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昼休み。
教室は、朝よりもずっと騒がしかった。
弁当の蓋を開ける音や、
椅子を引く音、
誰かの笑い声。
いろんな音が混ざって、
ひとつの塊みたいになっている。
僕は、いつも通り窓際の席にいた
特に誰と話すわけでもなく、
ただ時間が過ぎるのを待つ。
…………それでいい、
と思っていた。
白石樺伶 シライシカレン
名前を呼ばれて、
少しだけ肩が揺れる。
顔を上げると、
そこには白石が立っていた。
周りには誰もいない。
珍しい、と思った。
赤枝煌 アカシコウ
白石樺伶 シライシカレン
同時に言葉が重なって、
ほんの少しだけ間が空く。
赤枝煌 アカシコウ
白石樺伶 シライシカレン
それだけの会話。
それでも白石は、
どこか安心したように小さく笑った。
白石樺伶 シライシカレン
断る理由も、特に思いつかなくて、
小さく頷いた。
白石が椅子を引いて座る。
それだけで、さっきまでとは 違う空気になる。
近い。
少しだけ、落ち着かない。
赤枝煌 アカシコウ
いつもなら、周りに人がいるはずだ。
それなのに、
白石樺伶 シライシカレン
軽い調子で返す声。
_____でも、
どこか、無理をしているように聞こえた。
弁当の蓋を開ける手が、
ほんの少しだけ遅れる。
赤枝煌 アカシコウ
気づけば口にしていた。
赤枝煌 アカシコウ
言ったあとで、少しだけ後悔する。
踏み込みすぎたかもしれない。
白石は一瞬だけ動きを止めた。
"ほんの、一瞬。"
すぐに、いつもの笑顔に戻る。
白石樺伶 シライシカレン
白石樺伶 シライシカレン
軽く笑って誤魔化すみたいに。
でも、
赤枝煌 アカシコウ
それ以上は言えなかった。
沈黙が落ちる。
その時、
誰かが、白石の名前を呼ぶ。
はっとしたように顔を上げて、
白石樺伶 シライシカレン
そう言って、立ち上がる。
その表情は、
もう"いつもの白石"に戻っていた。
人の輪の中に入っていく。
すぐに笑って、
自然に会話に溶け込んでいく。
さっきまでここにいたことが、
嘘みたいに。
赤枝煌 アカシコウ
小さく、
呟く。
あの一瞬、
止まったような時間。
揺れた声。
気の所為なんかじゃない。
赤枝煌 アカシコウ
確信に変わりかけた違和感を、
胸の奥でなぞる。
でも_____
それを聞くには、
僕はまだ、
遠すぎる。