放課後教室に残ってた九井くん
九井くんが1人で机に向かって何かをしてる
宇那
てつだおうか?
日和って小さな声で声をかける
彼の視線がチラリとこちらに向く
九井
いいのか?
不器用な彼の笑顔に少し惹かれる
黙って作業を始める私たち
私の手が当たりカッターを落としてしまった
九井
あぶね、
宇那
あ、ありがとう..//
九井くんが反射的に私を抱き寄せて守ってくれた
少し作業を進めると
九井
お前手器用だな
何気ないその一言が私をドクンとさせた
宇那
普段もこんなことやってんの?
九井
普段は勉強漬け
九井
今日だけ。
宇那
勉強してるんだね
宇那
意外と普通だね!笑
九井
普通、かまぁ、悪くねぇな
少し九井くんが微笑む
なんだか安心した
ただの不良だと思ってたから
少し九井くんに近づけた気がした
宇那
あのさ
九井
...?
宇那
明日一緒に帰らない?
九井
今日じゃねえの?
宇那
明日忙しかった?
九井
今日も帰りたかっただけ。
え?え?
今日“も”!?
何明日も一緒に帰ってくれるってこと?
宇那
あ、えっと、じゃあ今日一緒に帰ろっか
九井
おう
そんな可愛い一面にまたドキリとした
冬で寒かった教室が少し暖かくなった気がした