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「青春旅行」
注意(attention) atkr二次創作 学パロ、年齢操作、 ダーク要素あり 魔法系(ファンタジー)要素大
第5話「操り人形」
一体、何日経ったんだろうな。
ドズルさん、元気してるかな。
俺の事、忘れて欲しいなぁ。
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この世界に、昼は無い。
お腹も空かないし、眠気もない。
俺は、能力者だ。
それが嫌だった。
能力を捨てたかった。
20人の能力者が集えば、季節が取り戻せる。
これには、裏の話がある。
多分、ほとんどの人が知らない話。
季節が取り戻せる代わりに、何かの代償が伴う。
俺は、誰にも傷ついてほしくない。
代償があるくらいなら、俺はこのまま異世界へ逃げ続ける。
目の前に、現実と繋がるゲートが現れた。
吃驚して、言葉が出なかった。
その場で立ち尽くしていると、中から人が出てきた。
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小柄で、眼鏡をかけた男の子が、 薄気味悪い笑顔を浮かべている。
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少年は、距離を縮めようともしない。
ゲートはまだ残っている。
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少年の声は、自棄になったような声色だった。
意識が、遠のいた。
くらくらして、その場に倒れた。
意外にも、世界は崩壊しなかった。 なんだ、この人は少しは慣れているのか。
まぁ、一応崩壊予防の為の結界を張っているというのも理由の一つとしてあるのかな。
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倒れた"自分"の身体を見つめる。
自分の身体を抱き上げて、ゲートをくぐった。
成功すれば、僕は生きていられる。
失敗すれば、僕は死ぬ。
目を開けた時、真っ青な空が目に入った。
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横を見ると、男の子が倒れている。
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ゆすっても、返事はない。
というか、身体を全く動かさない。
呼吸はしているようだったから、死んではいなさそう。 俺は何故か安心した。
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ドアが勢いよく開き、ドズルさんと、もう1人の男の子が屋上に突入してきた。
勢いよく、強く抱きつかれて、身動きが取れなかった。
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少し涙ぐむドズルさん。
その横で、男の子が大声を上げた。
☃️
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意識の無い男の子。
ドズルさんは、救急に電話をし、脈や呼吸を調べている。
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男の子を抱きあげ、階段への扉を開けたドズルさん。
俺は、何もわからないまま後をついていくことにした。
医者
医者
医者
俺はスマホで「遷延性意識障害」と調べた。
画面に表示された「遷延性意識障害とは」と書かれたリンクをクリックする。
そこに書かれた文字に、息を呑んだ。
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俺のスマホを覗いた男の子は、絶望したような表情だった。
医者が出て行き、俺とドズルさんは病室から出た。
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兄弟か。 ぱっと見はおんりー君の方が歳上に見えるけど、どうなんだろうな。
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病院の中の、生温かい室温。
半袖のシャツの上から、ドズルさんのブレザーを羽織らせて貰っている。
仕方がない。5月頃に逃げ出して、今はもう11月らしい。 季節に対して服が合っていないのは、よく考えれば当たり前かもしれない。
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能力。
俺が1番嫌いな言葉。
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その時、廊下の奥から沢山の大人の姿が見えた。
警察
警察の中に、自分の親がいた。
優しい眼差しだった。 目元が腫れていて、泣いた事がよく分かった。
両親
今日、2回目の抱擁を交わした。
温かくて、久々に人と話して何だかいい気持ちになった気がする。
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やっぱり、何度話しかけても反応がない。
僕は弟が大好き。
僕を、大人から助けてくれたのはおんりーだった。
「お兄ちゃん‼︎」って呼ぶ声が、また聞きたいな。
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僕は、君の冷たくて力の抜けた手を握り、強く強く願った。
おんりーが、元気になりますように。
これからも、2人でずっとずっと生きていけますように。
ってね。 僕は、君の為なら能力を使うよ。
また、君は怒っちゃうかな?
それも、いいかもね。
おんりーが元気なら、僕は何でも嬉しいよ。
僕は、操り人形だった。
独りぼっちで、大人の言いなりで。
おんりーに助けられたあの日まで、 ずっとずっと、操られていた。
君が言った言葉を、今でも覚えている。
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笑ってそう言う君の本当の気持ち、 僕は分かっていなかったよね。
その一言に隠された想いを、僕は何も汲み取ってやれなかった。
あの時、
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って言ってあげられたら… どれほど良かったかな。
僕は知っている。
あの異世界に入ることができるのは、実は、「異世界創造」の能力を持つ者だけではない。
「独りぼっち」の人も、あの世界に逃げることができる事を。
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作中の用語を簡単に解説するコーナー
独りぼっちとは 「自分の事なんて、誰にも分かってもらえない」 「自分の事なんて、みんなきらっている」 といった考えを持ち、表面上では人と接していても、心の中では突き放している人の事。