テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
218
羽海汐遠
15,854
ruruha
975
コメント
1件
くまさん、第1話読みました! 転校初日の湊くんの緊張と不安の描写がすごくリアルで、胸がぎゅっとなりました…。あの場面で差し出されたチョコレート、象徴的でいいですよね。「無理はしないでいい」という晴翔くんの言葉とチョコの甘さが、彼の小さな一歩を支えてるのが伝わってきました。生徒会の二人の屋上での会話も気になる終わり方で…「大嫌い」って何が?って続きが早く読みたいです!
皆さん、初めまして。
作者の くま と申します。
初投稿なので、ゆるく見守ってもらえればうれしいです✨
それでは本編へどうぞ!
小鳥遊 湊
父
今日は私立神原高校に転校した初日。
お父さんはそっけなく珈琲を飲みながらも、小さく返事をしてくれた。 いつもお父さんは忙しいから、こうして話すのは久しぶりだった。
ドアを開けると、少し春の香りが残った、夏の風を感じた。
小鳥遊 湊
小鳥遊 湊
小鳥遊 湊
少し歩いたが、神原高校の校舎は前に通っていた高校よりも何倍も大きくて、綺麗だった。 思わず感嘆の声を漏らすくらい、なんというか…キラキラして見えた。 正門をくぐる生徒たちも、心なしか輝いて見える。 自分と着ている制服は変わらないはずなのに、どこか場違いさを感じて胃がキリキリする。
その時、甲高い声が聞こえた。 黄色い声、というのだろうか。歓声に近い悲鳴だ。
小鳥遊 湊
つい、”あの時”の癖で大きい声が聞こえると体が冷えていくような、嫌な感覚に襲われる。
女子
女子
女子
小鳥遊 湊
生徒会…?
小鳥遊 湊
人込みは怖い。 自分を否定するように、冷たい視線で見られることも。 時々聞こえる嘲笑交じりの笑い声も。 助けを求めても相手にされず、ただ憐れまれることも。 一人でいれば、そんなこと絶対ないのだから。
小鳥遊 湊
廊下を渡って、教室へと向かう。 後はドアを開けばいい。 それが、どうしようもないほど怖かった。
小鳥遊 湊
緊張して手が震えて、思うように動けない。 ダメだってわかってるのに。 お父さんがせっかく我儘を聞いて、この学校に転校させてくれたのに。
神宮寺 晴翔
その時、柔らかな声が聞こえた。
小鳥遊 湊
極度の緊張と恐怖で頭がいっぱいになって、うまく呂律が回らない。 涙が目にたまって、視界がぼやける。
小鳥遊 湊
謝らないと。 迷惑かけてごめんなさい。 うまく言えなくてごめんなさい。
言わないと、なのに
言え、ない
神宮寺 晴翔
小鳥遊 湊
ようやく顔を上げて、声の主を見る。 びっくりした。 恐怖もなにもかもが消し飛ぶくらいの美形。 整った顔立ちとさわやかな笑顔。イケメン、というやつだ。
小鳥遊 湊
神宮寺 晴翔
何か言えばいいのに、なぜが首を振って返事をする。 ああ、もう。から回ってばっかりだ。
自分を責める言葉ばかりが頭にぐるぐる回る。
そのとき、イケメンさんが何かを差し出した。
神宮寺 晴翔
小鳥遊 湊
神宮寺 晴翔
手のひらにのせられた個包装のチョコレートを呆然と見つめる。
神宮寺 晴翔
神宮寺 晴翔
そう言うやいなや、イケメンさんは走り去っていった。
小鳥遊 湊
名前、聞けばよかったな
口に含んだチョコレートは甘くて、優しい味がした。
小鳥遊 湊
教室の扉を開けて、そう言った。 みんなの視線が自分に集中する。 それが怖くて、怖くて。 でも口の中の甘さが、少しだけ緊張を和らげてくれるから。
クラスメイト
クラスメイト
小鳥遊 湊
クラスメイト
予想以上にクラスは明るい雰囲気だった。
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
小鳥遊 湊
クラスメイト
クラスメイト
小鳥遊 湊
楠野宮 佳
神宮寺 晴翔
楠野宮 佳
神宮寺 晴翔
屋上では、静かな会話が繰り広げられていた。
風の音にかき消されてしまいそうな、小さな会話だった。
楠野宮 佳
神宮寺 晴翔
迷いなく即答する彼の視線は、どこか遠くを見つめているようにも見えた。
神宮寺 晴翔
楠野宮 佳
神宮寺 晴翔
楠野宮 佳
神宮寺 晴翔
楠野宮 佳
神宮寺 晴翔
楠野宮 佳