翌日、目が覚めたのは午前4:00
二度寝しようとも思ったが、中々寝付けず、諦めて起きることにした
体を起こすと、机の上に雑に置かれたカッターが目に入る
きっと、今なら邪魔も入らない
カッターを引っ掴み、躊躇なくカッターを引く
紅い液体が床に滴り落ちて染みを作る
sha
…痛く...ない、ね
そうぽつりと呟くと、不思議とすんなり納得できた
ただ床に滴り落ちるだけの〝紅〟がやけに綺麗に見えて、こんな俺からでも綺麗な物が流れてるんだな、と自虐的とも思わず笑った
もう一回、もう一回だけと繰り返せばいつしか床は真っ赤に染まっていて、腕も「ちょっと切っちゃった」じゃ済まないほどの傷がついていた
sha
( '-' )スゥーッ↑
sha
やべ...やり過ぎた
「包帯、包帯」と棚の奥から包帯を引っ張り出す
元は真っ白だったのだろう包帯はもう随分と色褪せている
洗ったと思われる形跡が何ヶ所もついているのに、赤い物が付着したと思われる跡が幾つも残っていた
sha
...ご飯食べに行くかぁ
応急処置も終わり、一階に降りると母がやけ酒したと思われる酒瓶がいくつも転がっている
sha
母さん酒弱いのに…
溜息をつきながら酒瓶をゴミ袋へ投げ入れる
ガコンと瓶が床にぶつかる音がして、ゴミ袋の中に入ったことが確認できた
sha
ふぅ...
sha
あ、もう行かなきゃ
時計を見てバッグを掴み、玄関で小さく呟く
sha
いってきます
返事が返ってこないのは、もう慣れてしまったけど