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砂月
砂月は優しく呟いたのは誰にも聞こえなかっただろう。
あるいは、無様な姿を他人に見られたなんてことは耐え難い屈辱だろうから、
私たちに気づかないフリをすることで、誰にも見られていないことにしたかったのかもしれない。
「返り討ち」にされたに等しい立川から、返り討ちにした張本人砂月の姿は、
私たちはそーっと視線をスライドさせる。
腰に手をそえて悠々と立つ砂月の姿は、
一対一の決闘に勝利したサムライを思わせた。
砂月
せいせいした表情で言い放つ砂月に、私はおずおずとつぶやく。
エミ
砂月
砂月
砂月
砂月
砂月が言い終えた直後、予鈴がなった。
砂月
エミ
瑞穂
と何事もなかったように率先して校舎に入っていく砂月を私たちは追いかける。
砂月のこういうストレートなところが、時に敵を作ってしまう
原因になるんだろうということは、私も瑞穂もわかっている。
それでも…
砂月の一言で救われる、瑞穂のような子がいるのも事実だ。
砂月はのこういう一面が、多くの人に好かれる魅力になっていることは、間違えない。
___________私だって、そのうちひとりだしね。
そう思いながら、私は砂月のあとを追って、階段を下がってゆくのだった。
作者
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