに。
ふみくんの笑顔は、 俺だけのものじゃない。
ファンに向けて、メンバーに向けて、ふみくんは誰にでも優しい。
だから―― 時々、すごく不安になる。
本当に、演技だけなのかな。
そう思った瞬間、 自分で自分にびっくりした。
なに言ってんだ、俺。
“演技”なんだよ、これは。
事務所に言われた“戦略”。
ふみくんは俺のこと、後輩として可愛がってくれてるだけで、そういう気持ちなんか――
でも、ふみくんの視線がふと合ったとき。
さっきまでケビンと話してたその目が、なんとなく優しくて、少しだけ寂しそうだった。
俺はその目を、ずっと覚えてる。
楓弥
小さく呟いた名前。
呼んだところで何も変わらないけど、胸の奥がぎゅっと締まる感じがした。
俺はふみくんのことが、 好きなんだと思う。
でもそれを認めたら、 今の関係が壊れそうで怖い。
演技に、本気になったのは… 俺の方かもしれない。
そんなこと、 ふみくんに言えるわけない。
でも、もしふみくんが少しでも同じ気持ちだったら。
そう思ってしまう自分が、 いちばん狡いのかもしれない。