蓮華が無限城から戻ったのは、夜明け前だった
空がまだ群青色に染まりきらぬ頃
蝶屋敷の裏口から静かに戻り、 誰にも気づかれる事なく部屋に入る
ただ一つの目的
「 竈門禰豆子を連れてくる 」
それは、蓮華にとってこの上なく残酷な命令だった
彼女はただ命令を遂行する機械ではない
炭治郎と話し合い
しのぶに雑務を押し付けられ
無一郎と心を交わした「 芙梛 」という仮の存在が、 今や自身の中にしっかりと根を張っていた
芙 梛
芙 梛
炭治郎にそう頼んだとき、彼は微かに表情を曇らせた
鋭い鼻が、彼女の奥にある違和感を またしても拾いあげたのだろう
竈 門
竈 門
芙 梛
炭治郎の返答は柔らかく、 けれど確固たる拒絶だった
コメント
2件
WAO!!とても素晴らしい✨♥️ 続き楽しみにしてるよ~( ´・∀・`)👌