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優しい彼のキスは…

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優しい彼のキスは…

1 - 優しい彼のキスは…

♥

140

2019年08月30日

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凪流

『もしもし』

『なっちゃん…』

先輩の声が弱々しく聞こえるのは

気のせいなのかな

凪流

『どったの?』

『話したい事あって』

『外で話そっか』

凪流

『分かった』

凪流

『どこへ行っt…』

『なるちゃんの家の前』

凪流

『え、ちょっ』

洸先輩の話したい事って

なんだろう

言わなきゃ…

彼女を傷つける事になる

凪流

あ、洸先輩っ!

なっちゃん…

凪流

話って?

なっちゃんの事大好きだよ

言うんだ

傷つく前に

凪流

う、うん…

ごめん

凪流

えっ?

別れよ

凪流

な、んで…

ごめん

幸せになって欲しいから

俺といれば…

一緒にいたら君が傷つく

最後に

彼女のふわっとした唇に

優しくキスをした

顔が赤く染っていく

そんな君が愛おしい

幸せになって…

本当は別れたくなかった

でもこうするしか…

俺があと少しで

死ぬなんて君には

絶対に言えないから

こんな形でしか

愛情表現できなくて

ごめん

大好きだよ

俺に幸せな時間をくれて

ありがとう。なっちゃん

洸先輩と別れてから

ー3日後ー

洸 母

川崎 凪流さん?

凪流

はい。

洸 母

洸の母です

凪流

あの、洸先輩は?

洸 母

………。

険しい表情になっている

不味いこと聞いちゃったかな

洸 母

昨日亡くなりました

凪流

っ!!!

えっ?

洸 母

私は洸の願いを

洸 母

叶える為にここに来ました

先輩の願い…

洸 母

洸が死ぬ間際にこんな事を

洸 母

言っていました

洸 母

『俺はこんな形でしか』

洸 母

『愛情表現ができない』

洸 母

『こんな先輩でごめんな』

洸 母

この言葉を遺して

洸 母

逝きました

凪流

洸先輩は

凪流

病気だったんですか?

洸 母

その様子だとあの子は

洸 母

何も伝えていないのね

凪流

………。

洸 母

15の時に余命宣告をされた時

洸 母

あの子はどん底に落ちてた

洸 母

最近、病室で

洸 母

貴方の事しか喋らないから

洸 母

聞いているこっちが

洸 母

楽しかったわ

先輩…そんな風に

思ってくれてたんだ

洸 母

私が伝えたかったのは

洸 母

洸は貴方を嫌いじゃなかった

洸 母

寧ろ本当の事を話すと

洸 母

心配するからって

洸 母

言えなかったらしいの

私が心配性だから…

私を心配させないように

わざとあんな嘘を……

洸 母

洸は貴方の事が大好きだった

洸 母

洸がいた事を忘れないでね

凪流

あ、ありがとうございますっ!

洸 母

いいえ。こちらこそ

洸 母

あの子に大切な人が出来て

洸 母

良かった。じゃあまた。

凪流

洸先輩っ

凪流

あの日優しいキスをしたのは

凪流

別れの挨拶だったんだね

凪流

洸先輩の事は忘れない

凪流

洸先輩はいつだって

凪流

私を助けてくれるって

凪流

信じてるから

『なっちゃんの傍にいるから』

End.

変な終わり方になりましたが、

この話は完結です

この作品はいかがでしたか?

140

コメント

1

ユーザー

初コメ失礼します。 全然変な終わり方じゃありません! 誰にでも悲しい現実があるかもしれませんし、嬉しい現実が待ってるかもしれません。 彼氏さんした最後のキスは彼女さんにとってはいい思い出ですよね!

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