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回想 藤澤涼架side
Mrs.GREEN APPLEフェーズツーが始まってから、みんな好きなように過ごすようになった
お化粧して、カラフルな洋服を着て。
明るい髪色にして、お化粧して、綺麗な洋服を着るのが、僕は好きだった
少なくとも、元貴と若井はそれを受け入れてくれたし
スタッフさんからもお化粧の仕方を教えてもらったりして
僕は大丈夫だと思っていた
「綺麗になった!」 「三人の中で一番綺麗になったよね」
そう、二人に言われたからか、僕はみんなそうだと、勘違いしていた
でも、いざ世間にでると、厳しい世間の目が僕を襲った
アンチのような書き込みが爆発的に増えた
前とは比べものにならないほどのアンチの量。
僕の容姿に対する厳しい書き込み。
“前の方が好きだった” “おかまみたいで気持ち悪い”
そんなことが大半だった
気にしていないふりをしていたけれど、 気にしていないと言ったら嘘になる
僕だってアンチは苦手だし、自分の好きなことを批判されると悲しいから
あまりの厳しいアンチに、一度自殺未遂しようかと思ったこともある
人を平気で傷つける言葉を投げつけてくる人が、僕は苦手だった
そして世界には、そんな人が多いと言うことも知った
優しい言葉をかけてくれる人よりも、批判するような人の方が多い。
人間は、人と違う人を蔑む醜態の塊だと、僕は知ったの。
人間は、優しい人ばかりじゃない
恵まれすぎた優しいメンバーに、スタッフさんに囲まれすぎて忘れていた事実だ。
もちろん、優しいことばかりが優しいことばかりじゃない。
誰かの厳しい振る舞いが優しさだったことを後から知ったこともある
相手のことを考えて行動することが、僕は優しさだと思う。
「綺麗」と褒めてくれたメンバー二人がいたから、 お化粧方法を教えてくれやスタッフさんがいたから、 「涼ちゃんきれい!」と言ってくれるJAMSの人たちがいたから、
僕は、まだ生きている
少なくとも自分を認めてくれた大切な人たちのことは忘れたくない。
でも、薬が効いていない今、お医者さんからの返事は宜しいものとは言えなかった
「藤澤さん、今あなたは薬が効いていないんです。 おそらく、Mrs.GREEN APPLEすべてのことを忘れてしまうでしょう。 もちろん、悪化のペースにもよりますが。」
お医者さんの言葉が頭をよぎる
あの時のお医者さんの顔は、もう忘れてしまって思い出せない。
若井.
若井の声で我に帰る
そういえば若井の横顔の複雑さに目を背けてから一回も若井と喋っていない。
若井と無言で歩くのはきっと同居生活以来のこと。
懐かしくもあるけど、寂しくもある。
きっと若井の同居生活のことも忘れてしまう。 あんなに楽しかったのに。
藤澤.
若井.
若井に小声で謝る。
若井にはどうやら聞こえなかったみたい。
元貴の家には鍵がかかっていなくて、中にお邪魔しますと言いながら入る。
中にはぐったりしながらもパソコンに向かう元貴の姿。
若井がソファにぽんと座る。
若井が不思議そうに見てきたので僕も隣に座った。
大森.
元貴が部屋に入ってくる。
どうやら今来ていることに気づいたみたいだ。
ヘッドホンを外して元貴がぐったりした笑顔を見せる
若井も笑顔を返した。
若井.
大森.
藤澤.
大森.
大森.
若井.
短い会話。
でもそれだけで元貴が元気になったのが伝わる。
若井はソファに座り直す。
まだ、顔は複雑なままだった。
藤澤.
若井.
若井.
そう言って若井は笑った。
絶対大丈夫じゃないやつだよね、と思いながらもそれ以上追求はしない。
若井も、僕と同じで、若井のペースがあるはずだから。
若井.
藤澤.
若井.
藤澤.
若井.
若井があからさまに話を逸らしたのは明らかだった。
若井がリモコンを押す。 今の時間帯は面白い番組はあっていない。
適当にニュースをつけて、若井はリモコンを机に置いた。
“あの単語”が聞こえてきたのは、本当に偶然だった。
こんにちは✨
1000いいねありがとうございます😭 こんな作品にたくさんいいねをつけてくれて嬉しいです✨
この作品もいいねとコメントしてくれるとめちゃくちゃ嬉しいです
次は涼ちゃんサイドです。 楽しみに待っててくれると嬉しいです👍
それではまた!