桃
青宮.....、?

青
へ、.....っ

青
.....っ

高身長で、黒いシャツに黒い髪
そして、グレーブルーの瞳を光らせている
青
ぁ.....、

青
.......っ

桃
.....

桃
この間、グラス買い忘れちゃったから、買おうと思って来たんだ、夜なら.....

桃
.....っ

青
(夜なら、僕に会わないと思ったんだろう...)

青
(桃くんが気まづそうにしてるということは、あの日の、心を読まれてたことが証明された.....)

青
(でも、そんな暇なんてない...っ)

青
どうしよ、ッッお店が.....っ

青
...ッッ(ポロポロッ)

あのしわしわな手とか、優しい声とか、笑顔とか、
全部、今もまだ胸に焼き付いてる...
病気なるなんて思いもしなかった、あんなにあっけなく消えてしまうことも...
青
僕だけ.......っ(ポロポロッ)

青
僕だけ、ずっと.......進めてない.....っ(ポロポロッ)

青
おじいちゃんの死を受け止められなくて.....ッッ(ポロポロッ)

青
1人で頑張ってるおばあちゃんのことも、応援...、ッできない.......ッッ、(ポロポロッ)

おばあちゃん1人がお店をしてるって思ったら悲しくて.....ッッ
青
.....っ!

桃
.......っ

青
(僕の汚い気持ちを読んでしまった桃くんは、どんな気持ちなんだろう...っ)

青
.....ッ

青
だから...、ッ(ポロポロッ)

青
だから、あんなお店、潰れちゃえばいいって.....っ、そう思ったの.....(ポロポロッ)

青
おばあちゃん、あんなに頑張ってお店してるのに、.....っ(ポロポロッ)

青
僕は現実を受止めたくなくて...ッッ(ポロポロッ)

青
逃げてばっかで.....ッ(ポロポロッ)

僕がおばあちゃんを守るって...、おじいちゃんと約束したのに...、それなのに.......っ
桃くんには、とっくに自分の感情なんて知られてるのに.....っ
馬鹿みたいに必死に喋った...
言葉にして伝えたかった...
隠したくなかったッッ
"桃くん"だけには.....っ
桃
...もういいよ(ギュゥッ...)

青
.....っ(ポロポロッ)

桃
ありがとう、話してくれて.....

桃
気持ちを読んでしまった俺の罪悪感を消すために話してくれたんでしょ...、?

青
(桃くんには、どんな僕でもお見通しって訳か.....笑)

青
.....(ポロポロッ)

桃
...(ギュゥゥゥゥッ...)

桃
...ありがとう(ボソッ...)

桃くんが言った言葉で、さっきまで心の中にあった黒いモヤが、塊が嘘みたいに溶けていった
桃
...ゆっくりでいいと思うよ、俺は

青
(桃くんは、落ち着いてて、深い海のように穏やかで...優しい...)

桃
大切な人の死を受け入れるのは、何十年かかっても俺は出来ないかもしれない

桃
その人が大切だった分、時間もかかる...

桃
だから、焦らなくてもいい...

桃
また泣いたっていいんだ

青
(あぁ、僕はずっと...)

青
(この言葉を待っていたのかもしれない...)

青
(今まで僕をかたくなに縛り続けていたものから、開放された気分...)

青
(僕はきっと、誰かに許して貰いたかったんだ...っ)

青
(大丈夫だよ、泣いてもいいんだよ...って.....)

青
桃くん、ありがとう.....(ポロポロッ)

桃
スッ...(涙を拭う)

青
ん、.....(グスッ...)

桃くんは、頷く代わりに僕の涙を細い指で拭い取ってくれた
桃
スッ...(耳触)

青
.../(ピクッ)

その手は、僕の耳に触れ、髪に触れ、徐々に移動していく
青
...っ/(ドクドクッ)

桃
...クイッ(顎)

桃
...っ

桃
.....行こう、店長が待ってるよ

桃
何か、あったんでしょ...、?(ナデナデッ)

青
...うん、早く行かなきゃ
