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夜猫🌸依頼事務所～厄災の魔女～

第33話 - 第33話『見えていたもの』

2022年02月24日

#オリキャラ

#戦闘

#ファンタジー

#一次創作

🌙夜桜猫🌸

～猫船宅～

土曜日 AM10:00

夜桜

ŧ‹”ŧ‹”

青影

どうですか？

夜桜

美味しい。

青影

(良かった…)

本日、青影は猫船達の家に来て夜桜から料理を教えてもらっているようだ。

青影

(初めてまともな
卵焼きを作れたな。)

夜桜

…次だな。

夜桜は冷蔵庫の方へ行き、材料をだし始めた。

青影

そういえば、
今日猫船さん達は
外出中ですか？

夜桜

ああ、

夜桜

外出するよう言った。

夜桜

いると
気が散るだろ。

青影

まぁ、そうですね。

青影

(でも、なんか
猫船さん達には
申し訳ない事をしたな。)

夜桜

次、始めるぞ。

青影

はい。

第33話

『見えていたもの』

猫船

(家に
居たかったな。)

猫船

(青影君と夜桜が
料理してる所
見たかった。)

闇桜

同感よ。

猫船

なんで
駄目なんだろう？

闇桜

青君が緊張する
からじゃない？

闇桜

怪我したら
大変だしね。

猫船

そっか。

猫船

(夜桜が
青影君と料理…)

猫船

知らない内に
仲良くなってるね。

闇桜

そうよね～。

闇桜

可愛い後輩
取られた感じで
少し嫉妬しちゃうわ♪

闇桜

ところで、
今どこ向かってる？

猫船

公園だよ！

闇桜

公園？

闇桜

あ、四葉君？

猫船

うん！

猫船

(今日はいるかな？)

闇桜

警戒心ないのね。

猫船

警戒心？？

闇桜

元々、
知らない人でしょ？

闇桜

もし怖い人だったら、
どうするの？

猫船

四葉君、
怖くないよ？

闇桜

分からないわよ。

闇桜

本心は表に
出ないものだからね。

猫船

四葉君は
いい人だもん！

闇桜

……。

闇桜

まぁ、いいわ。

闇桜

じゃあ、
私は桜の中に
いるわね。

猫船

闇桜も一緒に
会わない？

闇桜

眠くなって来たから
遠慮するわ。

猫船

もう？

闇桜

昨夜は少し
夜更かししたからね。

スッ

闇桜は猫船に取り憑くように消えた。

猫船

(四葉君と
会話楽しいのにな。)

猫船

(もうすぐしたら
公園にだね。)

猫船

(四葉君いるといいな。)

猫船

(…前の事も
知りたい。)

～公園～

猫船

(あ、いた！)

四葉

……。

猫船

(あれ、
寝てる？？)

四葉は公園のベンチに前と同じように座っていたが、

彼は胸辺りで腕を組み、座ったまま眠っているようだ。

猫船

(…どうしようかな。)

猫船

(起こしたら
駄目だよね。)

猫船

(ん？)

四葉の隣には、黒い手提げ鞄が置いてあり、

チャックが開いているため、中にあるものが見えている。

猫船

(石、懐中電灯
りんご、スコップ、
スマホ、)

猫船

(後、
白い木箱？)

猫船

(中は何が
入ってるのかな？)

猫船

ん？

猫船は四葉の方に視線を向けた瞬間、四葉の上着ポケットに注目する。

ポケットからは銀色にキラキラ光る細い棒がはみ出ていた。

猫船

(何だろう？)

四葉

…あれ、
猫船さん？？

猫船

ッ！

声のほうを目を向けると、四葉と目が合った。

猫船

あ、四葉君
おはよう！

四葉

おはよう。

四葉は小さなあくびをしながら、腕時計を見た。

四葉

…もうこんな時間。

猫船

どのくらい寝てたの？

四葉

3時間かな。

猫船

わぁお、

猫船

(凄い寝てる。)

四葉

今日は仕事休み？

猫船

うん！

猫船

四葉君は？

四葉

僕も一応、
休みだよ。

猫船

(一緒だ。)

猫船

四葉君、
これの木箱は何？

四葉

ん？

猫船

鞄の中に
入ってる白い木箱。

四葉

…花の球根が
入ってるんだ。

四葉

後で庭に
植えようと思って、

猫船

へぇ〜！

四葉は鞄のチャックを少し素早く閉じた。

猫船

(何の花だろう？)

猫船

(球根といえば、
チューリップかな？)

猫船

(あ、アネモネもあるね。)

四葉

前は急に
帰っちゃって
ごめんね。

猫船

ううん、
大丈夫だよ！

猫船

隣に座っていい？

四葉

うん。

猫船は鞄の隣に座った。

猫船

(あの事、
聞いてみようかな。)

猫船

前の事なんだけど、

猫船

四葉君には
何が見えてたの？

四葉

え、

猫船

四葉君、
悲しそうな顔
してたでしょ？

猫船

どうして
なんだろうって
気になって…

四葉

……。

猫船

(…気まずくなっちゃった。)

猫船

(やっぱり
聞かない方が
いいのかな？)

四葉

…僕の右目は
光が見えるって
言ったよね。

猫船

ん？

四葉

身体を包むように
出てる光。

四葉

それが見えるって、

猫船

うん、
言ってた。

四葉

実は、もう1つ
光が見えるんだ。

猫船

もう1つ？

四葉

それは
生き物の心臓辺り
にあって、

四葉

赤く燃える炎
みたいな光なんだ。

四葉

でも、たまに
その色が徐々に
変わる人がいるんだ。

四葉

赤から青色に…

猫船

変わったら
どうなるの？

四葉

青色になると、
炎は身体の
外に出て、

四葉

それで…

四葉

光が外に出ると
その人は…
亡くなるんだ。

猫船

え、

四葉

いつもは眼帯を
つけてるから
見えないんだけど、

四葉

あの時、
それが見えたんだ。

猫船

(あの時…)

猫船

(あ、)

猫船

もしかして、
あの…小鳥さん？

猫船がそう言うと、四葉は小さくうなずいた。

四葉

…あの時、
もう色が変わりつつ
あったんだ。

四葉

動物病院に
連れて行ったけど、
駄目だった。

四葉

治らない病気だって、

四葉

それで昨日、
…亡くなったんだ。

猫船

……。

猫船

(小鳥さん、
病気だったんだ。)

猫船

(全然気づかなかった。)

猫船

(最後に会った時は
元気そうにみえたから…。)

四葉

最後まで
見てるしか
出来なかった。

四葉

僕は…見殺しに
したんだ。

猫船

四葉君は
小鳥さんを助けようと
したんでしょ？

四葉

病院に連れて
行っただけだよ。

四葉

その後は
家に一緒にいた
だけで何もしてない。

四葉

死ぬのを
隣に待っただけ…

四葉

そんなの、
見殺しにしたの
と同じだよ。

四葉

最低だよね。

猫船

違うよ。

猫船

だって、四葉君は
ずっと一緒に
いたんでしょ？

猫船

助からないって
分かってても、
放っておかなかった。

猫船

それは見殺しには
ならない。

猫船

四葉君は
十分に小鳥さんの
ために尽くしたよ。

四葉

……。

猫船

ごめんね。

猫船

私があの時、
小鳥さんの方を
聞いたから…

猫船

(小鳥さんの光なんて
聞かなければ、
見なくて済んだ…)

猫船

(四葉君が
辛い思いしなくて
良かったのに、)

四葉

猫船さんは
悪くないよ。

四葉

見たのは、
僕自身だから…

猫船

小鳥さんは
どこかに埋めたの？

四葉

まだ埋めてない。

四葉

…木箱の中に
入ってるんだ。

猫船

え？

猫船

木箱って、
鞄の中の？

四葉

嘘ついてごめん。

四葉

亡骸を
持ち歩いてるのは
不審に思われるから…

四葉

これから森の中に
埋葬してあげようと
思ってて、

猫船

(そうだったんだ。)

四葉

じゃあ、
僕は行くよ。

四葉

明るいうちに
行かないと
帰れなくなるから、

猫船

私もいい？

四葉

え？

猫船

私も小鳥さんと
お別れしたい。

猫船

いいかな？

四葉

……。

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