いつも通り1人で登校すると既にクラスメイトは半分程度が集まっていた。
私がドアを開けると同時に一斉に視線がこちらに集まり
わざとらしい沈黙が波のように教室中に広がる。
ひまり
ひまり
蘭
美月
優奈
優奈
美月
蘭
蘭
夏海
夏海は昨日から置きっぱなしになっていた掃除用のバケツを蘭に手渡した。
中に入った水は汚く灰色に濁っている。
蘭
蘭
優奈
ひまり
私はなにも答えることができずに黙って立っていた。
美月
美月
夏海
夏海
四人は口汚い言葉で私を罵ったが私はなにも反応しなかった。
というよりは、できなかった。
蘭
蘭
蘭
優奈
優奈
優奈はそう言って私の髪を乱暴につかみ
バケツの中に私の頭を押し込んだ。
とっさに目を閉じて息を止める。
蘭
美月
夏海
水の中で蘭達の声がぼんやりと聞こえてきた。
そろそろ息を止めるのも限界になってきた頃、
蘭
蘭
優奈
優奈は私の頭を押さえつけていた手を離した。
私は慌ててバケツから頭を出して深呼吸した。
蘭
蘭
夏海
美月
蘭
蘭
蘭
蘭
優奈
美月
美月は私の肩を押さえつけて
その上から優奈が私にバケツの水をかけた。
次の瞬間、私の髪からは薄汚い水が滴り
足元には埃と混じった小さな水たまりができていた。
夏海
夏海
蘭
蘭
ひまり
なんてことは当然口には出せなかった。
ちょうどその時教室の前側のドアが開いて
担任の前山先生が入ってくる。
前山
前山
前山
前山
ひまり
ひまり
前山
前山
前山
ひまり
前山
前山
前山
ひまり
蘭
前山
蘭
蘭
前山
前山
前山
先生はそう言って蘭に微笑みかける。
これが私の日常だった。
毎日女子のグループから嫌がらせを受け
教師も知っているのに、蘭のことを気に入っているからという理由だけで
私の味方になってくれない。
ひとつひとつは小さなことかもしれなかったけど
塵も積もれば山となり
私はだんだん、死にたいと思うようになっていった。
前山
前山
前山
ひまり
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