ぽすとかーど(短編集)

不思議な人だった

青色の綺麗な目

少し青がかった黒い髪

それと何処か悲しげな表情

俺が遊びに行くと遊んでくれる

幼いときに出逢った

そんな優しい人

今はどうしてるんだろう

何処かで生きてるのかな

いつか逢えるといいな

彼と出逢ったのは

俺が風邪を引いて入院してたときの ことだった

風邪も少し回復してきて

あと2週間程で退院出来るぐらい

好奇心旺盛な俺は

勝手に病室を抜け出して

病院の中を探検していた

探険してたのは良いものの

色んな所を走り回ってたら

いつの間にか迷子になっていた

そんな時に彼に出逢った

丁度立ち止まった所の病室が開いていて

俺は思わず中を覗いた

彼は1人ベッドに座って

窓の外を眺めてた

俺に気付くと

にっこりと優しく笑い話しかけてくれた

逃げようとしたがもう遅く

服の袖をひょいっとつままれてしまった

ひらりと手を振って看護師に連れられ病室に戻る

病室に戻る途中大先生の事を聞いた

看護師さんは大先生の病気の事を教えてくれた

彼はどうやら

少し重い心臓病らしい

小走りするのも少し難しいぐらい

年齢は俺の2つ上の12歳

俺が退院するぐらいに手術を受けるんだって

もっと大先生と遊びたい

もっと喋ってみたい

俺の好奇心は広がるばかり

fm：🐋☁𓈒𓂂𓏸