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放課後、帰りの支度をしていた時
風林 燐音(かざばやし りんね)
窓の外に、また”あの子”の姿が見えた
隣には......また町田くんが立っていた
風林 燐音(かざばやし りんね)
呟いてしまった声に、夢が気づいた
鈴木 夢(すずき ゆめ)
風林 燐音(かざばやし りんね)
一瞬迷ったけど、私は頷いた
風林 燐音(かざばやし りんね)
校門の少し手前
植え込みの陰に隠れるように立って、私は2人を見た
2人が近い距離で話している声が聞こえてきた
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
町田 琉依(まちだ るい)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
その女の子は少し眉を寄せてから、ふっと笑った
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
”お前らしい”
そんな言葉、町田くんが今まで誰かに言うのを聞いた事がなかった
風林 燐音(かざばやし りんね)
知らない関係、知らないやり取り、知らない町田くんの声
全部、初めてで
なのに胸の中に、ヒビが入るみたいに響いてくる
鈴木 夢(すずき ゆめ)
夢がそっと手を引いた
私は頷けなかった。足が動かない
でも、その時...
風林 燐音(かざばやし りんね)
女の子が、ふとこっちを見た
私の存在に気づいて、一瞬だけ表情を変えた
私はやっとの思いで踵を返した
風林 燐音(かざばやし りんね)
鈴木 夢(すずき ゆめ)
鈴木 夢(すずき ゆめ)
風林 燐音(かざばやし りんね)
鈴木 夢(すずき ゆめ)
風林 燐音(かざばやし りんね)
私は答えられなかった
その夜。部屋でぼんやりしていると、机の上のオルゴールが目に入った
風林 燐音(かざばやし りんね)
ふと、昔の記憶が蘇る
__幼なじみの男の子
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
って、手渡された小さな箱
あの時、あの子が世界の全てだった
風林 燐音(かざばやし りんね)
オルゴールはまだ直ってない
だけど心のどこかで、私はもう『次の音』を探している気がした
水曜日の放課後
私は1人、靴紐を結び直していた
夢は今日、委員会で遅くなるから一緒に帰れないんだ
早く帰ろうと思って、立ち上がったその時
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
振り向くと、そこに立っていたのは_あの女の子だった
長い黒髪。背筋の通った姿勢。落ち着いた声
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
言葉が出なかった
でも、その子の目があまりにも真っ直ぐで、私は頷いていた
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
自然に踏み込んでくるその声に、少しだけ緊張が走った
風林 燐音(かざばやし りんね)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
女の子はふっと微笑んだ
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
一瞬、鼓動が跳ねた
風林 燐音(かざばやし りんね)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
まるで、何かを確かめるような声だった
私は小さく息を呑んだ
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
そう言って、その子はふわっと笑った
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
風林 燐音(かざばやし りんね)
思わず口から出ていた
その子は振り返って、柔らかく言った
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
平山 雪香(ひらやま ゆきか)
そして雪香という女の子は、髪をなびかせながら去って行った
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田くんの過去。女の子に期待するのをやめた事
風林 燐音(かざばやし りんね)
でも、その人の隣に立ちたいと思うなら...
知っていかなきゃいけないのかもしれない
そう、少しだけ思った
コメント
2件
うわもう大好きですっ、