まぁ、といっても他の委員会って、もっとめんどくさそうだから、ここに入った。
委員長
今月の新聞は、近所の心霊スポットの調査です!

委員長
3つ用意したので、好きな所を選んでください。

…嫌だなぁ、めんどくさい…
この歳になって幽霊信じるって…ガキくさ。
心
あれ?理沙さん、書いてませんけど…

理沙
あぁ、私は余ったとこでいいです。どこも興味ないし。

心
(理沙さんって、何にも興味がないのかな…。嫌な感じ。)

羽菜
えっと、心ちゃんと理沙ちゃんだよね。私、羽菜って言うの。よろしくね。

心
はい、よろしくお願いします。

理沙
…よろしく

心
さて、私たちがやるトンネルですが、
「女の悲鳴が聞こえる」
「中に入ってみるとトンネルの内側に血のような色の手形が何個もあった」
などの噂があるようです。

心
ちなみに、ここには戦争で死んだ人たちの霊が住み着いて、悪さをしているらしいですよ。

羽菜
うわぁ~…怖いね…

理沙
はい?こんなの信じてるの?ガキくさいじゃん

羽菜
……

心
……

羽菜
ま、まぁ、確認しなきゃ分からないよ!

心
うーん…でも私、心霊スポットには詳しい方ですけど、こんな近くのトンネルの噂なんか聞いたことありませんよ?

心
けど、自分で心霊スポットを見つけて広めるのもおもしろそうです!

羽菜
だよね!
じゃあ理沙ちゃん、心ちゃん、今度の土曜日に、トンネル前に集合して、調査しよ!

心
はい!

理沙
えぇ~…分かったよ

心
ここが調査するトンネルですか…

羽菜
早速入ってみよ!

中は暗く、懐中電灯をつけてないと、見えないほどだった。
心
暗いですね…

羽菜
すごい雰囲気があるね…

理沙
(はぁ…なんでこんなガキみたいな調査を…)

羽菜
あっ!カメラ、入り口にあるリュックに忘れちゃった!

羽菜
ごめん、すぐ取ってくるね!

理沙
(へぇ、そんなことあるんだ。いつも偉そうに仕切ってるから意外)

理沙
(…あっ、そうだ…)

理沙
外に出るときには誰か居なくなってるかもね…

心
理沙さん?

理沙
無数の手が足首を掴んで

心
え?

理沙
トンネルに引きずりこまれる…

心
やめてください!

理沙
なっ、なによ…。雰囲気を明るくしてあげただけよ

心
言葉には「言魂」というものがあって、何気無い一言でも、大事になる可能性があるんですよ!

理沙
は?そんなん知らないわよ

心
…っ!もういいです!私、羽菜さんの方に行きます!

理沙
え?…行っちゃった。

理沙
仕方ない、待つか…

理沙
二人とも、遅すぎ…。もういいや、出よう。

心
あの、羽菜さん。
やっぱり、ここの噂、聞いたことがないので、委員長に電話してくれませんか?

羽菜
うん、分かった。

委員長
あぁ、あのトンネル?ごめんね、ネタが足りなくて、僕が考えた嘘なんだ。

羽菜
そうなんですか?

心
どうりで聞いたことがないわけです…

委員長
あはは、ごめんごめん。調査はもう終わらせていいよ。

心
分かりました。

羽菜
…それにしても、理沙ちゃんどこ?

心
さぁ、分かりません。先に帰ったんじゃないですか?

羽菜
そっか。じゃあ私たちも帰ろう。

心
はい!

理沙
はぁ、やっと戻ってきた。

理沙
痛っ!

理沙
な、なにこの壁…来るときなかったよね?

理沙
え?

理沙
なっ…なに!?

理沙
なんなのっ!?

理沙
ひっ…

理沙
(たくさんの…手が…私の…足首に…!)

理沙
嫌だ、嫌だ、助けて!

理沙
ねぇ!なんで聞こえないの!

理沙
羽菜!心!

理沙
きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!
