サキ
よし、今日もあそこに行こう!
奇跡の魔女ベルンカステルから
もらった、黄金の蝶のピンを
髪につける。
もはや、これがサキの日課となっていた。
サキ
うっ...まぶし!
ベルンカステル
あら、今日も来たのね。
目の前が、黄金に光り輝けば
いつのまにか、ティーテーブルの
前に立っている。
サキ
よっ!
サキ
ベルンカステル!
ベルンカステル
にしても、あんたよく飽きないわねどうしてかしら?
サキ
え、何が?
ベルンカステル
こんな場所に、毎日来て。
普通のニンゲンなら、3日
で飽きちゃうわ。
サキ
えっ、うそでしょ⁈
サキ
みんな、夢がないなぁ。
サキ
こんな、素敵な場所
他にないっての!
ベルンカステル
そういってくれると
うれしいわ。
サキ
にしても、ここにはベルンカステルだけなの?
そう言いながら、サキは椅子に腰掛け
紅茶を飲んだ。
確かに、こんな広い場所他にも誰かがいないと、流石に不気味だ。
ベルンカステル
いや、結構他の魔女もくるわよ。
ベルンカステル
あぁ、そうそう。
ここの名前を教えてなかったわね
サキ
え、ここに名前あるの?
ベルンカステル
あるに決まってるでしょ。
ベルンカステル
ここは「黄金郷」よ。
サキ
そのまま過ぎない⁈
ベルンカステル
私が知るわけないでしょ
ベルンカステル
サキ、今日はあなたに魔女を紹介したいと思うわ。
サキ
え、会えるの⁈
サキ
楽しみ〜!
ベルンカステル
あと、もう少しで来ると思うわ。
サキ
ねぇねぇ!今からから魔女ってどんな魔女?
サキ
ベルンカステルよりも凄いの⁈
ベルンカステル
いいや、私と同じくらいよ。
ベルンカステル
ただ、少し厄介な子よ。
サキ
厄介?
ベルンカステル
そうね、例えば...
???
だぁれが、厄介な子ですって?
ベルン〜?
サキ
⁈
サキ
だ、誰⁈
ベルンカステル
あら、随分と早かったじゃない。
私の見立てでは、あと30分かかると思ったのだけど。
ベルンカステル
私の勘も、少しは劣ったかしら。
???
そんな勘、とっとと消えちゃいなさいよ!
ベルンカステル
はいはい、ごめんなさいね。
サキ
ね、ねぇベルンカステル?
誰とは、話してるの?
ベルンカステル
あら、忘れてたわ。
ベルンカステル
そろそろ、姿を見せてあげたら?
???
そうね〜。
さぁ、こっちに来なさい!
???
集まれ!黄金の蝶よ!
サキ
っ...⁈
誰かがそういった途端、周りが黄金の光に包まれた。
そして、サキが目を開けると...。
サキ
⁈
目の前には、金髪で背は
ベルンカステルとほぼ同じ位の
子が現れた。
服はピンクのドレス?のようなもので
ベルンカステルとは、対象の可愛いい
子だった。
何故か、腰あたりに小さいハロウィンのかぼちゃ🎃が付いている。
???
自己紹介ねー!
ラムダデルタ
私は絶対の魔女
ラムダデルタよ!
ラムダデルタ
私、こう見えて宇宙一強いんだからね‼︎
サキ
え、えぇ...?
ベルンカステル
ラムダ、少しはしゃぎすぎじゃないかしら?
ラムダデルタ
だってー、ここにやってくるニンゲンなんて、ろくやつが居ないわ!
ラムダデルタ
右代宮家の物語を
もう忘れたの⁈
ラムダデルタ
私とベルンが最後、戦ってー
それで!...
ベルンカステル
ラムダ、少し黙ってなさい。
ラムダデルタ
え、何で⁈
ベルンカステル
サキ、この子はちょーパーの
ラムダデルタよ。
ベルンカステル
気軽に、「ラムダ」と呼んでもいいと思うわ。
ラムダデルタ
勝手に決めないでよ⁈
ラムダデルタ
私、ニンゲンに舐められるのが1番嫌いなのよ!
サキ
え、えぇっと..
じゃ、じゃあラム..ちゃん?
ラムダデルタ
ちょっとアンタ、今なんて言ったかしら⁈
サキ
えっ?ラムちゃんって
ラムダデルタ
ら、ラムちゃん〜⁈
ベルンカステル
ふふっ
ラムダデルタ
笑うな!そこ!
ラムダデルタ
あんた、この私大ラムダデルタ様にちゃん付けなんてしていいと思ってるの?!
ベルンカステル
ラムダ、この子には魔女の称号はまだ早いわ。
ラムダデルタ
にしてもよ!にしても!
流石にダメじゃない?
ベルンカステル
大丈夫よ。あんた、ちょーパーだからすぐに慣れるわ。
ラムダデルタ
うっ、うー...☆
ラムダデルタ
ま、まぁいいわ。
ラムダデルタ
ところでアンタ、名前は?
サキ
私はサキよ。
ラムダデルタ
サキね。オッケー覚えたわ。
ラムダデルタ
にしても、アンタどうやってここに来たの?
サキ
あ、それは...
サキがラムダデルタ
抽象「ラムちゃん」に説明している間に、この魔女について少し語ろう。
ラムダデルタは、元老院の元大魔女であり、今ではゲームマスターをしている。
簡単に言うと、ベルンカステルと
ラムダデルタは化け物を超える強さを持っており、また一つや2つの国を簡単に潰せる力、そして権力を
持っている。
ラムダデルタ
不思議なこともあるものね。
ラムダデルタ
こーーんな、なーんにもない
しょーもないとこ、ニンゲンには
飽きちゃうでしょ?
サキ
そう?
サキ
私は好きだけど?
ラムダデルタ
えー?
ラムダデルタ
あんた、だいぶ変わってるわね。
ベルンカステル
あら、ベアトも来るの?
ラムダデルタ
ベアト?私が呼んだわ!
ラムダデルタ
3人だけだったら、会話がすぐに尽きちゃいそうだし。
ベルンカステル
確かにね。
ベルンカステル
ベアトが来るまで、もう少し待ちましょうか。
サキ
ねぇ、ベアトって誰?
ベルンカステル
この黄金郷の真の主よ。
サキ
え⁈ここの所有者?
ベルンカステル
御名答
サキ
ねぇ、ベアトはどんな魔女なの?
ベルンカステル
黄金と無限の称号を持つ魔女よ。
サキ
黄金と無限?
サキ
どういうこと?
ラムダデルタ
そのまんまの意味よ。
ラムダデルタ
ベアトはね、黄金を生み出せるの
サキ
うそ⁈
ラムダデルタ
ほんとよ。
ベルンカステル
当たり前じゃない。
私達は魔女よ?
ベルンカステル
にしても、本当に遅いわね。
呼びにいこうかしら?
???
その必要はないぞぉ?
ベルンカステル卿
サキ
まーた私には見えませんよー
???
おやおや、これはすまんな。
ラムダデルタ
あら、意外とあっさり現れるのね
サキ
あれ?何か大人っぽい?
???
当然である!
妾は千年を生きる魔女だぞ!
サキ
うそ⁈千年!
ベアトリーチェ
さぁ、崇め奉れ。
妾の存在を‼︎
ラムちゃんやベルンカステルとは違い
あっさり現れたベアトリーチェ。
その姿は、実に美しくサキも見惚れてしまうほどだった。
黄金の髪をお団子のようにまとめ、
黒と金色の美しい模様が入ったドレス
そして、胸元にはピンクの大きなリボン。
非の打ち所がない、お嬢様だったが
そこには、美しさと力強さが宿っていた。
彼女が、黄金の魔女と呼ばれる理由は
ただ単に、黄金を生み出すだけではない、他の理由がサキには分かった。
ベアトリーチェ
な、なんだよ?
あんまり、ジロジロ見るなよぉ
サキ
いや、ほんとに綺麗で。
つい、見惚れちゃったわ。
ベアトリーチェ
ほんとか?
そう言ってもらえて嬉しいぞ
ベルンカステル
いつまで、立って喋ってるの?
そろそろ、始めるわよ。
ベアトリーチェ
これはこれはすまんな。
ベルンカステル卿
ベアトリーチェ
それでは始めようぞ!
魔女そしてニンゲンの茶会を!
???
ねぇ、ベアトリーチェ様
またお茶会に行ってるわ!
???
またとか言うな
失礼だろ
???
えー?ここにいないから良いジャーン。ねぇ?ルシねぇ?
???
たとえベアトリーチェ様がここにいらっしゃらなくても、言葉使いには気をつけなさい
???
ちぇー
???
ちぇー
???
あぁ妬ましい妬ましい
???
目の前で楽しそうにしているニンゲンが妬ましい!
???
こら、レヴィアタン
???
あんた、もう少し抑えることできないの⁈ばっかじゃない⁈
???
だってあのニンゲン、妬ましくて仕方ないのよ⁈なんなのあいつ⁈
???
心臓に風穴開けてやろうかしら
???
嫉妬は、悪夢しか生まない
???
うっさいわね!ベルフェゴーレ!
???
こら、お前たち!
とっとと自分の仕事をしろ!
???
マモン、アスモデウス、ベルゼブブ
エヴァ ベアトリーチェ様がお呼びだ。急げ!
???
はーい
???
はーい
???
はーい
この、やかましい子達が出てくるのは
もう少し先なりそう。
あなたは、目の前のことを真実だと信じて、疑うことすら忘れてると思うけど、ふとした瞬間、全てを疑問に返してみて。
きっと、新たな領域に入れる。
じゃあね、see you again.