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15件
ほんとに、言葉に表せないくらいいいです、単行本出して欲しいくらい...
ぶくしつ!
ブクマ&マイリスト失礼します!!🙇🏻
𝑆.
𝑅.
格闘ゲームを10戦したところ
4勝6敗という
なんとも悔しい結果に
𝑅.
𝑆.
𝑆.
𝑅.
𝑅.
𝑆.
𝑆.
𝑅.
𝑆.
ゲーム機を片付けながら
出ていく兄に毒を吐く
あとでもう1回プリン買ってこよう...
𝑅.
ゲーム機を所定の場所にしまうと
𝑅.
莉犬にぃに借りた
数学の参考書が視界に入った
𝑅.
参考書を持って
莉犬にぃの部屋に向かう
𝑅.
𝑅.
部屋に莉犬にぃはいなかった
出かけてるのかな
とりあえず参考書を返そうと
机の上に置くと
倒れている写真立てを見つけた
急いでたのかな、
そう思って
写真立てを直すと
そこに入っている写真に
息が止まった
𝑅.
そこには
成人済みであろう男女と
5人の子供たちが映っていた
5人の子供たちは
兄たちによく似ている
そして、
成人済みの男性
この人は『父さん』だ
𝑅.
なんで僕は写真に映っていないの?
いや
この時に用事でいなかったとしても
𝑅.
𝑅.
そこに映っているはずの お母さんの姿はなく
映っていたのは
僕の知らない女性だった
𝑅.
𝑅.
その時
玄関から鍵を開ける音が聞こえてきた
莉犬にぃが帰ってきたんだ
そう気づいて
逃げるように莉犬にぃの部屋を出た
𝑅.
思考にまとまりがつかず
なんども写真を思い出す
鼓動の音が妙にうるさい
幸か不幸か
ジェルにぃは部屋にいなかった
あの写真のジェルにぃは
小学生くらいだろうか
何年生だったんだろう
𝑅.
僕は
小学生の時
転校をしたことがある
𝑅.
紐がとかれたように
次々に思い出す記憶
『この人たちが今日から あなたのお兄さんよ』
今日から?
生まれた時から お兄ちゃんじゃなかったの?
『忘れ物はない?』
『そうよ、お引越しよ』
引越し?
いつ?
転校したとき?
あれ?
おかしいな
𝑅.
お母さん
背の高い、制服を着た 男の子が出てきた
𝑁.
𝑁.
お母さん
頭を下げるお母さん
𝑅.
𝑁.
話しかけられたのが怖くて
お母さんの後ろに隠れる
お母さん
お母さん
𝑁.
𝑁.
𝑁.
𝑅.
𝑅.
𝑁.
𝑁.
なぜかその人は嬉しそうに笑った
お母さん
お母さん
𝑅.
𝑁.
𝑅.
新しい人が出てきて
𝑅.
見られたのが怖くて
出していた顔を引っ込める
𝑁.
𝑁.
𝑅.
𝑅.
ちらっ、と目だけを出す
𝑅.
𝑅.
ほわほわした笑顔で
僕と同じ目線までしゃがんでくれた
なんか、
頭がふわふわしてて
思わず頭を撫でる
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑅.
𝑁.
お母さん
𝑁.
𝑁.
𝑅.
そうだ
僕は
ある日突然、
弟になったんだ
じゃあ
あの写真の女の人は
莉犬にぃ達の本当のお母さん...?
つまり
僕はみんなの本当の弟じゃないの?
他人ってこと?
𝐽.
突然声をかけられて
肩がびくんっ、と飛び跳ねる
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝐽.
おでこに触れようとしてくる彼の手を
咄嗟に避けた
𝑅.
𝐽.
𝐽.
呼び止める声を無視して
扉を乱暴に開けて
階段を駆け下りた
人通りの少ない
路地へと飛び込む
走ったせいか
汗をびっしょりとかいていた
𝑅.
思わずその場にしゃがみこむ
こんな記憶
知りたくなかった
他の兄弟と扱いの差を 感じたことはない
でも
お母さんも父さんも亡くなった今
僕があの家にいる権利はない
この家を追い出されたら
僕は行くところがない
確か、お母さんは
結婚をせずに
僕を妊娠したため
親族に絶縁されてるはずだ
𝑅.
どうすればいいの
このまま帰らずに
ずっとここにいようか
思い出さないふりを続ければ
あの家に留まることは出来るだろう
でも
もしも
もしも、そのことを説明されて
家を追い出された時
僕は絶望で立ち直れない
なら、いっそのこと
すべてを捨てて
このまま
どこかに消えてしまおうか
ダメだ
ここにいると嫌な考えしか浮かばない
ここにいては何も始まらないか
コンビニにでも行って
少し考えよう
そう思って
立ち上がろうとしたら
長くしゃがんでいたせいか
たちくらみを起こした
虫に食われたような視界で
ふらふらと道の端に行こうとしたら
誰かにごんっ、とぶつかった
𝑅.
謝って
端に逃げようとしたら
なぜか腕を掴まれた
僕の腕を掴んで話しかけてきたのは
チャラそうな男子3人
嫌な部類の人にぶつかったな、と
後悔する
内心舌打ちをしながら
𝑅.
そう言って手を振りほどこうとしたが
まだ視界が安定しないせいか
手を振りほどけない
顔を近づけてくる人たちを
殴り飛ばしたい気持ちと戦いながら
𝑅.
そう言うも
体に力が入らない
あれ、これ結構ヤバいかな
たちくらみじゃなくて
貧血かも
段々立っていることも辛くなってきて
口が上手く動かなくなる
𝑅.
ノリで
そのまま連れていかれそうな勢いに
急所を蹴っ飛ばしたい気分だった
そんなことをしても
逃げられる体力がないので
どうにか言葉で対抗しようとするも
口が上手く回らない
ついには
もう片方の腕も掴まれて
あ、終わったな、僕
諦めかけたところ
後ろから
誰かに引き寄せられる
𝐽.
そそくさと逃げていく3人の後ろ姿に
飛び蹴りしたい衝動を抑えながら
後ろを見る
𝑅.
いいかけて
口をつぐむ
僕に
ジェルにぃと呼ぶ資格はない
𝑅.
𝐽.
𝐽.
𝐽.
𝐽.
そう言って
僕のことを後ろから抱きしめる彼は
なにかに怯えているように見えた
𝑅.
肩にもたれかかっている彼の頭を
撫でながら
言葉を反芻する
𝑅.
𝑅.
僕の体は
多分もう
とっくの昔に
穢れているんだ
𝐽.
𝐽.
𝑅.
𝑅.
掴まれた右手はあたたかくて
でも、さっきの彼の言葉も
結局は偽物なのかな
僕は『弟』じゃない
彼からしたら
ただの同居人だ
彼ももしかしたら
覚えていないのかもしれない
ああ、それならどんなに楽だろう
𝑅.
𝐽.
振り向いた彼を見て
喉につっかえた言葉は
もう一度、喉を通って
お腹に落ちた
𝑅.
𝐽.
𝐽.
弱虫
力は持ち合わせているくせに
勇気はないなんて
情けないや
それよりも、
その弱さに感謝してる僕のことが
1番嫌いだ
𝑡𝑜 𝑏𝑒 𝑐𝑜𝑛𝑡𝑖𝑛𝑢𝑒𝑑...