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キラー･クラウン

第2話 - 第2話/未解決失踪事件

462

2025年08月30日

#冬彰

あかまる🍓🐾໊

彰人

あ〜、この道懐かし〜

彰人

冬弥、覚えてる？この道で一緒に帰ってたの。

冬弥

当たり前だろう。忘れるわけない。

冬弥

彰人が話すのに夢中になって、あの電柱に正面からぶつかったのだって覚えてる。

彰人

は？！それ小学生の話だろ！忘れろ！

彰人

オレだって、ここでお前が虫にビビって派手に転んだの覚えてるし！

冬弥

あの時爆笑されたのも忘れてないからな

彰人

ごめんって

通行人

お母さん、あの人一人で喋ってるよ〜

通行人

しーっ。気にしちゃダメよ。

冬弥

…お前のせいで不審者扱いだ。

彰人

ま、お前にしか見えて無いからな。

彰人

あっ、ここ曲がったらオレの家か。

彰人

おっ、まだある。母さんたち住んでんのか？

冬弥

あぁ、住んでいるはずだ。

冬弥

彰人が帰ってくるまで、絶対に引っ越さないと言っていた。

彰人

へぇ、なんか申し訳ないな。

ガチャッ

彰人の母

あら……もしかして、冬弥くん？

冬弥

！

冬弥

あ…はい。お久しぶりです。

彰人の母

やっぱり！変わってないわねぇ！

彰人の母

あぁ、でも背は伸びたかしら？ふふ、久しぶり。

彰人の母

良かったら、上がっていく？冬弥くんがいたら、あの子も帰ってくるかも。

冬弥

あ……

彰人

母さん老けたな〜

彰人

なんて、聞こえてたらぶっ飛ばされそうだけど。

冬弥

(……本当に、見えないのか。)

冬弥

(ここに…いるのに、)

彰人の母

あぁ、丁度クッキーもあったんだった！

彰人の母

コーヒーも淹れるわ。さぁ、どうぞ。

冬弥

あ、えっと、

彰人

いいじゃん、上がってけよ。

冬弥

…じゃあ、お邪魔します。

冬弥

(あの時から、全く変わってない…)

彰人

おっ、懐かし〜！

彰人

あ、この写真絵名か？へぇー、成人式ねぇ

彰人

そういや、成人式までに髪伸ばすとか言ってたっけか。

彰人

絵名はフツーだけど、振袖は綺麗じゃん

冬弥

…

彰人の母

冬弥くんは、お砂糖要らなかったわよね？

冬弥

えぇ、ブラックでお願いします。

彰人の母

はい、どうぞ。

彰人

うぇー、ブラックとか苦くて飲めねーわ。

彰人

やっぱお前とは味覚合わねーな〜

彰人の母

このクッキーも貰い物だから、遠慮なく食べてね。

冬弥

はい、ありがとうございます。

彰人

えーと…あれ、親父も今日いねぇじゃん。

冬弥

…今日は、お母さんお1人ですか？

彰人の母

えぇ。絵名は家を出て一人暮らしだし、お父さんは…

彰人の母

今日も、お散歩に行ったわ。

彰人

えぇ、あの引きこもりが散歩？

彰人の母

もう10年、ずっとよ。この街をくまなく散歩しに行くの。

彰人の母

それまで自分から外に出ることって無かったのにねぇ。

冬弥

そう…ですか、

冬弥

(この人に、今彰人は見えていないが…)

冬弥

(信じてもらえなくてもいい、罵られてもいいから…彰人がここにいると、言うべきなのだろうか、)

冬弥

……あの、彰人は

彰人

しーっ

冬弥

！

彰人

言わないで。

冬弥

…

彰人の母

？

冬弥

……いえ、何でもありません。

彰人の母

そう？

彰人の母

ふふっ。でも、冬弥くんと話していると、彰人もここにいる気がしてくるわ。

彰人の母

本当に、いつも2人だったものね。彰人も、冬弥くんの話ばっかりだったの。

冬弥

…そうなんですか。

彰人の母

えぇ。昔からずっと、彰人は冬弥くんのことが大好きでね。

彰人

ちょ、母さん？そういうの言わなくていいんだけど！

彰人の母

彰人ってば素直じゃないから、自分からは言ってないでしょうけど、

彰人の母

1番大事なお友達だったのよ。

彰人の母

あの子と仲良くしてくれて、ありがとうね。

冬弥

…こちらこそ、

冬弥

こんな俺とも仲良くしてくれて…本当に、感謝しています。

彰人

あー、その言い方嫌い。「こんな」ってなんだよ。

彰人の母

あの子ってば自由奔放だから、ずっと帰ってこないままだけど、

彰人の母

帰ってきたら、また、仲良くしてあげてね。

冬弥

……はい、もちろん。

冬弥

(……しんどい、)

彰人

いやー、変わってなかったな。

冬弥

…なぜ、

冬弥

どうして俺にしか見えないんだ？

冬弥

どうして…

彰人

さぁ？知らね。

彰人

でも、お前にしかオレは見えない。

彰人

だから、お前しかオレのことを見付けられない。

冬弥

…

これは罰なのだろうか。

素直になれず、卑屈になって彰人のことを一瞬でも憎んでしまった俺への、罰なのか。

冬弥

(本当に、大嫌いだ。)

冬弥

(俺は本当に最低な人間だ。大嫌い、俺が死ねば良かったのに。)

冬弥

(彰人の代わりになれるのなら、何だって…)

彰人

冬弥。

彰人

あの時と同じことするんだろ？やってみるから、着いてこいよ。

冬弥

…あぁ、

彰人

あ、ここで連絡来たんだよ。

彰人

友達が「熱出た」って、ここで知ったんだ。

冬弥

そうか。その後は？

彰人

ショッピングモールに行こうとして、そこを曲がった。

冬弥

分かった、行ってみよう。

冬弥

で、ここからの記憶が無いんだったか？

彰人

そうそう。何か見付けたんだけど…

彰人

……

冬弥

…ダメそうか？

彰人

うぅん……あと少し…

キャッキャッキャッ

小学生

今日ぜんいん俺ん家集合な！

小学生

ゲームもってく！

小学生

鬼ごっこもしようよ！

冬弥

(小学生か…ああいう会話とは無縁だったな。)

彰人

あっ、思い出した。

冬弥

！

彰人

ピエロがいたんだ。

冬弥

……ピエロ？

彰人

そう。小学生と、ピエロ。

冬弥

もう少し詳しく頼む。

彰人

ここを歩いてる時、そこの路地で、ピエロが小学生に手招きしてた。

彰人

それがすげぇ不気味で、嫌な予感がしたから、

彰人

話しかけたんだ。

冬弥

(そこで無視や逃げたりしない所が、相変わらず…)

彰人

そしたらピエロが…そう、チラシみたいなのを渡してきた。

彰人

「今からそこで、サーカスをする。子供なら誰でも歓迎するから、ぜひ観においで。」

彰人

……的なこと言われたはず。

冬弥

この辺りにサーカス…？

彰人

そう、変だろ？だから、ただの不審者だと思って、小学生を連れて逃げようとした。

彰人

そうしたら…

彰人

………なんだっけ、

彰人

覚えてねぇけど…なんか、気付いたら目の前にでかいテントがあって、

彰人

そこに子供がいっぱいいて、中学生はオレだけだった。

彰人

けど、ほとんど小学生だったはず。

彰人

それで、ピエロが案内するまま…ショーを観た気がする。

冬弥

……

冬弥

とにかく……サーカスを探せばいいんだな。

彰人

多分。

冬弥

一旦、路地に行ってみよう。

冬弥

……何も無い、ただの路地だな。

冬弥

向こう側にも、どこにもサーカスなんてあるはず無いが…

彰人

うーん、でもたしかに行ったんだよな…

冬弥

…

冬弥

そのピエロは、人間だったのか？

彰人

さぁ……人型だったけど…

彰人

分かんない。

冬弥

そうか…

冬弥

「子供なら誰でも歓迎する」…だったか。

冬弥

もしそれに遭遇できる条件が「子供」ならば、俺が見つけ出すことは不可能かもしれない。

彰人

うーん…

彰人

ランドセル背負ってみるとか？

冬弥

は？

冬弥

それは普通に通報されるだろう。

冬弥

お縄はごめんだ。

彰人

たしかに、お前が捕まったら困るな。

冬弥

……そういえば、

冬弥

お前と一緒にいたという、小学生は？

彰人

？

冬弥

その子たちも…行方不明なのか？

彰人

オレは分かんねぇけど…

冬弥

…ちょっと、確かめに行こう。

彰人

えぇ？どうやって？

冬弥

図書館なら、昔の事件とかの資料もあるはずだから。

図書館

冬弥

(10年前……10年前……)

冬弥

…

冬弥

！

彰人

なんかあった？

冬弥

この、小学生大量失踪事件…

冬弥

…彰人が行方不明になった日と同じだ。

彰人

へぇ、マジか。

冬弥

行方不明になったのは小学生だけ……

冬弥

だから、彰人の失踪とは関連付けられなかったのか…？

冬弥

いや、でも同日なら普通におかしいだろう…警察は一体何をしていたんだ…

彰人

まぁまぁ。そういうのはどうでもいいじゃん。

冬弥

どうでもって……

彰人

それより、その事件詳しく読んでみようぜ。

冬弥

…あぁ。

冬弥

「2〇〇〇年、7月25日。下校中だった市内の小学生、計57名が突然行方不明となった。」

冬弥

「近隣の防犯カメラには小学生が突然消える姿が記録されており、目撃者も数人いたが、どれも小学生以外に、不審な人物等は見受けられなかったと証言している。」

冬弥

「7年経った現在も犯人どころか手がかりの1つすら掴めず、歴代稀に見る未解決大量失踪事件と処理されている。」

彰人

136人って、すげぇ数だな。

冬弥

あぁ、大事件だ。

冬弥

それなのに……テレビでも、ほとんど放送されていた記憶が無い…

冬弥

(彰人の失踪がショックだったからか、同日にそんな事件があったことすら知らなかった。)

彰人

あれ、その資料まだ続いてるぞ。

冬弥

？

冬弥

……本当だ。これは……全く違う県の事件か、

冬弥

「実は似たような事件が、2年前の〇県‪✕‬市でも起こっている。」

冬弥

「その時も下校中の小学生が突然行方不明になり、計167名が現在も失踪中である。」

冬弥

「類似した事件は他の県でも起こっており、日本だけでなく、世界各国でも度々起こっている。」

冬弥

「その規模の大きさと足取りが全く掴めないことから、神隠しや、人ならざる力による事件ではないかとも囁かれている。」

彰人

へぇ、日本だけじゃなく…

彰人

めちゃくちゃ大事件じゃね？

冬弥

あぁ、大事件だ。

冬弥

この資料にはどこにも、ピエロやサーカスに関する記載は無いが…

冬弥

もし…彰人が会ったというピエロが、人ならざる者だったとしたら、

冬弥

……非現実的過ぎる、

彰人

でも、そう考える方が自然じゃね？

彰人

人間がそんな大規模で頻繁に、失踪事件起こす方が非現実的な気もするけど。

冬弥

それもそうだが……

冬弥

だとしたら…彰人は、何に殺されたんだ…？

彰人

そこはまだ思い出せねぇな〜

冬弥

…

冬弥

もう一度、さっきの道に戻ってみよう。

冬弥

無意味かもしれないが…

冬弥

何としてでも、彰人は俺が見付ける。

彰人

冬弥カッケー

冬弥

茶化すな。

彰人

悪い

彰人

ありがとな。

冬弥

礼は見付けてから聞こう。

冬弥

……やはり、何も無いか、

冬弥

(もし遭遇できる条件が小学生なら、俺には…)

冬弥

(いいや、それでも…何としてでも、見付けなければ。)

キャッキャッキャッ

冬弥

(小学生……この時間は下校時刻か？)

彰人

…冬弥、あそこ。

冬弥

？

彰人

見えないか？手みたいなの出てるだろ？

冬弥

……

冬弥

見えない、

彰人

そうか…

冬弥

(だが…小学生も、その手とやらに気付いてるのか？)

彰人

あっ

冬弥

？

冬弥

(あっ、小学生が1人列から外れて…)

彰人

あれだ。ああいう感じの小学生を見かけて、追いかけたんだ。

冬弥

…あの小学生を追いかければいいんだな。

冬弥

(手とやらは見えないが…小学生なら見える。)

冬弥

(見失わない内に、)

キラー･クラウン

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見るの遅れました続き楽しみに待ってます☺️

めちゃくちゃ面白い…！続き気になりすぎてやばいです😉続き楽しみに待ってます！！

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あかまる🍓🐾໊

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