アルファントバース

トーナメントが近づいてきたとある日の夜

画面に映る兄に手を振ると兄は笑顔で返してくれた

ガンダム 今は開発を禁止されている殺戮する為だけに作られた人型兵器

特殊な素材を電磁波を利用して人体とリンクする事でMSとは違い、ただ操縦するだけでなく、自分の思考通り動かす事が出来る

簡単に言えば、自分のもう1つ大きな身体を操るという事だ

ただし、やはり代償が存在する

人体に害のある電磁波を流す為、長期間乗り続けると身体に後遺症が残る可能性が高い、最悪死に至る

ピッ

通話を切って画面が暗くなる

画面に映る星を見て顔を上げると、本物のような星がキラキラと輝いていた

背もたれに体重をかけると社長室の扉が開いた

空中ディスプレイを操作して設計図を見て％をそれぞれ見る

俺の妹は良い子だ、人思いで、優しい そして正義感が強い

だから、両親を殺した宇宙生まれを恨んでいる

ケイトは自覚はしていない

だけど、MSを操作している時、彼女の顔から笑顔が消える

本気で、殺そうと思っているかのような、冷酷で、残酷な表情に

ケイト専用のα‬抑制剤 11歳の頃、α‬として突然自覚をした彼女はフェロモンを抑える事が出来ずあらゆるβとΩを引き寄せてしまった

そして…

駆けつけた時にはもう、遅かった

服が乱れた妹とその上に跨るΩの女性

すぐにΩの女に薬を投与し、種を残す事をしないようにした

妹はショックでその時の記憶が無い

また、あの時の様なことがないようにケイト専用の強力な抑制剤を開発した

運命の番の存在に気づかないのもそれの影響だろう

首に針のない注射器を突き刺すとチクッとしてから首の血管に何かが流れる感覚がする

キーンコーンカーンコーン

授業が終わりタブレットで今終了した授業の整理をしていると、タブレットが影で少し暗くなって顔を上げると

リルさんは少し驚いた表情をしてからいつもの表情になった

それだけ言うとリルさんは教室を出ていった

大きな広間に行くと各寮の代表者が数名いた

次々と皆選択して最後に私が選択しおわると画面にトーナメント表が表示された

戦闘相手を決定する、リルさんがそう言うとトーナメントの下が数字で埋まった

トーナメント表を見るとどうやら3年生が相手のようだった

リルとはいつから知り合いになってたんだろうなんて思いながら様子を伺っていると、おそらくケイトの対戦相手である3年生がケイトに聞こえるような声で話し始めた

一言言ってやろうと思って一歩足を踏み出そうとするとケイトに手で制された

そう言うケイトの表情はずっと前を見ていてよく見えなかった