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コトコトコト…
何の音?
お鍋がコトコト、
いい匂い。
一体何を煮ているの?
コトコトコト…
コトコトコト…
「ねぇ、お父さんは?」
「近くにいるわよ」
コトコトコト…
蓋を開けると蒸気がふわり。
「これ、お父さん…?」
「…はい、どうぞ」
差し出されたお皿。
茶色の肉の塊。
子供はそれを一口食べます。
「お父さん…美味しくない…」
「そんなこと言わないの」
「お母さんは食べないの?」
「食べるわよ、後でね」
しかし、子供は見てしまう。
真夜中、
鍋の中身は捨てられる。
父親を食べたのは
子供だけ。
悪夢を見るのも
子供だけ───。
Title『母親だけが笑ってる』