日を改めて蝶屋敷に行くと、 経過観察を怠った事で
胡蝶さんとアオイちゃんに 怒られてしまった。
傷はもう痛まないけど、 心は痛む…なんて、
上手いことを言ってみる。
ハルカ 鎹鴉の遥が運んできてくれた 善逸からの手紙は、
まだ開けていない。
染井桃子
柱稽古?
遥(鎹鴉)
ウン、柱直々に一般隊士ガ稽古を受けるゥ
染井桃子
へえ…それって強制参加?
遥(鎹鴉)
強制参加!カァァ!
染井桃子
そっか…
そんな通達が来た。
全隊士が同じ順番で 柱の稽古を受けるということは、
タイミングによっては 善逸と会ってしまう。
可能性はかなり高い。
この正体不明の 心のざわめきを抱えて、
どんな顔をして 会えば良いんだろう。
私は今から頭を悩ませながら 今日の任務地に向かった。
今回の任務は鬼の追跡。
最近とある街の周辺の寺で、
人が食い荒らされる事件が 起こっているらしい。
既に2人の隊士がやられている。
十二鬼月の可能性も あると見て、
最上階級「甲」である 私が派遣された。
十二鬼月の可能性が既に 出ているなら私なんかではなく、
柱を派遣して欲しい ところだが…。
まあ色々と忙しいのだろう。
私は街にある藤の花の 家紋の家で日が落ちるのを待ち、
次に鬼が現れる可能性が 高い寺に行った。
男性
や、やめてくれ!誰か助け…
雷鳴のような斬撃の音と 男性の怯えた声が、
寺の中から聞こえた。
私はすぐに踏み出し、 男性を抱えて攻撃を避ける。
染井桃子
もう大丈夫ですよ
男性
き、君…!早くここから離れなさい!
染井桃子
貴方を置いて離れるわけにも行きませんよ
男性…お坊さんを 安心させるよう微笑む。
染井桃子
私が足止めするのでその間に街の方へ逃げて下さい
染井桃子
藤の花の家紋がある家ならなお安全です
次の攻撃を刀で捌き、 お坊さんを寺から逃がす。
私はそれまで無視していた 鬼の方へ振り返った。
染井桃子
!?
??
おうおう、久しいなァ"桃子"
鬼の正体は、 かつての兄弟子だった。






