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花火が豪快に鳴り響き、街に一斉に花びらが撒き散らされる。
人で埋め尽くされた大通りには、たくさんの出店が立ち並んでいた。
とても賑やかだ。
サクヤ
紙袋を抱えて馴染みの果物屋を出た途端、感嘆の声をあげる紅色の髪の青年。
彼の名はサクヤという。
彼は物心つかないうちに両親を亡くし、親類の家を転々としていたが、今は村の外れで1人で暮らしている。
サクヤ
サクヤは目を伏せ、紙袋の中の食材を見つめた。
大通りの出店には様々なものがある。
食べ物はもちろん、雑貨や服飾物、なかには占い屋なんてものも並んでいる。
そもそも、このお祭り騒ぎは何か。
言うまでもない、今日は年に1度、ここ天鵞絨で開催される"花祭り"の日なのだ。
言うまでもない、今日は年に1度、ここ天鵞絨で開催される"花祭り"の日なのだ。
天鵞絨を守る森の神木〔天鵞絨の大樹〕に感謝し、古くから大樹の子と伝えられている無数の花を飾り立てて祝う行事だ。
サクヤ
切なげな表情を浮かべたサクヤは、このまま家に帰ろうと大通りに背を向けた。
その時。
__________ドン!!
サクヤ
通りがかり
サクヤ
すれ違った街人とぶつかった拍子に、袋の中からフルーツが零れ落ちる。
転がっていく丸い果実。
なんとかして取ろうと、サクヤは人の群れに手を伸ばした。
???