誰かに肩を叩かれた
柚季
っ……!!
バレた、怖い
殴られる…!!
__でも、
???
……ねぇ、何してるの?
聞こえてきたのは、知らない声
柚季
…!
驚いて、私は顔をあげてしまった
???
如何したの?
柚季
ぁ、…え
柚季
だ、れ……?
???
僕?
???
僕は、太宰治
柚季
(太宰、治……)
太宰
君の名前は?
そう言って彼は私と目線を合わせるために屈む
柚季
………、
太宰
……名前
柚季
ぁ………
太宰
なーまーえ
柚季
私、は……
柚季
胡桃、柚季……
太宰
そう、柚季ね
太宰
こんな所で何してるの?
柚季
っ………、
言えるわけない、
逃げてきたなんて
戻されるかもしれない
そうしたら今までの水の泡
太宰
……
太宰
ま、いいや
柚季
…
太宰
…あ、そうだ
柚季
……、?
太宰
柚季、僕に着いてきて
柚季
え……、?
太宰
その様子じゃ何処か行くところもないんでしょ?
柚季
ぅ、……
太宰
それなら、僕の所に来なよ
柚季
で、…でも
太宰
ね?
柚季
………
私は、頷いてしまった
そうすれば、何かが変わるかもしれないと思ったから
そんな淡い期待を抱いて
太宰
それじゃあ、決まり
そう言って彼は私の手を取る
とても、温かかった。
これから、私は
如何なるのだろう