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30 - 僕の務める会社のある先輩

♥

18

2020年11月22日

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竜一

はぁ…

竜一

また僕は怒られに会社に行くのか……

生駒 竜一(いこま りゅういち)

名前とは裏腹に見た目は残念な人だ

顔も特別整ってるわけでもなく 体型はいわゆるデブと言われる体だ

自分ではデブと言うよりぽっちゃり系だと思ってるのだが周りからすればデブらしい

この見た目のせいか会社ではグズ扱いを受け続ける日々が送られている

最初はイライラこそしたが感覚が壊れて特に何も思うことはなくなった

あの会社の唯一の救いは同期の1人である 【志帆】さんが僕と一緒にいてくれる事だ

しかし僕の心は歪んでしまっているので もしかすると裏があるのではないかと 疑ってしまっている

あちらは本当に親切で話しかけてくれてるとしても会社での僕の扱い上

やはり裏工作があると思ってしまう

そもそも僕がふくよかな体型故にグズ扱いされてるのならば痩せろと思った人も居るだろうが

まぁ案の定無理だった

会社を辞めるとも考えたがここを辞めたら他に宛がないのでそれもまた難しい話

結局辞めることも出来ず無心で会社に務めるこの毎日を続けるしかない

そんな心の愚痴をこぼしてる間に会社に着いてしまった

竜一

面倒くさいなぁ…

志帆

ん?

志帆

りゅーちゃんじゃん!

竜一

竜一

あれ?志帆さん

竜一

今日は珍しく遅いですね

志帆

いやぁ普通に寝坊しちゃってさ

志帆

でも遅れてないからセーフ!

竜一

ふふっ…ですね

軽い挨拶をしてエレベーターの中にと入る

真崎 志帆(まざき しほ)

同じ部署の同期の1人で唯一僕と話してくれる人でもある

落ち着きのある見た目とは裏腹に意外と元気っ子で友人が多い…らしい

志帆

ところで何だけどさ

竜一

はい?

志帆

やっぱりりゅーちゃんいじめにあってるよね?

竜一

いじめですか?

志帆

ほかの同期の子とかになんか言われない?

竜一

あぁよく言われますよ

竜一

でも別に気にしなくなりました

竜一

どうせそんなこと言うヤツらって大した奴らじゃないんで

志帆

りゅーちゃん我慢は体に毒だからね?

竜一

大丈夫ですって

志帆

ほんとに辛くなったら私に相談してよ?

竜一

ほんとに辛くなったらですね

竜一

今は全然大丈夫ですよ

竜一

志帆さんと普通に会話できるだけで僕は満足ですから

志帆

味方が私だけってことなの?

竜一

詳しくは分かりませんけど

竜一

恐らくそうなんじゃないですか?

志帆

そっか…

志帆

じゃあそんな君にひとつ朗報を与えるね

竜一

朗報?

志帆

味方は私だけじゃないぞ!

竜一

志帆

じゃあそゆことだから

目的の階まで着き志帆は先にエレベーターから出ていった

竜一

味方は志帆さんだけじゃない?

竜一

でも他に味方なんて…

少しモヤモヤした状態で自分のディスクに座る

竜一

他に味方になりそうな人…

竜一

同期からは見当たらない

竜一

かと言って先輩もいる訳じゃないし…

真桜

おい生駒

竜一

え?

竜一

あっ!真桜先輩おはようございます

上原 真桜(うえはら まお)

僕の教育係を務めてくれている先輩

容姿端麗で絵に書いたような仕事のできる女性という雰囲気がある

と言うか実際ものすごく仕事ができる人だ

しかし周りの反応を見る感じちょっと恐れられてる感じもある

やはり仕事ができる人は怖いというイメージがついてるようで

僕の教育係が真桜先輩になった時は周りの目は哀れみの目で見てきたし

でも話してみるとみんなの言う怖い人とは少し違う気はしてる

怒る時の理由はちゃんと理にかなってる事が多い…てかそれしかない

それが変なふうに周りに伝わったのではないかと最近思うようになった

真桜

いつにも増して顔色が悪いな?

真桜

私に会うのがそんなに嫌か?

竜一

い、いえいえ!

竜一

そうではなくて別のことで少し悩み事を

真桜

悩み事だと?

竜一

は、はい…

真桜

とりあえず言ってみろ

竜一

いやあの…

竜一

ほら…僕ってこの会社じゃグズ扱いされてるじゃないですか?

真桜

まぁ周知の事実だからな

竜一

うぐっ…

竜一

ま、まぁそれで今日同期の志帆さんからあるお話を聞きまして

竜一

僕にも1人味方が居るって言われて…

竜一

志帆さんは僕の味方だって言ってくれてるんですけど

竜一

志帆さん以外の人も僕の味方って言われて

竜一

その人が誰なんだろうって…

真桜

真桜

くだらん話だ

竜一

ははっ…ですよね

真桜

お前はとにかく一日でも早く職場に慣れろ

真桜

そしてちゃんと使える人員になれ

真桜

ただでさえ私は忙しい身なんだ

真桜

そんな私が貴重な時間を割いてお前の教育係を任されているんだ

竜一

はい…

竜一

僕もできる限り早く覚えていきたいと思います

真桜

まだ朝礼まで時間がある

真桜

今日の予定を話しておく

真桜

それをメモして瞬時に対応できるように心構えをしておきな

竜一

わ、わかりました

〜朝礼後〜

竜一

まず僕は昨日の書類のチェックからで…

真桜

まて生駒

竜一

は、はい!

真桜

その書類お前のか?

竜一

自分のと同期の同じ担当の人の分です…

真桜

同期の分はやる意味が無いだろ!

竜一

で、でも…

真桜

でもも何もあったもんじゃないだろ!

真桜

同期の分をやったところでお前の営業成績に入るわけじゃないだろうが!

竜一

す、すいません…

真桜

お前がなんでグズ呼ばわりされてるかようやく分かったぞ…

竜一

え?

真桜

その優しさが無駄なんだよ

竜一

は、はぁ…

真桜

その無駄な優しさがお前自身の評価を下げてんだよ

真桜

そんな優しさいらないから捨てろ

竜一

優しさを捨てろって…

真桜

私が言いたいのはそれじゃない

真桜

お前のためにならない優しさは捨てろと言ってるんだ

真桜

優しさそのものを捨てろとは一言も言ってない

真桜

それくらいは理解してもらわないと困る

竜一

す、すいません…

真桜

とりあえずその同期とやつを私に渡せ

竜一

ど、どうするんですか?

真桜

決まってるだろ本人に届けるんだよ

真桜

場合によっては全てやり直しにさせる

真桜

その間お前は自分のやるべきことに務めろ

竜一

は、はい!

〜休憩室〜

真桜

ふぅ…

真桜

今日はちゃんと優しく出来たぞ

志帆

何言ってんですか真桜先輩

真桜

!?

真桜

志帆か…

志帆

毎回毎回あんなにきつく当たってたら

志帆

りゅーちゃん壊れちゃうよ?

真桜

キツくなど当たってない!

志帆

周りからはそう見えてるの…

志帆

りゅーちゃんの味方の1人なんだから

真桜

そ、そんなこと…

志帆

そうじゃなきゃあんなこと言わないでしょ?

志帆

優しさそのものを捨てろとは言ってない、て

真桜

!!

真桜

お、お前それ聞いてたのか!!

志帆

大きな声で話してたからね〜

志帆

ほんとに素直になれない人なんですから

真桜

な、何を!

真桜

私はただ先輩としての姿を見せただけだ!

志帆

今回はそれでいいですよ

真桜

むぐぐ……

意外と近くに味方はいたことに気づかない竜一であった

この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

それなりの評価頂けたら次の話でも書く予定です(♡100超えたら満足よね

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