天界と魔界を繋ぐ 間の世界。
神や悪魔に選ばれた人間のみ 通れる、そんな所。
そんな場所で、 私達は最悪な再会を果たした。
吸鬼 亜麻
…………。
アクヤ
…………。
アクヤ
母さんは、元気か?
吸鬼 亜麻
……貴方に関係あります?
それ。
それ。
冷たくしなきゃ。
嫌われなきゃ。
最低な妹でいなきゃ。
アクヤ
……何だよその言い方。
アクヤ
心配してやってんだろ。
吸鬼 亜麻
……元気にしてますけど。
吸鬼 亜麻
今は病院に通いながら
精神を安定させてます。
精神を安定させてます。
アクヤ
……そうか。
アクヤ
狂神の下に就いたんだってな。
吸鬼 亜麻
……何か問題でも?
アクヤ
いいや、別に。
アクヤ
誕生日はまた
ケーキ送るから。
ケーキ送るから。
吸鬼 亜麻
……。
アクヤ
……幸せにしろよ。
どうして。
どうして何も言わないの?
吸鬼 亜麻
……怒ってないの?
吸鬼 亜麻
それとも何とも
思ってないの?
思ってないの?
通り過ぎた兄の背中は、 どこか寂しいようで、 少し勇敢さがあった。
アクヤ
何を怒る必要があるんだよ。
アクヤ
自分の身を守るために、
自分の精神を守るために
男から逃げることが
そんなに罪か?
自分の精神を守るために
男から逃げることが
そんなに罪か?
吸鬼 亜麻
私は……お母さんの
精神安定の為とはいえ、
精神安定の為とはいえ、
吸鬼 亜麻
殺人鬼の父親の元に
悪夜兄を置いてったんだよ?
悪夜兄を置いてったんだよ?
吸鬼 亜麻
恨まれて当然でしょ?
吸鬼 亜麻
最低だと思われて……
当然でしょ?
当然でしょ?
誕生日も母の日も父の日も、 それ以外の何でもない 世間が決めた記念日も、
配達で兄は何かを 送ってきてくれた。
それを見るたびに 胸が苦しくなった。
悪夜
亜麻!
悪夜
ケーキ!!食う?
亜麻
食べる!
亜麻
一番大きいのいただきっ!
悪夜
馬鹿それは俺のだよ!!
亜麻
悪夜兄のなんて決めた
覚えないしー?
覚えないしー?
亜麻
……?
亜麻
てか今日って
何かあったっけ?
何かあったっけ?
悪夜
今日母の日だろ?
悪夜
だから母さんの好きな
マスカットのケーキ
買ってきたついでに。
マスカットのケーキ
買ってきたついでに。
亜麻
またそうやって
無駄遣いして……
いい加減自分に使ったら?
無駄遣いして……
いい加減自分に使ったら?
悪夜
無駄遣いじゃねえ
産んでもらったお礼だ。
産んでもらったお礼だ。
亜麻
……私次の誕生日は
フルーツいっぱいの
ケーキがいいな!
フルーツいっぱいの
ケーキがいいな!
悪夜
おいたけえやつじゃねえか!!
悪夜
……んま、誕生日くらい
いーけど。
いーけど。
亜麻
やったあ!
悪夜兄太っ腹!!
悪夜兄太っ腹!!
悪夜
いい加減何か返して欲しい
くらいだな……。
くらいだな……。
亜麻
悪夜兄の善意だからこれは!
亜麻
私は善意なんてないから
いーの!!
いーの!!
悪夜
言ってて恥ずかしくねえか?
亜麻
美味しいもの
食べられるなら別!
食べられるなら別!
私はあの善意を 全て踏み躙って、
あの日あの時、 思い出のある玄関で 大喧嘩をして、
永遠に仲直りできない状態にした。
父の日用に買ってきてくれた フルーツいっぱいのケーキ。
甘くて、少ししょっぱくて、 少し苦しい味がした。
兄は誕生日じゃなくても 私の願いを叶えてくれた。
私は……何も返せない 善意のない人間なのに。
アクヤ
……いいんだ、
正しい選択だった。
正しい選択だった。
そう言って笑う悪夜兄の顔は、 昔から変わってなかった。
吸鬼 亜麻
……御免なさい、
愚かな妹で。
愚かな妹で。
アクヤ
いいや、
アクヤ
亜麻は立派な妹だよ。
アクヤ
母親を父親から引き剥がす
選択ができた。
選択ができた。
アクヤ
1人でなんでも決断した。
アクヤ
……ちょっと遅くなったけど、
今日くらいにケーキが届くと
思うから。
今日くらいにケーキが届くと
思うから。
アクヤ
フルーツいっぱいのケーキ。
吸鬼 亜麻
もういいよ、送らなくて。
アクヤ
罪の償いくらい
させてくれよ。
させてくれよ。
吸鬼 亜麻
必要ない!
悪夜兄は何もしてない……。
悪夜兄は何もしてない……。
アクヤ
じゃあ俺の善意ってことで。
吸鬼 亜麻
……馬鹿。
吸鬼 亜麻
私が悪者みたいじゃん……。
アクヤ
言ったろ。
アクヤ
誰も悪くねえ。
アクヤ
……じゃあそろそろ行くわ。
真神が待ってっから。
真神が待ってっから。
吸鬼 亜麻
……また、会える?
アクヤ
……生きてりゃ会えるさ。
アクヤ
次は仲直りできない同士
また喧嘩でもしながら会おうぜ。
また喧嘩でもしながら会おうぜ。
※めっちゃめちゃ捏造
アクヤはこんな優しくありません()
いいですね、これは捏造です()






