声を聴かせて

あれから1週間

いつの間にか時は過ぎ去り

イベントの当日を迎えていた

都内某所

イベントホールの一角の控え室で

私はメイクをし終えた

控え室に着いている

テレビには会場の様子が映し出されている

私はスマホに視線を落とし

聖臣くんとのLINEを見た

聖臣くん

いつも通り端的な会話を終え

私はスマホをポケットに入れた

廊下の方を見ると

乃亜ちゃんがホール責任者に話しかけていた

やっぱり...可愛い

私は水を1口のみ

椅子から立ち上がった

ひっそりと会場を覗くと

たくさんのファンがいた

私やらぁらちゃん春馬君のうちわを持っている

そう言って春馬くんが指を指した先に

スタッフパスを首から下げた聖臣くんが

ふらっと会場に入ってきた

聖臣くんがフラフラしていると

成木マネージャーが声をかけた

心配なさそうかな...

会場の中でも

聖臣くんの存在に気がつく人がちらほら

その時

聖臣くんの横に

ふらっと女の子が近づいた

それは

乃亜ちゃんだった

会場に入ると

何人かがこっちを向いた

どこ行けばいいんだ、これ

一人の女の人が

俺に近づいてきた

そう言って案内をされた

軽く会話を済ませると

ステージの端で

○○がこっちを見ていた

手を振ろうか迷っていると

一人の人が前に立っていた

そう言ってはにかんだ

なんだコイツ...誰だよ

俺の無表情を無視するかのように

乃亜って人は話し始めた

手を前でぽんと叩き

納得した表情を見せた

そう言って俺に笑顔を向けた

その返事に乃亜はくすりと笑った

...めんどくさ

深い溜息をつき

席に少し深く座った

一方その頃

ステージ上の○○と言うと

春馬くんも少し目を開いて

驚いていた

なんで乃亜ちゃんが聖臣くんと話してたの

会話は聞こえなかったけど

乃亜ちゃんわらってたし...

そしてステージが明るくなり

私たちはイベントをスタートした

トークもゲームも何もかも

楽しいはずなのに

さっきのことが気になって...仕方ない

時々聖臣くんの方に視線をやると

少しだけ笑ってくれる

私は胸を撫で下ろし

イベントに集中した

イベントが終わり

私は聖臣くんの家に直行した

いつもとは違う私の雰囲気を察し

聖臣くんは顔を覗いた

私はカバンを置き

ペットボトルの水を飲んだ

聖臣くんは少しだけ笑い

私に軽く言った

まぁ...そうだよね

いや

わかってるんだけど

乃亜ちゃんは何？

私の顔を真っ直ぐ見て

聖臣くんはそう言った

確かにと納得をし

私はスマホに視線をおとした

今日のイベントの写真が上がっている

何個か見ていると

ニヤつきながら言うと軽くデコピンをしてきた

ケーキを食べていると

と聞いてきた

あ...そういえば

見たいとか何とか言った気がする

私たちはいつものような会話を済ませ

その日は解散をした

そして次の日

撮影を終え

私は安定に編集に追われていた

そんなひとり事をブツブツ言いながら

携帯の通知を見た

そう思った瞬間

目を疑うニュースが入ってきた

佐久早選手 二股疑惑！？

といった見出しだった

私の頭は真っ白になった

恐る恐るタップすると

有名YouTuber乃亜 佐久早選手の応援！？

2人のアイコンタクトはまるで恋人！

記事を読み進めると

乃亜ちゃんは変装を一切せず

聖臣くんに差し入れをしに行ったり

手を振ったりしていた

アホらしい

と思いながらも

私のスクロールは止まらない

トレンドにも既に2人の名前が入っていた

心ではそんなことは無いと思っていても

DMで心配のメッセージが寄せられる度

私の不安は押し寄せる

とまちゃん大丈夫！？

佐久早選手そんな感じには見えなかった...残念

いや浮気早すぎー笑

私はSNSの通知をオフにし

パソコンを閉じた

成木マネージャーや

春馬くんからのメッセージを無視し

その場に座り込んだ

信じているはずなのに

胸が

締め付けられた

会場に入った瞬間

いつもとは違う雰囲気を感じた

メンバーも少し周りをキョロキョロしていた

宮の指す方向をみると

昨日の乃亜って人だった

なんとなく不快だったが

わざわざ反応するのもめんどくさく

俺は無視したまま

アップを始めた

疲れた...

そう思い水を飲むと

と声をかけてきた

少し悲しそうに

下を向いた

そう言って

俺に袋を差し出した

それだけ言い捨て

俺はその場を立ち去った

試合が終わり

選手控え質に戻って水を飲んでいると

スマホを開くと

○○の写真が目に映る

...早く帰りたい

そう思った瞬間

宮が悲鳴を上げた

すると宮が見せてきたのは

俺とさっきの人の

ツーショットだった

その見出しには

俺の二股疑惑が書いてあった

あの記事を見てから30分

私はぼーっとしたまま座っていた

その時

ドタバタと玄関から音がした

私は我慢していた涙が溢れてしまった

私がボロボロと涙をこぼすと

聖臣くんはしゃがんで涙を拭った

聖臣くんの顔をちゃんと見ると

少し汗ばんでいた

聖臣くんは私を不安にさせない...

多分

そういうところを好きになったんだとおもう

私が聖臣くんにハグをしようとすると

そう言ってお風呂に向かった

...私は私で

やることがあるよね

SNSを見ると

聖臣くんの二股のことは消えていて

乃亜ちゃんの彼女持ちを狙っているという

記事が出ていた

私は成木マネとの電話を切ってから

急いでカメラの準備をした

そして

生配信を始めた

視聴者数はどんどん伸びて行った

私は真っ直ぐカメラを見て話し始めた

そして私は

今回のことは

全くの誤解ということを視聴者に説明した

もちろん反応は

良かった

とか

○○ちゃん心配したよ〜😭

などのコメントが多数あった

コメントを読み進めるうちに

聖臣くんが私の前に静かに座った

私は少し頷いてから

そう言ってカメラから目線を外し

聖臣くんに向かっていった

そして私たちは

お互いを見て微笑んだ

私は軽くお辞儀をし

配信のボタンを切った

私が口を膨らませて言うと

聖臣くんは手を広げた

私はクスッと笑ってから

聖臣くんの温もりを感じた

END

佐久早編一応終了です！

見てくれてありがとう〜！

次なんだけど誰書こうかなぁって悩んでて

私的には宮侑とか二口が描きやすいんだよね笑

多分どちらかと言うと性格が男よりな私なので

その上ちょい性格ひん曲がってるみたいな

だから夜久くんとか日向、ぼっくんあたりは

どーしても物語が上手く書けないんですよ😭

それで角名くんか国見、 二口辺りを書き直そうかなとか

色んなこと考えてます🤔

手な訳で次の作品がいつになるか

まだ未定なんですけど

また次の作品でお会いしましょう！