こころクリーニング

黒板には 一枚の写真が 張り出されていた

その写真は私が裸になり 男性と性行為をしている 写真だった

しかし私はバージンであり そんな写真を撮った記憶はない

いわゆる アイコラというヤツ だったのだろう

暮内さんの協力のもと 私はこころ部屋の 感情を次々に 処分して行った

「苦しい」「悲しい」「切ない」

様々な感覚を処分した

そして最後に残った感情は

こころ部屋の中にある 負の感情の中で

1番大きな感情だった

その時の私は 担任の教師に いじめに関する事で

職員室に呼び出されていた

普通じゃない

それを私は いけない事だと思っていた

奇抜なデザインの ファッションが好きな事

人より声が高い事

すべて いけない事だと思っていた

でもそれは違うんだ

暮内さんが教えてくれたように

他人の価値観ばかり気にして 自分を殺しちゃ駄目！

だって一度きりの人生なんだもん

自分が好きなように生きればいい

誰かのために生きてるわけじゃ無い

一度は捨てたこの命

もう絶対に捨てない

自由に生きる

それからわたしは 学校へ通い始めた

相変わらず クラスメイトの 冷たい視線はわからなかった

でも私は屈しない

だって 普通じゃないなんて

あいつらが 勝手に言ってる事なんだもん

これが私の普通

でもそうやって生きていたら

いずれ私の「普通じゃない」が 「普通」にわかる日が来るのかな？

こう思えたのも 私を信じてくれたお母さん

そして こころクリーニングをしてくれた 暮内亜紋さん

ふたりのおかげ

みんなありがとう

END