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『女の子に期待するのをやめた』
雪香さんのあの言葉が、頭の奥に残っていた
何をしていても、ふとした瞬間に蘇ってくる
私が知らなかった、町田くんの”過去”
知ってしまったら何故か、胸の奥がきゅっと締めつけられる
昼休み。私は教室を抜けて、人気の少ない中庭のベンチに座っていた
ここは特別な用がない限り、ほとんど誰も通らない
風林 燐音(かざばやし りんね)
無意識にため息が出る
胸の中がずっとモヤモヤしてる。雪香さんのこと。町田くんのこと
足元の落ち葉をつついていた時_
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
風林 燐音(かざばやし りんね)
振り返ると、町田くんが立っていた
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田 琉依(まちだ るい)
私は苦笑した
何だか、変な感じ。教室よりも、少しだけ距離が近く感じる
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
私は心がチクリと痛むのを感じた
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田 琉依(まちだ るい)
私は躊躇いながら続けた
風林 燐音(かざばやし りんね)
町田 琉依(まちだ るい)
町田くんの目が少し揺れた
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
嘘だ。でも言わなかった
町田くんは小さく言った
町田 琉依(まちだ るい)
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
その言葉に、私の中で何かがはじけた
風林 燐音(かざばやし りんね)
一瞬、空気が止まった
自分で言って、自分で驚いた。顔が熱くなる
町田くんは目を逸らして、少しだけ息を吐いた
町田 琉依(まちだ るい)
そう言って、町田くんがふと呟いた
町田 琉依(まちだ るい)
風林 燐音(かざばやし りんね)
私はその言葉を、心の奥に刻みつけるように聞いた
「気づいたら目に入る」
私が町田くんに思っていた事と、全く同じ
町田くんは何も言わずに、どこかへ歩いて行った
鈴木 夢(すずき ゆめ)
次の日の放課後、昇降口で夢と話していた
鈴木 夢(すずき ゆめ)
風林 燐音(かざばやし りんね)
鈴木 夢(すずき ゆめ)
鈴木 夢(すずき ゆめ)
私は小さく首を横に振った
風林 燐音(かざばやし りんね)
私はぽつりと呟いた
風林 燐音(かざばやし りんね)
自分の口から出たその言葉に、胸がじんわり熱くなった
鈴木 夢(すずき ゆめ)
風林 燐音(かざばやし りんね)
鈴木 夢(すずき ゆめ)
鈴木 夢(すずき ゆめ)
風林 燐音(かざばやし りんね)
風林 燐音(かざばやし りんね)
風林 燐音(かざばやし りんね)
鈴木 夢(すずき ゆめ)
鈴木 夢(すずき ゆめ)
風林 燐音(かざばやし りんね)
私は首を横に振れなかった
風林 燐音(かざばやし りんね)
風林 燐音(かざばやし りんね)
夢はしばらく黙ってから言った
鈴木 夢(すずき ゆめ)
風林 燐音(かざばやし りんね)
__多分、その通りだ
その夜、私は棚の奥から小さな箱を取り出した
くすんだ金属の蓋、少しだけ欠けた角
オルゴール
_あの時、あの子がくれた物
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
溝口 蓮翔(みぞぐち れんと)
あの頃の私は、幼なじみの男の子の事が大好きだった
手を繋いで帰った放課後も、夏祭りで一緒に見た花火も、全部、大事な記憶
でも、今こうして箱を見つめていると、その時の高鳴りよりも......
町田くんが、ずっと心に残ってる
風林 燐音(かざばやし りんね)
静かに蓋を閉じた
きっと私は、今__誰かの目に、ちゃんと映りたくなってる