悪魔執事と？主

帰ってきました★

食堂

コツコツコツ

ﾊﾞﾀﾝｯ

自室(と)

(思ってくださいね！)

ウーウーウー

エスポワール

俺たちが着いた時には､もうひどい有様だった。

よかった､､､街の人は避難したみたいだ､､､。

ｻﾞｼｭｯ

図書室？司書室？なんだったけ？

ごめんなさい､､､本がたくさんあるところです､､､。

フェネスは、以前の天使狩りで怪我をした為、お留守番です。

フェネスの目線の先には、

ひとつだけ飛び出している､黒く装飾された本があった。

ｽｯ

ﾍﾟﾗｯ

私はエスポワールに住む住民だ。

私はただ、あの子たちのことを皆んなに知ってもらいたいと思い、

この日記を書いた。どうか読んで欲しい。

ここには、まだ10代という若さで天使に立ち向かっている子たちがいる。

楓和、皆のお兄ちゃん的存在だ。

雹夜、真面目で素直なやつだ。

白露、活発なやつでいつも笑顔だ。

そして竜馬、

あいつは人見知りでよく喋らないやつだ。けど、

思いやりのある子で、心を開いてくれればたくさん喋ってくれる子だ。

5月8日

今日も相変わらず天使がきて、楓和と白露が助けてくれた。

今日は晴れだったから、その後皆で畑を耕した。

楓和、白露、ありがとう。

5月13日

今日は珍しく天使が来なかった。

だから、この日は楽しく家で過ごすことにした。

午後から竜馬と雹夜が訪ねてきて、

子供たちと一緒に遊んでくれてた。

竜馬、雹夜、ありがとう。

5月19日

今日は竜馬と楓和が天使狩りに行った。

竜馬は悪夢を見るのが嫌らしく、楓和に泣きながらすがりついていた。

苦しいことをさせてごめんね。

いつもありがとう。

5月24日

今日は楓和が、フルーツサンドを作って持ってきてくれた。

子供たちは大はしゃぎだ。

楓和は皆の笑顔が見れて嬉しいと言った。

皆の笑顔を守ってくれて、ありがとう。

ﾍﾟﾗｯ

5月29日

今日は雨が降っていた。梅雨が近づいたからだろうか。

そんななかでも、白露と雹夜が天使から守ってくれた。

びしょ濡れになってまで、ありがとう。

6月4日

今日は酷く雨が降っていた。

今日4人で天使狩りに行っていた。

そして帰ってくる際、行きは居たのに楓和の姿が見えなかった。

どういうことか竜馬に聞いてみると、凄く我慢出来なくなった顔をして、

私の胸の中で激しく泣いてしまった。

それだけで、察してしまったような気がする。

後日、改めて訊くとしよう。

6月10日

竜馬はやっと心情が、少しだが落ち着いたらしく、私にあの日のことを教えてくれた。

楓和は竜馬を庇って天使に消されたと言った。

僕のせいだと言った。

それは違う気がする。

楓和は竜馬に生きて欲しくて、やった行動だろう。

竜馬、生きててくれて、ありがとう。

6月16日

今日は竜馬が、これで最後になるから。と言って、

私に自分の過去のことを話してくれた。

竜馬の産まれは人間ではなく、天使だったと、初めて知った。

それでも憎い気はしなかった。だから、泣きそうになった竜馬をとにかく慰めた。

もっと話してくれる？と言ったら、素直に話してくれた。

竜馬は天使の産まれで、小さい頃は女神様という天使と過ごしていたらしい。

それから竜馬は人々を消す天使に嫌気が差し、地上に降りたそうだ。

そこで人に拾われ、虐待された。

孤児院に送られ、強制的に悪魔執事になったと言った。

それだけ言うと、竜馬は帰ろうとした。

さよならと言って。

どういうこと？と聞くと、

楓和が竜馬を庇って亡くなってしまったことに怒った白露は、僕に怒り狂う。

雹夜は、それをみて、悲しんでいる。止めてくれる。

他の執事たちもどうして、という顔をして、僕たちを見る。

もうチームワークが崩れてしまったと、竜馬は言った。

だからもうさよならと言った。

私と子供たちを残して、竜馬、雹夜、白露はどこかへ消えてしまった。

また会えたなら、ごめんと言いたい。

4人とも、ごめんね。ありがとう。

ごめん。