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春、桜が満開を迎えたころ。 咲はついに大学生になった。
慣れないキャンパス、初めての講義、 自己紹介に緊張しながらも、 通学バッグには哲汰からもらった 小さなキーホルダーをつけて、 そっとお守りにしていた。
そんな咲に、ある日、哲汰から連絡が入る。
哲汰
咲
哲汰
咲
哲汰
咲
スマホの画面越しでも、彼の高揚した様子が 伝わってきて、咲は思わず口元がゆるんだ。
咲
咲
帰宅後、玄関で迎えてくれたのは、 いつも以上にキラキラした笑顔の哲汰だった。
哲汰
哲汰
咲
咲は素直に嬉しかった。 でもその奥で、少しだけ胸がチクっとしたのも 事実だった。
咲
咲
そんな不安を、哲汰はすぐに見抜いたように、 咲の手をぎゅっと握った。
哲汰
咲
哲汰
咲
そう言い合って笑いながら、 リビングのソファに並んで座った。
夕飯を食べながら、咲はふと思った。 彼の夢はどんどん広がって、 自分も新しい世界で一歩ずつ歩き始めていて。 それでも、こうして帰る場所が“同じ”って、 すごく特別なことなんだ。
咲
咲は湯気の立つ味噌汁をすくいながら、 ぽつりと言った。
哲汰
哲汰は咲の方を見て、小さく笑った。
哲汰
咲
咲は頷いた。
それが、ふたりの“新しい春”の約束になった。