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ミステリと恋は交われない

第10話 - 昔話と提案

264

2024年07月14日

#司類

#冬彰

#ミステリー

#ホラー

#推理

あかまる🍓🐾໊

俺の父は有名な音楽家だった。

そんな父は少し冷たくて、愛情表現の少ない人だった。

母はそんな父の機嫌を取って好かれようとするのに必死で、俺には見向きもしてくれなかった。

母

もっと…もっと美味しいものを作らなきゃ…

母

あの人が帰ってくる前に…隅々まで、もっと、もっと掃除しないと…

母

私が…もっと美しくならないと…！！

母さんは本当に、必死だった。

父の前では、母はいつも完璧な妻として振舞っていた。

けれど、それにも相当ストレスが溜まるようだった。

バシンッ！！

冬弥(子供)

痛ｯ……！

母

邪魔なの！！掃除出来ないでしょう！！

冬弥(子供)

ご、ごめんなさ…

母はそのストレスの捌け口にするかのように、俺に暴力を振るった。

バシンッ！！

母

はっ！

母

あぁ……いけない…あの人にバレたら…

母はいつもそうだった。

母

いい…？この事、あの人には言っちゃダメよ…！！

母

もし、何か言われても…転んだと言って、誤魔化しなさい。

冬弥(子供)

…

母はいつも怯えていた。

父に嫌われないよう必死だった。

けど、俺は分かっていた。母が心配するような事は一切ないと。

冬弥(子供)

と、父さん…

父

…ん？なんだ？

冬弥(子供)

あ、あのね、

父

用があるなら手短に話せ。すまんが今は忙しい。

冬弥(子供)

あ…

冬弥(子供)

…ううん、ごめんなさい。何でもない、

父も同じく俺に見向きもしなかったから。

こんなに目立つ痣が頬にあっても、一切気付かない。

父も母も、俺に興味関心なんてなかった。

バシンッ！！

バチンッ！！

母

このっ！！このっ！！なんで私が…っ！！

冬弥(子供)

う"っ、ぃ"っ、

母

あなたが…あなたがいなければ…っ！！

バシンッ！！

冬弥(子供)

い"っ、

冬弥(子供)

ご、ごめんなさい…っ！

母が俺に暴力を振るうのは、父がいない時だけだった。

けど、父は忙しいから家にいない時の方が多く、月に3回帰ってくるか来ないかくらいだった。

食事が出来るのは父が帰ってきた時だけ。

父がいない時、母は食事を用意しなかった。

冬弥(子供)

お母さ…お腹空いた…

バシンッ！！

母

話しかけないでって言ってるでしょ！？

冬弥(子供)

ひっ！ご、ごめんなさい…っ！！

母の、怒鳴る時のキンキンした声が怖くて、怖くて仕方なかった。

それ以外にも、母は突然ヒステリックに叫び出したりする時もあった。

本当に…本当に、恐ろしくて堪らなかった。

母

お帰りなさい！♡

父

ああ。

母

お食事もお風呂も用意出来てますけど、どうしますか？

父

先に風呂にする。

母

分かりました！

父が帰って来た途端に、甘い声で機嫌を取る母を見てきたせいで、女性不信にもなってしまった。

刑事になろうと思ったのは、警察が寮暮らしだと知ったからだ。

寮なら、この家にいなくてすむ。

ここから逃げ出せる。

そう思って、父さんにその話を持ちかけた。

冬弥(高校生)

父さん。俺…警察官になりたい。

父

そうか。

息子が警察官、という肩書きを悪くないと思ったのか。

あるいは、俺の事なんて心底どうでもよかったのか。

父は警察官になるための学費などは、全て支払ってくれた。

冬弥(刑事)

晴れて警察官になった今でも、実家に帰ったことは一度もないな。

彰人(助手)

へぇ…

彰人(助手)

だから、お前女性苦手だったのか。

冬弥(刑事)

ああ。どうしても身構えてしまうんだ。

冬弥(刑事)

…聞いてくれてありがとう。少し楽になった。

彰人(助手)

そりゃ良かった。

彰人(助手)

こっちこそ、話してくれてありがとうな。

彰人(助手)

…でも、お前虐待されてたのか…今からでも逮捕って出来るんじゃねーの？

冬弥(刑事)

いや、別にそんな気は無いんだ。むしろ…もう会いたくない。

彰人(助手)

…そっか。

彰人(助手)

なぁ、警察ってさ、人探しとか…やってくれるんだっけ？

冬弥(刑事)

人探し？

冬弥(刑事)

もちろん、行方不明者届を出してさえくれば、捜索はできると思うが…

冬弥(刑事)

…だが、どうだろうな。今は殺人事件も多いし、もしかするといい対応はしてもらえないかもしれない。

冬弥(刑事)

誰か…探している人がいるのか？

彰人(助手)

まぁな。

彰人(助手)

…姉を探してる。2年前に失踪したんだ。

冬弥(刑事)

！

冬弥(刑事)

お姉さんがいるのか…

彰人(助手)

おう。俺の一個上だった。

冬弥(刑事)

2年前に失踪したなら…その時に警察へ届出はしたか？

彰人(助手)

した。けど、対応してもらえなかった。

冬弥(刑事)

そうか…

冬弥(刑事)

けど、そういうのは探偵の方が協力してくれるんじゃないか？神代さんとか、優秀な…

彰人(助手)

あー…あの人には言えないんだよ。

冬弥(刑事)

言えない？

彰人(助手)

…あの人が、姉の失踪に関わってるかもしれないから。

冬弥(刑事)

え？

彰人(助手)

まだ何も分かんないことだらけでさ。信用できるまで、先生には言わないつもり。

冬弥(刑事)

そうなのか…なら、俺も今の話は秘密にしよう。

彰人(助手)

おう、頼む。

冬弥(刑事)

…もしかして、彰人が神代さんの助手になったのは、お姉さんを探すためか？

彰人(助手)

お、正解。

冬弥(刑事)

前回の謎が解けた。やっぱり給料じゃなかったんだな。

彰人(助手)

おう。ま、給料が悪くないのも事実だけどな。

冬弥(刑事)

お姉さんの…名前だけでも教えてくれないか？何か協力できるかもしれない。

彰人(助手)

「東雲絵名」って言うんだ。顔は…写真でいっか。2年前のだけど。

冬弥(刑事)

…美人さんだな。

彰人(助手)

そうか？

冬弥(刑事)

ああ。雰囲気もどことなく彰人に似てる。

彰人(助手)

マジ？全然似てないと思ってたけど、やっぱ似てんのか。

冬弥(刑事)

「東雲絵名」さんだな。覚えておく。

冬弥(刑事)

仕事もあるから、少しずつになってしまうが…何か分かったら報告する。

彰人(助手)

悪いな、サンキュー。

類(探偵)

へっくしゅ！

司(警部)

む、風邪か？

類(探偵)

分かんない…

司(警部)

どうせまた布団被らずに寝てるんだろう。風邪引いても知らんぞ。

類(探偵)

余計なお世話だってば。

類(探偵)

っと…なんの話だっけ？

司(警部)

あぁ、えっと…

司(警部)

…俺、今度連休なんだ。

類(探偵)

へぇ？滅多にない事じゃないか。よかったね。

司(警部)

来週の水曜日から金曜日で…その、お前の予定が無ければなんだが、

司(警部)

一緒に…旅行とか、どうだろうか。

類(探偵)

え？

類(探偵)

ぼ、僕と…旅行？

司(警部)

ああ、

類(探偵)

(きっと他意はない…大方、誘える友人全員に断られたんだろう。)

類(探偵)

(そうでなきゃ、僕を誘うなんて有り得ないもんね、)

類(探偵)

…いいよ。

司(警部)

えっ？！

司(警部)

ほ、本当か？！

類(探偵)

うん、予定なら空けるし。

類(探偵)

どこへ行くんだい？

司(警部)

ああ、考えてたんだが…お前、昔スキーに行ってみたいって言って、結局行けてなかっただろ？

司(警部)

だから、スキーとか…どうかと考えてたんだが、

類(探偵)

えっ

類(探偵)

そ、そんな…少なくとも3年も前の話、覚えてたんだ。

司(警部)

俺が忘れるわけないだろう。

類(探偵)

(振った相手の事なんか、もう忘れてしまえばいいのに…)

類(探偵)

…じゃ、行きたいな。

司(警部)

そ、そうか！

司(警部)

場所とか詳細はまた連絡する。今日はとりあえず帰…

類(探偵)

え、もう帰っちゃうのかい？

司(警部)

えっ？！

類(探偵)

あっ、いや、な、何でもないよ。

類(探偵)

ちょっと口が滑っただけ…じゃなくて！独り言だから、

司(警部)

か、帰りたくなくなってしまったんだが…

司(警部)

もう少し…居てもいいか？

類(探偵)

えっ！？

司(警部)

あっ、こ、これは少し調子に乗りすぎだっただろうか？！

類(探偵)

いや…

類(探偵)

…いいよ、もう少し居ても。

類(探偵)

(って、僕は何言ってるんだか…)

類(探偵)

…座れば？お茶出すよ。

司(警部)

あ、ああ。ありがとう。

類(探偵)

はい、緑茶飲めたよね？

司(警部)

ああ、ありがとう。

類(探偵)

…

類(探偵)

(何か話題は…)

司(警部)

…最近、どうなんだ？あれからちゃんと寝れてるのか？

類(探偵)

えっ

司(警部)

ほら、目を閉じるのが怖いとかで、頑なに寝ようとしなかっただろう？

類(探偵)

ああ、今は…

類(探偵)

…もう、失うものも無いからね。22時にはちゃんと寝てるよ。

司(警部)

そうか…

類(探偵)

君こそ寝れてるの？忙しいんでしょ？

司(警部)

ああ、まぁ…動ける程度にはきちんと寝てるさ。

類(探偵)

モブさんの件とか、望月さんの件とか…あの後、何か分かったことはあるのかい？

司(警部)

…すまない、不甲斐ないことに何も、

司(警部)

何せ、他の事件もあって手が回らんくてな…

類(探偵)

だろうと思ったよ。

類(探偵)

それで、僕なりに調べてみたんだ。

司(警部)

！

司(警部)

何か分かったことはあるのか？！

類(探偵)

ああ、もちろん。

司(警部)

ほ、本当か？！何が…っ

類(探偵)

おっと、タダで情報は渡したくないな。

司(警部)

あ、ああ！そうだったな！いくらだ？

類(探偵)

…

類(探偵)

わ、笑わないでね。

司(警部)

？ああ。

類(探偵)

…も、もう1回、「類」って、呼んで欲しい、

司(警部)

！？

類(探偵)

へ、変なのは分かってる！もう今更って思うだろうけど、1度だけでいいから…！

司(警部)

類。

類(探偵)

！

司(警部)

お前が許してくれるなら…1度と言わず、これからも呼ばせてもらえないだろうか？

類(探偵)

へ？！

司(警部)

…やっぱり、ダメだろうか？

類(探偵)

だ、ダメ…じゃ、、ないよ。

類(探偵)

「司くん」がそう呼んでくれるなら…それがいいな。

司(警部)

！！！

司(警部)

る、類っ！！

類(探偵)

っと、情報だよね。

司(警部)

あっ、ああ。

類(探偵)

まず、モブさんの件についてだ。

類(探偵)

あのパーティーの、事件が起こる前…インターホンが鳴って、誰か来ただろう？

司(警部)

ああ、そういえば…朝比奈さんが見に行ってたな。

類(探偵)

そう。その事で、朝比奈さんに少し聞いてみたんだ。

類(探偵)

訪ねてきたのは、宅配業者だったらしい。何やら荷物を受け取ったそうだ。

司(警部)

宅配業者…？その荷物の中身は？

類(探偵)

それが、受け取ってからしばらくは別室に放置してたらしいんだ。パーティーを優先したかったらしい。

類(探偵)

そして僕らに部屋の案内をした後に開けたそうなんだ。

司(警部)

ほぅ、

類(探偵)

でも、何も入っていなかった。

司(警部)

？！

司(警部)

初めから空だったと言うことか？

類(探偵)

いいや、受け取った時は何かが入ってる感じはしたらしい。

司(警部)

となると、誰かが箱の中身を持って行った…？

類(探偵)

さぁ？僕が知ってるのはここまでだからね。

司(警部)

むぅ…なるほど…

司(警部)

箱には何が入っていたのか…というか、そもそも差出人は？

類(探偵)

何も書いてなかったそうだよ。

司(警部)

何も書いてなかった…？

司(警部)

…まぁ、有益な情報をありがとう。一応、その事についても調べてみる。

類(探偵)

あぁ、それで、望月さんなんだけど…

類(探偵)

…残念ながら、まだメッセージの相手は特定出来てないそうだ。すまないね。

司(警部)

え、調べてくれてるのか？！

類(探偵)

協力するって言っただろう？

類(探偵)

と言っても、調べてくれてるのは僕の知り合いなんだけどね。

類(探偵)

ま、何か分かり次第連絡してくれるってさ。

司(警部)

そ、そうか！

司(警部)

なら俺も、何か情報が入ればすぐ連絡しよう。

類(探偵)

ああ、頼んだよ。

ミステリと恋は交われない

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配達されてきたものがもしロープだったら……現犯人（仮）の所持していたロープに皮膚が付着していなかったのも納得できるね。使用したロープを後で処分すればいいだけだし。なんで配達されたからだけど………候補が2つある。 ①望月さんみたいに、依頼を受けたロープを所持している人がいる会場なら、罪を他の人になすりつけれるので ②自.殺以下同文。現犯人（仮）に恨みがあり、冤罪を着せようと命を懸けた。

ヒャッハー！！！！早く付き合っちゃえよ☆ ↑（何回言うねん）いつも、神作品ありがとうございます

うん！今日も！！今日とて！！！神作だね！！！😘😘👍冬弥ママ冬弥パパぁ…🥺よし、こうなったら私が冬弥くんを引き取ろう🙋🙋((( えななんが失踪…それに神代が関わってると思うのはなんでなんだろう……ああもう分かんないあかまるちゃんこういうストーリー考えるの上手すぎだよ🥺💘💘私ミステリー書くの苦手だ…好きだけども……😌😌

あかまる🍓🐾໊

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