裏切ったな⁉お前なんて好きにならなければ良かった!
航
あのさ…

航
今から驚くこと言っていい?

愛菜
え?なになに!

愛菜
まぁ、簡単なことじゃ驚かな…

航
君が好き

愛菜
え…?

航
愛菜が好き

愛菜
…………

愛菜
はぁ!?

航
だから…

航
愛菜が好…

愛菜
気持ちは嬉しいですが、遠慮しておきます笑

航
好きな人がいるの?

愛菜
いや、そうじゃなくて…

愛菜
君にはもっといい人いるって!

航
愛菜みたいな人はいな…

愛菜
いる!大丈夫!

航
ってか、全然驚かんのな

愛菜
あ?驚いたにきまってるじゃん!

航
いや全然いつもどうりだから

愛菜
あのなぁー、今私の顔みてみ?

愛菜
意外と顔赤いから

航
今、ゲームのチャットでしゃべってるだけだから、見れんわ

愛菜
あぁーそうですかー

愛菜
ってか、ゲームで告んのやめろ

航
いや、だってリアルだと恥ずかしいから…

愛菜
あ、後ろ敵いるよ

航
え!?

航
うわ、やられた

愛菜
変な話して油断してるからだよ

航
…………

航
さっきの話、本気だから

愛菜
あーハイハイ、おやすみー

航
おい、ま…て

航
…………

愛菜
おーい

航
…………

愛菜
いい加減しゃべれや

愛菜
昨日のことは気にすんなって

愛菜
またやられるぞ

航
好きなんだよ、愛菜が

愛菜
はぁ…いい加減あきらめ…

航
君みたいな人はいない

愛菜
…………

航
お願い…付き合って下さい

愛菜
あのなぁー

航
好きな人いないんでしょ?

愛菜
まぁな

愛菜
いや、やっぱいるわ

航
嘘だ、じゃあ誰か教えて

愛菜
えーと…

愛菜
うーん

航
いねえじゃんか、やっぱ

愛菜
ちっ、ばれたか

航
当たり前だろ?

愛菜
まぁ、冗談はこの辺にして…

愛菜
君なら大丈夫、背も大きいし、話も面白い、ゲームだって上手く出来る、声だっていいと思う、私は嫌いじゃない、顔もそこそこ、かっこいいと思うし

愛菜
だから、きっといつか、いい彼女が…

航
だったらさ、愛菜が付き合ってよ

愛菜
はぁ?

愛菜
なぜそうなる

航
だって、俺の事嫌いじゃないでしょ?

愛菜
あー、そうとらえちゃう?

航
付き合ってよー

愛菜
なんか女みてぇなかんじすんな、女々しいぞ

航
君になに言われても、ずっと好きだよ

愛菜
っ…ちょっと黙れ

航
声だって可愛いし

愛菜
あぁー、眠いなーごめんねーおやすみー(棒)

航
あぁ、待って!

愛菜
ごめんねー

愛菜
…………

愛菜
また…明日ね

航
…………

それから、俺は、何日も告白し続けた。最初はきっぱり、断られるだけだったけど、何日かすると付き合ってあげたいんだけどね…なんて言ってくれるようになった。だけど、振り向いてくれないから、諦めようと思ったんだ。だから最後に……
航
あのさ…

愛菜
ん?どした

航
俺、遥香が好きなんだ

愛菜
へぇ…

航
もう、君はあきらめたんだ…

愛菜
そんなことより…

愛菜
もう、こくったのか!?

航
え…?

愛菜
もしかして、もうふられたとか!?

航
ちげーよ!

航
アホか!

愛菜
なーんだ、ふられてないなら良かった。

航
え?

愛菜
ワァイトだ航!

航
お…おう

愛菜
君の幸せを願ってる

航
…………

航
いま、なんて言った?

愛菜
今日の夜ご飯までな

航
はぁ!?

少しは、少しは…!
嫉妬してくれる…悲しんでくれる…そんな淡い期待をしていたのかもしれない、でも愛菜にとっては、俺はただの「友達」だったんだな…
航
愛菜…

航
所詮、友達だったんだな…

航
俺の一人よがりだったか…
