りいぬは遅れて学校に 来るらしく僕は珍しく1人で登校した
教室に入ると数人のクラスメイトが既にいて、僕を見てすぐに近づいてきた
今まで僕を無視していたのに 唐突に話しかけられ、 反射的に1歩下がった
生徒
僕の前で頭を下げた
生徒
泣きそうな顔で僕を見つめてくる
あの時睨んできた人が こんな顔を僕に向けるなんて 誰も想像していなかっただろう
ななもり先生に どんな叱りを受けたのだろうか
ここまで反省させるなんて 本当に恐るべき人だ
るくん
るくん
るくん
ひとつだけ約束して欲しいことがあった
生徒
るくん
生徒
生徒
彼女は頭を下げ続けた
困りかねた僕は もういいからと一言告げ 自席に戻った
人が変わったように みんなが優しくなった
今日一日誰かに睨まれることも悪口を言われることもなかった
逆に慣れず、 夢の中なのではないかと ほっぺたをつねるが 痛くて赤く腫れている
るくん
確かにこれは現実で 夢みたいに幸せだ
みんなにとっての当たり前が こんなに幸せだなんて知らなかった
りくん
るくん
りくん
そんな僕の横で りいぬは不幸に見舞われていた
りくん
るくん
りくん
りいぬは反省文を片手に 職員室に走って行った
少なくとも15分は戻って来ないと思い、僕は無意識に音楽室に向かっていた
るくん
音楽室のドアを開けると 待ってましたと言わんばかりに ピアノの椅子にころん先生が座っていた
こ先生
嬉しそうに近づいてきて ハグをする
るくん
こ先生
ころん先生は頬を膨らまして 上目遣いで僕を見つめる
こ先生
るくん
こ先生
涙目で肩を落とし 明らかに落ち込んでいた
るくん
確かにころん先生の 言っていることは正しかった
昨日流れでキスしたことが すごく恥ずかしく思えてきて 今日は避けていた
るくん
言葉にするのも恥ずかしい
きっと僕は今 顔を真っ赤にしているだろう
余計先生の顔が見れない
こ先生
るくん
こ先生
ころん先生はさっきの涙目が嘘だったかのようにイタズラな笑みを浮かべている
いきなり腕を捕まれ、 壁に追いやられる
るくん
こ先生
こ先生
るくん
くちびるが今にも触れてしまいそうなほど近くて僕の体温はどんどん上がっていく
こ先生
ころん先生はいたずらっぽく笑って意地悪なことを言ってくる
るくん
僕なりの反発をする
こ先生
ころん先生は僕の顔を 手で包む
るくん
僕は抵抗できなくなる
どんどん顔が近づいてきて 僕は目を瞑った
こ先生
ころん先生は手を離し、 満面の笑顔を見せてくる
るくん
僕は状況が掴めず困惑する
こ先生
まるで何も無かったかのように 荷物を持ってドアに手をかけた
僕は放心状態で 突っ立っていた
すると、ころん先生は 僕を見て耳打ちをした
こ先生
こ先生
るくん
僕は恥ずかしい気持ちを隠すためにピアノの方に向かった
こ先生
頭を2回ほどぽんぽんと 撫でて音楽室を出ていった
るくん
僕の気持ち弄んで 本当に意地悪な人だ
教室に戻ると りいぬとさとみ先輩がいた
やけに緊張した空気が 伝わって僕はすぐドアに隠れた
りくん
さ先輩
りくん
りいぬはドアに背を向けて立っているので後ろ姿しか見えないが震えていた
きっとこれから 気持ちを伝えるんだ
すぐに察した
さ先輩
りくん
さ先輩
りくん
りいぬはため息をついた
きっと呆れた顔をしているだろう
さ先輩
りくん
さ先輩
りくん
さ先輩
りいぬはさとみ先輩にとびついて 泣いて喜んでいた
さ先輩
さ先輩
りくん
良かった、りいぬが幸せになって
今日は2人で帰りたいだろうと思い、 りいぬにLINEを送った
りくん
さ先輩
りくん
さ先輩
りくん
楽しそうな2人を見届けて その場を去った
僕は屋上に向かった
るくん
景色を眺めながら 伸びをした
風がふわっと吹き 前髪を揺らす
るくん
下を見ると2人が歩いているのが見えた
しっかりと手を繋いで 楽しそうなのが離れていても分かる
るくん
あの緊張感や空気感は 体験したことがなかった
るくん
そういえば
キスもハグもしたのに 告白はしてないしされてない
ころん先生ってやっぱり 遊び人なのかな
生徒から人気があることで最近はあまり良くない噂を耳にするようになった
女好きや遊び人、たらしなど
るくん
そう信じていたけど 心のどこかで疑う自分がいる
さっきの音楽室でのこともあり、不安は大きくなっていった
るくん
急に雨が降り出す
僕の心のようで 少しだけ濡れたままでいた
荷物を教室から取り、 靴箱で靴を履き替えた
るくん
雨に濡れたせいで 寒気が増した
るくん
少し待っていれば やみそうなきがしたので 玄関で待つことにした
な先生
偶然通りかかった ななもり先生が話しかけてきた
な先生
先生は羽織っていた ジャケットを僕にかけた
るくん
すぐに返そうとすると いいのいいのと言って 頭を撫でてきた
な先生
ななもり先生は走って どこかへ行ってしまった
るくん
僕は好きな曲を口ずさんで 雨が止むのを待っていた
こ先生
るくん
こ先生
るくん
こ先生
るくん
るくん
るくん
こ先生
こ先生
るくん
こ先生
本当はこんなことが聞きたいわけじゃない
僕の心のモヤモヤ晴らしてほしい
るくん
るくん
たった一言なのに どうしてこんなに言葉が詰まるのだろう
こ先生
な先生
るくん
ななもり先生は暖かい ココアを僕に渡してくれた
そして大きなバスタオルで 僕の髪を拭いて 体を包んだ
な先生
な先生
るくん
ななもり先生のココアは いつも飲むココアよりも 暖かくて体がじんわりする
るくん
な先生
な先生
もう一本のココアを ころん先生に差し出す
こ先生
嬉しそうに受け取る
な先生
るくん
僕のことどう思ってるか ころん先生に聞くところでした なんて言えるはずがない
こ先生
な先生
るくん
ポーカーフェイスで 2人は嘘をついた
少し時間が経つと 雨がやんだ
るくん
な先生
こ先生
るくん
ななもり先生にジャケットを返そうとすると、僕の体が濡れていたせいで少し濡れてしまっていた
るくん
な先生
るくん
な先生
な先生
るくん
ななもり先生は僕の頭を優しく撫でて手を振った
るくん
僕も手を振り返して 2人を見ると ころん先生の顔が少し暗かった
るくん
僕も遊ばれてるのかな
たかが噂にこんなに 振り回されて
バカバカしい
でも、それくらい 好きなんだろう
いつもならこんなに 悩むことないのに
ころん先生のことになると 不安になって 心が苦しい
こ先生
後ろから僕の大好きな声が 僕の名前を呼んだ
るくん
思わず笑顔になって 振り返る
そこには僕の大好きな人が 息を切らして立っていた
こ先生
こ先生
まっすぐに僕を見て 真剣な顔をする
るくん
僕のことどう思ってますか
なんて聞いたら重たいかな
ただの僕の勘違いで 生徒としてしか見てないなんて 言われたらどうしよう
考えれば考えるほど 聞くのが怖くなる
こ先生
るくん
るくん
言えない
怖くて仕方ない
関係が気まづくなったら 明日から学校なんか行けない
こ先生
ころん先生は僕を抱きしめる
いつもなら嬉しいハグも 今は不安になる種だ
そのせいで抱きしめ返すことは 出来なかった
こ先生
こ先生
こ先生
こ先生
るくん
こ先生
こ先生
こ先生
るくん
こ先生
るくん
一気に心が軽くなって
幸せが僕を満たしていく
るくん
るくん
こ先生
こ先生
こ先生
るくん
るくん
こ先生
こ先生
るくん
こ先生
るくん
こ先生
僕の手を強く握ってくる
るくん
僕はその手を握り返す
るくん
こ先生
いつの間にか 僕の心には虹がかかっていて 夢みたいな気分だった
るくん
こ先生
るくん
こ先生
るくん
僕は嬉しくなって 抱きついた
こ先生
るくん
ちゅっ
不意打ちのキスに ころん先生は目を丸くする
こ先生
るくん
るくん
いたずらげに笑って 先生に手を振って 僕は家まで走った
ころん先生は気が抜けたように その場に固まっていた
たらしなんて大嘘だと 改めて感じた
コメント
14件
時差コメ失礼します.ᐟ.ᐟ.ᐟ 主さんのお話大好きです🫶🏻🤍今回の話の「僕はるぅとくん専用の晴れ男」っていうセリフが大好きで、こんなセリフ思いつく主さんを尊敬します✊🏻💭
最高な奴だ( * ॑꒳ ॑*)⸝⋆。✧♡ 先生私にもココアくださi(((