灰色の裏庭。
episode.2
君は俺の世界に
何の躊躇もなく
入り込んできた。
少し興味を持った。
君があまりにも
綺麗だから。
キーンコーンカーンコーン…
桃山 桜花
(…今日も休みかぁ。)
友達
桜花~~!
桃山 桜花
(かっこよかったな~~)
桃山 桜花
(今日も会いに行っても良いかな…?)
友達
桜花!!
桃山 桜花
…!!
桃山 桜花
わぁ!!
友達
次、移動教室だよw
友達
行こうっ!!
桃山 桜花
…あ、うん!!
桃山 桜花
(ど、どうしよう、妄想してるときの顔見られちゃった。)
桃山 桜花
(恥ずかしい…)
ガチャ。
桃山 桜花
こ、こんにちは!
篝月 レイ
あんた、また来たの?
レイくんはいつも通り
この灰色の世界にいた。
桃山 桜花
う、うん。
桃山 桜花
会いたくて……
篝月 レイ
…!
篝月 レイ
…そっか。
桃山 桜花
何かこの場所落ち着くね…。
篝月 レイ
!?
篝月 レイ
だろ!!?
桃山 桜花
…え、うん!
レイくんは私の言葉に食いついた。
篝月 レイ
俺もここが一番落ち着くんだよね。
篝月 レイ
時間がたっていないように見えて。
桃山 桜花
…わ、分かる!!
桃山 桜花
時間は過ぎるのが早くて
桃山 桜花
いつも…
桃山 桜花
…大切なものを見失ってしまう。
篝月 レイ
…
篝月 レイ
何か大切なもんでもあったのか?
桃山 桜花
うん
桃山 桜花
あったよ。
篝月 レイ
(…過去形。)
桃山 桜花
でも、もう今は
桃山 桜花
大切なものは……
桃山 桜花
私の前から消えた。
篝月 レイ
…
篝月 レイ
じゃあ、ここで作れば良いじゃん。
桃山 桜花
…え?
篝月 レイ
ここで大切なもの
篝月 レイ
見つけてみなよ。
レイくんはニカッと笑った。
桃山 桜花
…う、うん。
桃山 桜花
…な、何かごめんね!!
桃山 桜花
私の話ばっかりでw
篝月 レイ
…全然。
篝月 レイ
すっきりしただろ?
桃山 桜花
した!!
篝月 レイ
話すとスッキリするんだよw
桃山 桜花
…じゃ、じゃあ
桃山 桜花
レイくんも隠してること
桃山 桜花
…話してよ。
篝月 レイ
…
桃山 桜花
私、何でも聞くよ…?
篝月 レイ
…
篝月 レイ
お前に何が分かる…?
桃山 桜花
…
篝月 レイ
同情はいらない。
篝月 レイ
俺は俺1人で十分。
篝月 レイ
…
篝月 レイ
これ以上、
篝月 レイ
俺の世界に入ってくんな。
赤い瞳はより一層
赤く輝き、
怒りが込み上げているようだった。
桃山 桜花
…
私はレイくんの手を握った。
篝月 レイ
…!?
桃山 桜花
…私を頼って。
桃山 桜花
何も吐き出せないなら
桃山 桜花
私を頼って!!
篝月 レイ
…嫌だ。
桃山 桜花
ねぇ!!
桃山 桜花
どうしてあなたは目が赤いの?
篝月 レイ
…黙れ!
桃山 桜花
どうしてあなたは学校に来ないの?
篝月 レイ
うるさい。
桃山 桜花
どうして裏庭は灰色なの?
篝月 レイ
…もう、まじで……
篝月 レイ
止めて…
篝月 レイ
くれ……
バタッ!!
桃山 桜花
…レイくん…!?
レイくんは意識を失い、
倒れてしまった。
桃山 桜花
…レイくん!!
桃山 桜花
レイくん!!!
レイくんの閉じた瞳からは
一粒の涙が 頬を伝っていた。
ーto be continuedー