ゆあん
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん先生に色盲な事がバレた。
それも驚く程にあっさりと。
今までずっと隠し通してきたから 先生も同じように バレないと思っていたのに。 なんでバレた?
……どっちにしろ、最悪だ。
なんとか誤魔化してみようと抵抗した けどそれでも駄目だった。 どうやっても誤魔化せない。
どんどん上げられていく証拠に、 もう無理だと思って認めてしまった。 ……どうしよう。
ちなみになぜ俺がここまで 色盲を隠しているのか。 それには理由があるんだ。
もちろん当初からずっと 隠してきたわけでは無い。
これは俺が小学校から 中学校にかけての話になる。
小学校低学年の頃。
この頃は色盲な事に対しては 何も気負いをしていなかった。
自分から言いふらすような ことはしなくとも、 何も気にせず過ごしていれば 友達にはいつか知られることになる。
クラスメイト
じゃぱぱ
クラスメイト
それでも本当に最初は この程度の反応だった。 誰も何も気にしていない感じ。
高学年になり少しずつ 突っかかってくるやつが現れた。 適当に受け流していたんだけど この頃からあまり聞きたくない言葉が 出てくる様になる。
クラスメイト
じゃぱぱ
クラスメイト
じゃぱぱ
これだ。 『可哀想。』
この言葉が嫌いなんだ。 この頃あたりからよく言われるように なった言葉。
別に俺は哀れんで欲しい訳じゃない。 確かに色が見えないのは他の人とは 少し違うのかもしれない。 だけど多少色が見えないだけで 他はみんなと同じ。 そう変わらない。
それなのに多くの人が色盲だと聞いて 馬鹿にしてくるか同情のようなものを してくるの2択。 どちらも嬉しいものでは無い。
そしてしまいには ''可哀想'' を必ず口にするんだ。
…もう聞き飽きた。
だから中学に上がってからは 同情の目を向けて欲しくなくて 出来るだけ公言しないように 生活していた。 それでもまだこの時は今ほど隠そうとはしていなかったかな。 バレたらバレたでいいか、みたいな。
まあそんかこんなでその中学校で 大親友のたっつん達にも出会えたし 比較的楽しい毎日だった。
だけど
ある日色盲が理由で当時仲が良かった 友達に距離を置かれるようになって しまったことがある。 そしてその友達の口から俺が色盲だと 知った後に出てきた言葉。
当時の仲の良い友達
当時の仲の良い友達
仲が良かった事なんて嘘のような 豹変ぶりだった。
あぁ。結局なのか。
結局皆色盲だと知ったら離れていく。 距離が生まれる。 色盲ってそんなにいけないことなのか?
どうしてこんな思いをしないと いけないのだろう。
この1件から色盲だと知られるのが 怖くなった。
それのせいでたっつんやのあさん達にも怖くて言えない。
特別仲が良い訳だし言うべきなのだろうとは何度も思った。 でもだからこそ言えないんだ。 大親友だからこそ…… もし色盲だと知られて今まで 離れていった人達の様に2人にも 置いていかれたら…?
そう思うとどうしても言えなかった。 たっつん達だけは 失いたくなかったから。
特別気をつけるようになって バレないように努力して 本来の自分を出せなくて。
のあさん達にもいつバレるか分からないという不安を抱えながらも過ごす日々。 正直、苦痛でしかなかった。
もうこんな思いはしたくない。
だからこそ高校では失敗しないように 全てを偽って過ごしていた。
''色盲だと知った人は 俺から離れていく''
そう考えていたから必死で隠したし いつかは離れていくだろうという 不安から彼女は一切作らず 失うものを最初から作らないように 常に明るく振舞ってきたんだ。
そのお陰で順調に 1年間楽しく過ごせていた。 そのまま2年生になりこの調子で 今年も頑張ろうと思ってきた矢先。
そこに現れたのが今の担任 赤城ゆあん先生だった。
長くなったが回想はここまで。
俺は今相当焦っている。 どうしていいか分からなくて 頭が回らなくなるくらいに。
ずっと隠してきたはずの秘密。
それがまだ出会って4ヶ月も 経っていない先生にバレた。 これは俺の中で相当な緊急事態。
反論できなくなって認めてしまって からはもう暗闇のどん底気いる気分と そう変わらなかった。 色が見えずらいはずの俺でも 絶望の色がハッキリと 感じ取れてしまうくらいには。
どうしよう…。先生にバレた。
この事実だけが 俺の脳内を何度も駆け巡る。
このままゆあん先生も 俺から離れていく? 先生にも可哀想だって、 惨めだって笑われるのかな?
そうやってどんどんネガティブな思考に 入ってしまってそれがそのまま 口から言葉となって溢れていく。
ゆあん先生は戸惑っている 素振りを見せている。 …だけどそんなの気にしていられない。 向こうから言われたくない 言葉が放たれる前に先手を打つ。
話させる隙を与えないように 必死に言葉を紡いだ。
……まあ心の中ではもう 半ば諦めていた所があった。 だからこそここまで嫌味ったらしい言葉が出てきたのかもしれないけど。
もうどうしたらいいか 分からなくなって 関係無いゆあん先生にも 当たってしまった。
これじゃあ先生に嫌われるのも当然か笑
…それだけは嫌だったな。 ゆあん先生からの拒絶の言葉を 想像しただけで過去に離れていった 友達の時の何十倍も辛く感じてしまう。
勝手に動く口を止めようともせず そのまま流れるような速さで話した後に 少ししてゆあん先生が口を開いた。
ゆあん
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
もう無理か。 これ以上は抵抗できないらしい。
もう諦めるしかないな…何もかも。
そう、思っていたのに。
ゆあん
じゃぱぱ
返ってきたのはまさかの言葉だった。
くると思って構えていたはずの 『可哀想。』やその他の馬鹿にする様な 発言が聞こえてくる事は無く その代わりにきたのは『頼れ』の言葉。 そして今まで気付けなくて後悔してる とも言われた。 もっと助けられたのに…って まだ出会って3ヶ月ほどしか 経っていないくせに。
あまりの衝撃でしばらく動けなかった。
初めて認められた気がしたんだ。
馬鹿にする事も無くただ同情の目を 向けてくる訳でも無い俺に 寄り添う様な先生の行動。 こんなん嬉しくないわけが無いだろう。
自分にのとって都合の悪い反応がくると 思っていた為に反動が凄く、 嬉しくて思わず泣いてしまった。
ただただみっともなく泣き喚く 俺の事を静かに見守りながら 声をかけてくれる先生。 余計に涙が止まらなくて まともに話す事すら出来なかった。 それでも先生に見放されなかったことが 何よりも嬉しい。 先生になら…と過去のことを話している 間もしっかりと向き合って 真剣に聞いてくれた。
どうやら先生には少し前から 勘づかれてしまっていたようで やっぱり敵わないなぁと思った。
…だけどそれを心の底から 安心している自分もいて。
先生の言葉が行動が長い間 張り詰めていた糸を解いてくれたのだ。
ゆあん
ゆあん
じゃぱぱ
じゃぱぱ
ゆあん
ゆあん
気付かないうちにあたりは 暗くなっていた。 そんな話し込んでいたんだなぁ。 いつも忙しいであろう 先生にも無理をさせてしまった。
じゃぱぱ
ゆあん
じゃぱぱ
先生って意外と不器用なのかな?笑
そう思いながらもまだ先生といれる事が とても嬉しかった。
じゃぱぱ
まじかぁ。やっぱそうだよな…。
今色盲とは別の問題で 同時進行しかけていたものが はっきりと顔を出しそうに なっているのだけど。
進学してから先生に出会ってから 3ヶ月とちょっと。 俺はゆあん先生の色々な一面を 見てきた。
ノリがいいところ。 意外にも無邪気なところ。 面白くて関わりやすいところ。 運動神経がめちゃくちゃいいところ。
そして悩んでいる時は誰よりも 早く気付いて今日みたいに 真剣に寄り添ってくれるところ。
先生の事を考えるだけで 大きく鼓動が速まる。
俺はもうこの胸の正体に気付いている。
先生の落ち着く匂いが漂う車の中 運転する先生の姿を眺めながらも 自分の気持ちを再確認した。
やっぱ好きだなぁ俺、 ゆあん先生の事。
コメント
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遅れました〜 恋愛等々始まるんでね! 後フォロワー50人おめでとう ございます!
ゆあじゃぱ恋愛来ましたか!!いや〜見るの遅れたついでに♡沢山しときますね,てか今日の作品泣くところでした,ホント物語作るの上手いですよね!!
最高すぎる😭👏✨